水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
カニカマ

我が家の冷蔵庫には、ほぼ100%近い確率で、カニカマが入っています。
ま、価格の割にそれなりの味わいがあって、模造品とは思えないほど、
無限煮にカニの風味に近く、優れた商品が次々に開発されています。


実際、ズワイやタラバ、毛ガニなどの茹でガニの方が、間違いなくおいしいのですが、
ときに、冷凍の技術が問題なのか、身がすかすかしていたり、パサついたものなどがあると、
これならかにかまのほうがよほどいい、と思ってしまうんですね。

私は、マヨネーズを自家製にしています。
これが規制品とは別格と言えるほどうまいんですね。
このマヨネーズをつけて食べるカニカマは、間違いなく、下手な冷凍のカニよりうまいですね。

 

カニカマが開発されて45年がたちました。
私の父がこのころ、どこかの宴席で出されたカニカマを食べ、えらく感激し、
その様子を熱く私に話してくれました。
最初は本物のカニだと思ったそうです。
で、店に人にこれは練り製品で、本物のカニ肉ではない、と種明かしをしてもらった時は驚いた、と言ってました。
この時の様子は私もありありと覚えていて、
その時、私も食べてみたい、と思ったんですね。

間もなく、一挙にカニカマを食べるチャンスが出てきて、
最初の一口で、なんと素晴らしい商品を開発したのだろう、と、父同様に驚いたものです。


先日、カニカマ専門家かみたいな主婦が、テレビに登場し、
さまざまなカニカマの紹介と、それに関わる料理の例を披露していました。
実に多様なんですね。

ま、カニカマと言ってもピンからキリで、ただ練り製品を刻んだだけ、みたいな粗雑なものもあれば、
一塊をカニの節肉のごとく見せかけたり、焼蟹風味と称して、香ばしいにおいを付けたりと、
あれこれ幅の広い商品が出ています。
中には、「ほぼカニ」とまで露骨な商品名のものもありますね。
まあ、そんなくらいですから、カニカマに関しては
通常スーパーなどで販売しているものは一通り試しました。
ま、なんでもかんでもおいしいというわけでもなく、

どこまで本物に近いか、という観点で、好みの物を買っています。

 

料理としては、先ほど述べたとおり、マヨネーズとの相性を生かしたもので、
サラダ系でしょうか。
同じグリーンの葉をたべるについても、カニカマをパラパラと散らすと、一段とうまみが増すでしょ。
天ぷらなどでも、そのままあげてもいいですし、かき揚げなどに混ぜるのもいい。
それと玉子との相性もいいですね。
中華でおなじみの、芙蓉蟹(フーヨーハイと読みます)なども、
本物だと、高くついていけないでしょ。
カニ缶もさほどうまくないですしね。
むしろ、カニカマのいいものを使った方がずっとうまい。

 

考えてみれば、あのカニカマのおかげで、

資源として枯渇しつつあるカニが保護されているのかもしれませんね。
もっとも、逆に、竹輪や半ペン、さつま揚げなどの練り製品のもとになるスケトウダラですが、
そもそもの漁獲量が減少していて、原料が枯渇するかもしれないのです。
竹輪はヤンペンを差し置いて、みんなカニカマになってしまうかもしれない、

という心配があるんですって。
でも、ここまで来ると、カニカマ優位ですね。


そのうち、ずわい風味とか、タラバ風味、また毛ガニ風味などと特殊な個性を売りにするものが

さらに登場するかもしれません。
まあ、カニ食いたい、という欲望はこのフェイク商品で、満足させましょう。

 

このカニカマは日本が生んだワールドワイドな商品なのです。
カニカマは冷凍したスケトウダラの身を急速に解凍し、もう一度急速に冷凍すると、
カニの身のような繊維ができるのだそうです。
で、この原理を利用して、造られたのがカニカマなんですが、
日本以外でも好評なようで、カニカマの消費量世界一は、実はフランスなんですって。
2位がスペインです。
ヨーロッパの人たちも、カニより安くなおかつ、おいしいとなったら、食べたがるんですね。
特にヨーロッパの人たちは、健康志向もあって、

本物のカニよりおいしくてヘルシーということも人気の要因のようです。
で、なおかつ生産量で見ても、発生の日本ではなく、ヨーロッパなんです。
カニカマの世界一の生産国はなんと、リトアニアなんです。


この夏、東京五輪の事前キャンプ地として、選手団がこの平塚にやってくるリトアニア共和国なんです。
リトアニアが世界一の生産をするようになった要因ですが、
スケトウダラがリトアニアの近海でもよく獲れるのだそうです。
リトアニアのビチュナイという会社が、カニカマのシェアNo.1です。
まあほかならぬリトアニアですから、オリンピック選手以外でも、応援したいところですね。

| 水嶋かずあき | グルメ | 11:14 | comments(0) | - | - | - |
七草の節供

このブログでも何回か触れてきた五節句の話です。
お雛様を飾る桃の節句、鯉のぼりを上げる端午の節句などです。
大本は、中国で行われていた行事でしたが、
平安期に日本に伝えられ、初めは主に貴族の間で執り行われていたのですが、
江戸の頃になって、武士の世界に取り入れられ、やがて庶民の中に浸透してゆきます。
つまり、日本文化とも言っていいくらい生活の中になじんできたこの年中行事を、
明治政府は、明治6年に禁止令を出すのです。
正直、この行事を熱心に進めることに、何の悪影響があるのか、と思いますが、
時の政府は、好ましくない風潮だ、と感じたんでしょうね。
うがった見方ですが、中国に原典があり、(日本の文化は大体そうです)
京を発生とし、江戸で大きく花開いたという文化に対して、
薩長の田舎侍は違和感を覚えていたのかもしれませんね。
その本心は分かりません。


妙な通達と庶民は感じたんでしょうね。
いままで、ご先祖から受け継いできたあの雛人形は捨てろというのか。
子の健やかな成長を願う鯉のぼりをどうしてあげていけないのか。
おそらく疑問だらけだったと思うのですが、国はそう定めたのです。
しかし、これらの違和感は根強く、禁止されたものの、しぶとく風習として継承されてきました。
この令和の時代においても、往時の面影は薄れたかもしれませんが、
五節供は脈々と受け継がれています。


今でこそ、庭先に竿竹を立てて鯉のぼりを上げる家は減りましたが、
よく河原に、メザシのように鯉のぼりを並べて、皐月の薫風に泳いでいる写真を見たことがあるでしょ。
あいかわらず、鯉のぼりは不滅なんですね。
三月のお雛祭りもそうです。

デパートの人形売り場には、ひな人形のセットが所狭しと陳列してあります。
さらには、七夕に関してもそうです。
特に平塚なんかは商業まつりとして、大々的に七夕を祝っているでしょ。

 

五節句を数の大きい順に並べると、
九月九日は重陽の節句です。
中国では、数字の奇数を陽、偶数を陰としてきました。
で、数として最も大きいのが九です。
その大きな陽の数字が重なったのが九月九日ということで、
重陽の節句ということになります。
節供にはそれぞれに植物、花の類、また食べ物が定められていて、
重陽の節供は、別名菊の節供とも言われているように、花は菊です。
たべものとしては、栗ご飯とか、秋茄子が食べられていました。
七月七日は七夕の節供です。
花はなでしこ、食べ物はそうめんでした。
平塚の七夕祭りとしては市の花がなでしこですから、偶然の一致ですが、ピッタリなわけでしょ。
そこで食べ物としてはそうめんを復活させたいと、

昨年は七夕素麺を飲食連合会として売りに出したのですが、
いまいち理解を得られませんでした。
今年もできれば挑戦してみたいですね。
五月五日は、様々な童謡でも歌われていますが、菖蒲の節供です。
女の子のひな祭りに対して、男の子の節供のようにとらわれてきました。
菖蒲という言葉から勝負をかけているんでしょうね。
花はもちろん菖蒲・あやめです。
食べ物は、時節柄、柏餅にちまき。
三月三日は、上巳の節句と言われ、要はひな祭りとして執り行われてきました。
花は桃、食べ物はあられ、菱餅、白酒などです。
で、いよいよ一月の節供ですが、
正月行事と重なって一月一日と思っている方が多いのですが、
正確には、一月七日なんです。
数字の並びから言って、9・9、7・7、5・5、3・3とくれば
1・1と考えるでしょ。
第一、節供の料理として大々的に食べるのは元旦のおせち料理ですものね。
勘違いしてもやむを得ないというところでしょうか。

 

で、どうして年の初めの節供が七日にずれ込んでいるのか、というと、
これは中国の古い風習によるんですね。
まず新年が明けると、その年の運勢を占い、無病息災、五穀豊穣とかを願うんですね。
で、まず初めに鶏の運勢を占います。
2日は狗(犬)の日、3日を猪(豚)の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日とし、
して、その年のそれぞれの家畜の運勢を占います。
そして7日になって初めて人の運勢を占うのです。
したがって、この日を人日(じんじつ)の節供としてるんですね。


つまり、五節句のその年の第一節供は1月7日ということになります。
この日は、併せて七草の節供と言われているように、七草粥を食べるということになっています。
江戸の頃は、将軍をはじめ、武士全員が、七草粥を食べたのだそうです。
当然これは庶民にも反映し、日本全体で七草粥を食べたんですね。
まあそれなりの作法があるようですが、ごく普通に粥をたき、
それに、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七種の葉を炊き込みます。
旧暦の話ですから、今よりは早春の気候になっていて、
野に行けば、これらの七草が芽を出していたんでしょうね。
それを摘んで、年初に無病息災、家内繁栄を祈って皆で食卓を囲んだんですね。
とても素朴な行事でしょ。


そういえば今日は七草の節供ですが、
あなたは七草粥を食べべましたか。

| 水嶋かずあき | グルメ | 11:17 | comments(0) | - | - | - |
昔は食べ物を残すと怒られた

堺市教育委員会が、廃棄予定だった学校給食を持ち帰っていた

市立高校の教諭を減給処分にしました。
教師は「もったいないと思った」などの理由から、

4年にわたり、パン約1000個と牛乳約4200本を持ち帰っていたというのですね。

 

学校は、1年間で、夏休みとかの休暇、土日の休みなどを除くとおよそ200日とちょっと授業が行われます。
ですから、4年で800日。

1000個のパンは一日1個ちょっと。

牛乳は5本あたりを持って帰ったことになります。
で、もしですよ、誰も持ち帰らなかったら、捨てられてしまうんでしょうか。
おそらく牛乳はパック入りでしょ。

1週間やそこいら安全に飲める。
パンだって、それに近いでしょ。
何にびくびくして、食の安全とかを考えているんでしょうね。

むしろ、そんなに毎日残ると言うことの管理も問題でしょ。

我々で言う適正仕入れができてないということでもあるのです。

 

WHO(世界保健機構)によると、毎年少なくとも6億人が食中毒にかかり、

42万人が死亡しているとの推計を発表しています。
この世界的数値を日本の人口に換算すると、一年間で、7500人が死亡するということになります。
あのアメリカですら、年間食中毒死亡者数が、3000人を超える、というのですね。
実はこれが人間の生活の実態なのです。
つまり、食というのは、かなり危険な状況が続いているのです。

 

ですから、パンと言えど、パック入りの牛乳と言えど、安全である保証はない、と考えがちですが、
日本では、ここ何年か、食中毒死者数というのが、年間5〜6人と言ったところ。
世界の状況から比較すれば、食の安全は群を抜いて高い、と言えます。
しかも日本の場合その大半が、ふぐとか、茸などの自然中毒なんですね。

 

食中毒は、サルモネラとか、腸炎ビブリオなどの細菌系と、カンピロバクター、ノロウィルスなど
ウィルス系のものと2種類に分かれますが、それらのものでの死亡例はほとんどないんですね。

私の仕事は食に関わっていますので、保健所との関係が強いのですが、
何かにつけて、保健所の窓口のやり取りをします。
で、いつも感じるのですが、そこまで規制するのか、と感じることが多いんですね。
なんか、やけくそになって、食材の扱い、調理方法を規制しているんです。
正直その根拠が分からないんですね。

 

大体日本のお役所は、なんか事件、事故が発生すると、その点に絞って新たな規制を作ります。
例えば、以前何かのイベントで、携帯発電機のガソリンに引火して、

周囲の観客が大やけどををするなどの出来事がありましたが、
その直後から、イベントなどで火を扱う場合は、消火器を用意する事、となりました。
あのガソリン引火事故で、消火器があったら役に立ったのでしょうか。
もちろん、そのことが100%不要だとは思いませんが、いささか過剰は対策ではないか、と感じています。

 

とくに、食中毒に関しては、異常なくらい敏感でしょ。
焼き肉店で生レバを食べて、食中毒が発生すると、
生レバは、全国の焼き肉店で売ってはいけないことになりました。
イベントなどでカレーは一切扱ってはならない、ということになっています。
特に、あの和歌山カレー事件以降、厳しくなりました。
誰も人を殺そうと思ってカレーなど造らないでしょ。
ちょっと勘違いしていると思いませんか。

 

ですから、堺市で、かつて食中毒事故が発生し、しかも死者まで出してしまったとなると、
敏感になっていて、そのあたりの対応が厳しくなっているんだと思うんです。

 

学校給食法と言うのがあります。
これによると、児童・生徒が給食を食べる前に、校長先生は試食しなくてはいけません。
まあ、江戸の頃のどこぞの大名の殿が食する前に毒見役というものが毒見をしましたが、
似たり寄ったりです。
でも、校長は命を懸けて、生徒の食べるものが安全かどうか、なんてことで食べているわけではないでしょ。
少なくとも、味を見ているだけのことで、

安全かどうか、というチェックは不必要なほど、日本の衛生状況は優れているんですね。
でも、残り物に関して異常なくらい敏感になっているようです。

給食が終わり、その日の夜になったら、

突然腐敗してしまい、食べたら体によくない、なんて状況が発生するわけがない。
なのに、食中毒を念頭に、もし、この規制をしているなら、頭が固すぎるでしょ。

 

今回、教師を処分した理由を堺市教育委員会では、
「地方公務員法第32条と第33条に違反したため」と言っています。
つまり、本来、生徒に対して与えられるものであるものを持ちかえったということ。
言いようによっては、紙とか、教材の一部を持ちかえったと同等の考えなんですね。
ま、ありていに言えば、盗んだ、ということのようです。
でも、常識で考えてですよ、パン牛乳ですから、捨てるよりいいでしょ。
何しろ、その牛乳は、明日は生徒に出せないんですから。
いわば歴然とした不用品です。

ここのところの考えが分からないですね。
まあ、これが堺市の決まりです、と言われれば、
「法令等及び上司の職務上の命令に従う義務」に違反していると言えば言えるのでしょうが、
そもそも、廃棄処分にするという考えがおかしいでしょ。


食品ロスの問題は、いずれじわじわと社会問題として大きく取り上げられると思うんですね。
そこらの読みも必要でしょ。

 

| 水嶋かずあき | グルメ | 14:13 | comments(0) | - | - | - |
たくさんの命で生かされています

私は、シラスが大好きなんです。

正直、どこの産であれ、須賀港に揚がって、地元のシラス加工場で茹でられたものにはかなわないですね。
ですから、本当なら、平塚産の釜揚げと言いたいところなんですが、
須賀港までなかなか出かけられないので、ついつい、近所のスーパーなどの
棚にあるものを買ってしまうんです。

ものとしては、そもそもがシラスはサイズが小さいものですが、

それでも、大きいサイズのものを買うようにしています。

とは言え、スーパーの魚売り場に、サイズがあれこれ異なるものが並んでいることはありませんね。

ひと網で上がったものが、同時に配送されるわけですから、

チビはチビのサイズで揃っています。

ですから、細かいサイズの時は全部細かい。

 

私は、よほどのことがない限り、細かいものは買いません。
そもそもあんな小さな魚なんですから、体力もないでしょ。

それが網で引き寄せられ、荷揚げされ、加工場まで運ばれて、

茹でられるというプロセスを考えると、こまかいサイズは、体力的に持たない。
ですから、多少なりとも大きめのサイズのものがしっかりしているんですね。
大きい分だけ味もしっかりしていますし、実がグダグダする前に加工されるので、

旨い釜茹でが出来上がるんです。

 

で、このシラスは、やはり素朴に大根おろしに和えて食べるのが一番でしょうか。
もしくは、温かいご飯に山盛りにかけて、生卵をさらにかけて食べるというのもうまいものです。
丼にご飯を盛り、しらすを乗せ、生卵をかけるというしらす丼ですね。
生シラスだともっとうまいです。

 

で、自分の好みの食べ方をさんざん書いておいて、何なんですが、
このシラスを見るたびに、なんという数の命だろうか、と思うんです。
一口で数百、一食で数千の命を食べてしまうんですね。
時に申し訳ないかな、とか思うことがあります。
こんな風に仏心を持ったところで結局はうまいうまいと食べるんですから、
人というのは業の深いものです。

人間が一日三食食べたとして、一生で8万食から9万食は食べます。
ときにすきやきだったり、ラーメンに餃子だったり、ハンバーガーだったり、
まあいろいろですが、間違いなく、動植物の区別はともかく、命をいただいているんですね。
それもすごい数の命です。

 

ステーキを食べたとして、牛一頭の何百分の一か、何千分の一かを食べます。
シラス丼だと、何千匹の命を食べます。
どっちがいいのかとかの問題ではないんですが、
命一つの価値は同等だとすると、
シラスを食べるって妙に罪深くないか、と考えることがあるんですね。

 

たまたま、今朝、子持ち鮎を焼いて食べました。
まあまあの大きさで、腹はでっぷりとしていて、卵を目いっぱい抱え込んでいました。
いや、これはこれでとてつもなくうまいものでしたが、腹に抱えた卵を食べながら、
一体、何千という命の元を食べることになったのか、と思ったんですね。
食べながら、かみさんに、相当数の命を食べちまったな、といったら、
私もそう思いながら食べていた、と言ってました。

 

年の終わりには、おせち料理を仕込みます。
この中にはおせちの基本三肴と言われる数の子が入ります。
それこそ、一腹分の数の子で、何千という命の候補が、入っているわけで、
これが食卓に何十本か供されるわけでしょ。
そのほかに、いくらの醤油漬けがおせちに入っています。
これは粒が大きいですから何百でしょうか。
それと、子持ちシシャモの昆布巻き、いくらに和えるトビッコ、
去年はボラの卵のからすみも入れましたので、
なんだかんだと5種類の魚卵を詰め合わせたわけです。

人間はめでたいめでたいと食べますが、
肴の命の候補には、とんだ迷惑な話なんでしょうね。

 

| 水嶋かずあき | グルメ | 10:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「なると」の正しい置き方

本当にどうでもいいことが今日の話題です。
余りにばかばかしいテーマなのでよ、読み飛ばされても結構です。

 

さてそのテーマですが、ラーメンに載せる「なると」の正しい置き方です。

正式にはなると巻と言います。

そもそも最近のラーメンは、もやしの炒めたものが載っていたり、
焼のりが添えたあったり、また、メンマが無かったり、と、以前に比べると、多少の様変わりをしています。
今の定番は、煮玉子、叉焼、のり、メンマ、刻み葱ですね。
で、ふた昔前のトッピングは、叉焼、メンマ、茹でたほうれん草、それに、なるとです。
かなり違うでしょ。
この中でも、イの一番にすたれたのが、なると。
ほとんど今では見かけません。
でも、いまだに、昔風のトッピングをしているところでは、なるとは定番です。
飲食業組合連合会で運営している競輪場のラーメンには、このなるとが載っています。
で、作業をしているところを見ていると、100%、ともかく一個入れる、という作業をしています。
なるとというのは、ご存知でしょうが白い練り物の周辺がギザギザしていて、
その中心に赤く色付けした練り物が渦巻き状に巻かれています。

これは、鳴門海峡に発生する渦潮が原型になっています。
で、このなるとを3仭宛紊棒擇辰董▲蕁璽瓮鵑両紊忘椶擦襪錣韻任后
まあ、ちょっとした彩の一つですね。
それほどうまいものでもないですけどね。
でも、なぜか定番の一つでした。
で、切ったものを平たく置くと、裏表があるので、渦の方向が変わるんです。
右向きか左向きかです。
調理場ではそんなことお構いなしに、ともかく一個を乗せる。
したがって、物によっては、右向きなるとと左向きなるとのどちらかになります。
まあ、どっちでもいいと言えばいいのですが、
正しくは、右向きに渦を巻いているのが正解なんです。

 

さてその根拠です。
こんな記事をネットで見かけました。

徳島県鳴門市と兵庫県淡路島の間にある鳴門海峡では、
世界的にもまれな自然現象「鳴門の渦潮」を観賞することができます。
他に、長崎の西海橋の下でも渦巻きは見ることができます。
で、その渦潮が左右どちらに巻いてるのだろうか、というのがこの記事のテーマ。

そもそも渦潮はどうやって発生するのかですが、
鳴門観光汽船の若山勇輝さんの回答。
「鳴門海峡は中央部が深く、本流と呼ばれる潮流が抵抗なく速く流れています。
その両岸は浅瀬になっていて流れが緩やかなので、本流の速い流れと両岸の緩やかな流れの境目付近で、
本流の速い流れに巻き込まれるような形で渦潮は発生します」と。
まあ、特殊な地形になっており、潮の干満によって水位差が生じる為という事なんですね。
そこで、では、どちら向きの渦になるのか、尋ねると、
「鳴門の渦潮は、南流時は鳴門側に、北流時には淡路島側にのみ多く発生します。
つまり、右巻きの渦潮がほとんどです」という驚きの答えが返ってきた、と。


結論は、鳴門の渦は右巻の時計回りということです。

で、これは地球の自転が関係しています。
北半球では通常できる渦は右回り。
南半球では左回りになります。
ふろの栓を抜いたり、洗面器にたまった水を流す時など、水量が減ってくると渦巻現象が見れます。
これが北半球と南半球は逆になるんですね。
ただ、風呂桶なんかは、排水口の位置とか、構造によって必ずしもそうでもない場合があるようですが、
ごく普通のボールかなんかに、バラランスの取れた排水口を付けた場合、
北半球では右回り、南半球では左回りとなるんですね。

 

以前テレビの番組で、これを実験していました。
アフリカの赤道直下で実験したんです。
赤道というのは地球の自転では、最も大きく動く場所です。
で、その赤道の線を引いた道の向こうとこちでやってみたんですね。
つまり、自転の影響を受けやすいところで北と南の違いを調べようというわけです。
線からおよそ200メートルほど離れた北で実験すると、右回りの渦ができます。
で、今度は線から200メートルほど南に行って同じことをすると、左回りになるんですね。
たかだか数百メートルの違った場所で、南と北の影響が異なるんですね。
この実験を見て驚いたことを記憶しています。

 

つまり、北半球に存在する鳴門海峡では右回りが理にかなっているわけです。
ということはですよ、ひっくり返せば左巻きになる切ったなるとでも、
発生の鳴門海峡の渦巻きが原点ですから、
それにならって、右回りの置き方をすべきではないか、と。

 

ね、どうでもいいばかばかしい話題でしょ。

| 水嶋かずあき | グルメ | 10:34 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
食べれるということ自体への感謝

来年早々には76歳になります。
で、再来年には喜寿を迎えます。
この時には、少しばかりにぎやかな集いをもってみようか、と。
こう言うところは親父譲りですね。

 

ま、ともかく、思えば長々と生きてきたものです。
とは言え、平均余命ではあと10年ほどあの世に行く猶予がありますので、
もう少しのお付き合いをお願いしします。

 

さて、いままでの人生を振り返って、実に良い時代にうまれてきたもんだ、と
我が身の幸運をかみしめる時があります。
きっと10年前に生まれてもそれは異なるような気がするんです。
だって太平洋戦争の過酷な環境を多感な少年期で過ごすわけでしょ。
きっと今のような心情で時代を迎えられなかったろう、と思うんです。
正直、なにより、暮らしてゆくという上で、その状況はひどすぎるでしょ。

 

私の母が、戦時中を振り返って、
あのころ夢だったことがある、と。
それは家族そろって(父は召集で不在でしたから)どこか野原に出かけて行って、
鮭の缶詰と白米のおにぎりを腹いっぱい食べる事だった、と。
実に素朴な夢でしょ。

私はこの話を思い出すたびに、本当に歯を食いしばって生きてきたんだな、と思うんです。
いまだったら、毎日でも叶うじゃないですか。
そんな程度の事が、夢だったのだそうです。

 

私は、この話を小学生のころに聞かされて、
すでに世の中落ち着きを取り戻していましたから、
鮭缶におにぎりなんて、まあまあ十分に可能な時代です。
子どもながら、そんな厳しい時代だったんだ、と思ったものです。
ですから、19年に生まれたということは、戦時中ではありましたが、
赤ん坊ですから、そんなことの経験の記憶もないわけです。
確かに物心ついた時でも、かなり厳しい食糧事情ではありました。
でも、食卓はそれなりに食材を調達できるようになりつつありましたから、
貧しい食卓であったとはいえ、それが不満だとか惨めに感じたことはありませんでした。

 

何が幸せな時代に生まれてきたか、と言うと、
生活そのものが底辺から始まったということです。
水は庭先の井戸から汲み上げました。
ですから、水道の蛇口をひねれば水が出るということに感激したのです。
風呂は、どこぞの焼けた廃工場の資材置き場から、ドラム缶を調達してきて
これをレンガを組んだ土台の上に置いて、下からまきを燃やすという、
いわゆる五右衛門風呂でした。
人ひとりがタテになってやっと入れる容量です。
何より、スノコが水面に浮いていて、最初に入るときこれを下まで降ろすんですね。
これが失敗すると、そこのとてつもなく熱い鉄板を踏んでしまう。
私はまだ子供でしたから、親に手伝ってもらってスノコ板を下まで沈めたものでした。
ですから、体を横にして入れる風呂に入れるようになった時は、これまた感激したものです。

当然今では、なんてことのない食べ物も、滅多に口にできず、
いわゆる贅沢品でした。
それですから、うなぎを初めて食べた時なんて、鮮明に記憶しています。
海老フライを食べた時もそうです。
場所、一緒に食卓を囲んだ人たち、すべて鮮明に記憶しています。
こんなうまいものが世の中にあったんだ、と。
きっとそんな幼少期の経験が、今でもうなぎ大好きで、何かというと海老フライを食べるのは、
人生を形作る貧しい経験が基礎にあったからではないか、と思うんですね。

 

その後、長じて少年時代から青年時代に成長してゆきますが、
それに伴い世の中豊かになってゆき、あわせて、食文化も多彩になってゆきました。
今では、ごくごく普通においしいものを食べるでしょ。
時々思うんですが、今の食卓って、あのころの特別な日の食卓ですよね。
お誕生日とか、節供とか、何か特別な記念すべき時に食卓の並んだものが、
今では、夕食の食卓に当たり前に並ぶ。
だからおいしいものに対する感激も鈍くなってしまっている。
私達の時代のように、おいしいものに出会った感激、なんて、今の時代の比じゃないでしょうね。

 

こう言う感激を味わえる時代に生まれてきた、ということは実にすばらしいことでしょ。
正直、少し早すぎた人、すこし遅れた人に対して、申し訳ないと思うくらいです。

 

| 水嶋かずあき | グルメ | 15:08 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
自家製マヨネーズ

料理は素材が基本だと思っています。
そりゃ、調理人の腕も当然必要ですが、
やはり基本は素材でしょ。
例えば、キロ1万円のまぐろの中トロを
刺身にして、客に出して、どうでしょう、と言ったって、
まあそれなりの評価でしょ。
しかし、売値はともかく、キロ10万円のまぐろを刺身にして、
さあどうでしょう、と言えば、客は、これはうまいね、となるでしょ。
でもこれって調理人の腕ではないでしょ。


私は、ここの店はうまい料理を出す、と言うところにある共通点があることに気づきました。
料理の素材と言えば、牛豚鶏の肉類、あとは海産の魚介類、それに野菜、根菜、穀類。
それぞれに吟味したものを出してはいると思うのですが、
比較的、肉、魚への神経は使っておいても、野菜、根菜は後回しになっていることが多いものです。
ところが、なんとなく、ですが、食べおわって、旨かったな、と口の中に余韻が残っているような店と言うのは、
いい野菜を使っているんですね。
まあ、平塚あたりだと、何人かの農業者の方が、
結構、神経を使って作物を作っているようです。
よくある話ですが、無農薬とか、有機野菜とか、ただ生産するだけでなく、
良い商品を作ろうとする姿勢で農業に携わっているんですね。
こう言う人達は、JA経由で品物を出さない人が多いようです。
言い換えれば、ただ作っている人の作物と同列に並べられるのが嫌なようです。
仕事に誇りを持っているというか、何か夢を持っているというか、
ときに、健康と言うテーマへの使命感があったりとか、
独自の職業観があるんですね。


ま、ともかく原則体にいいものを作る、それはそのまま食材のうまさにつながる、と言う事なんです。
で、これらの人たちから野菜を買っているところの飲食店は、
総じて、旨いですね。
先ほど言った様に、じわっと食後にうまさを感じるんです。
もちろん、そういうお店は肉も魚もおいしいですが、
食事ではどちらかと言うと、二番手的な位置の野菜がしっかりしていると、
結果として、肉、魚の食味を上げるんですね。

 

話は変わります。
先日のブログでも書きましたが、おせちをできれば自作していただきたい、と。
確かにどこぞに頼めば、無駄も出ないし、手間いらずだし、
味はともかく、見た目は豪華できらびやか、正月の食卓を飾るにふさわしいものですが、
一年の初めを人のふんどして相撲を取るというのも如何なものか、と言ったことを書きました。
でも、平素それなりの料理をしていないと、
これはなかなか難しい話です。
特に昨今は、なんでもほぼ完成品があるので、それこそチンでおおむねの料理は整えられます。
だからこそ、平素から何かと自作を心がけることが必要でしょ。
ちなみに、普通だったらスーパーで買っているようなものでも、
まあ、私は自作するようにしています。
ざっと挙げれば、らっきょ、まあそれほど食べるものじゃないですが、
初夏に生のラッきょが並ぶと、多少手間がかかりますが、細かく洗って下ごしらえをして、
あとは甘酢漬けまたは醤油漬けにします。
ほぼ一年はカレーのたびに、登場します。
イチゴジャム。
これは実は、冷凍イチゴを使います。
まあ安いというのが理由ですが。
このイチゴジャムも、ほぼ一年間冷蔵庫に保存してあります。
それとマヨネーズ。
これは絶対自作の方が旨いです。
電動のハンドミキサーさえあれば、いとも簡単に作れます。
2、3年前にたまたま作ってみたら、これが旨い。
以来、とてもスーパーで買う気にはならなくなりました。
で、ほぼ定期的に500グラム程度のものを作っています。
材料は、玉子黄身、植物油、酢、塩、少々の砂糖など。
これをミキサーで撹拌し、オイルを少しずつ入れるのですが、
時に失敗します。
そしてら一からやっり直し。
で、失敗の理由、玉子の温度。
冷蔵庫から取り出した冷たいものはやめた方がいい。
逆に失敗しない方法。
前回造ったものを基礎にする。
多分4、50グラムぐらいでいいと思うのですが、
これを種にするんですね。
これに黄身を入れ、混ぜながらオイルを足してゆく。
まあほぼこれで大丈夫です。

 

さっき、マヨネーズを仕込みました。
で、たまたま、知人から伊勢原の何とかという鶏卵場の品物をいただいたのです。
なかなかすぐれたものだ、という触れ込みでした。
で、ちなみに玉子かけごはんで戴いたら、うわさ通り、旨い玉子だったんですね。
この、玉子でマヨネーズを作ってみたんです。
そしたら、最初の10秒で、もうしっかりと固まるんです。
驚きました。
当然味もしっかりしているんです。
痛切に食材の品質の差を感じました。
確かに、その時、安い特売の卵かなんかしかなかったりすると
それでマヨネーズを作ることがあるんですが、
何故かいまいちなんですね。
しっかりと練りあがらない。
ちょっとだらっとしてしまうんです。

玉子と言ったって、ピンからキリですが、
やはり、いいものは良いんですね。

 

要は食材が勝負どころなんですね。

| 水嶋かずあき | グルメ | 19:43 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
無断キャンセルは市中引き回し

飲食店、弁当製造販売、飲食物加工業など、
およそ食べ物を取り扱う業態は、極めて脆弱な利益構造になっています。
分かりやすいので、配達弁当の業態で説明しますと、
おおむね、売り上げの3%ぐらいが利益になるとします。

で、オーダーを見越して30食製造します。
ところがその日は29食しか売れなかった、と。
つまり、30食売れて、売り上げと経費の差引が3%と言う事なら、
1食あたりの売り上げが3%になるわけですから、
1食分が売り上げに寄与しなければ、その時点で、利益はゼロになるでしょ。
結構ギリギリの厳しい状態なんですね。

 

弁当業界の異端児とまで言えると思うのが、東京大田区の玉子屋です。
一日当たりの生産量は65000食。
凄い量でしょ。
私もかつて配達弁当業を手掛けたことがありましたが、
弱小企業でしたし、能力不足もあって、せいぜい日産200食ぐらい。
それが6万5千食ですって。
どうやって作り、どうやって配達するんだろう、と、ずっと疑問に思っていました。
何より、配達弁当と言うのは、お昼と言う12時に食べるので、それまでに届けなくては行けない。
と言うことは、極めて製造時間・配達時間が限定されるわけですね。


そしたら、玉子屋さんはこう言うシステムだったんです。
まず、その日のオーダー数を見越して、一番遠い所から配達を始める。
見越すというところが大事なんです。
要はオーダーが確定するのは、お客様によっては、10時ぐらいと言うことになるんですね。
で、配送ですから、オーダーをもらってからでは、遠い所は間に合わない。
かといって、適当に見繕って出かければ、余った時、マイナスになってしまう。
そこで、第一陣は遠い所から配達し、

よしんば不足したら、近くで配達している同社の車から、必要数を融通してもらう。
まあこの辺のところはシステムですから、携帯かなんかでやり取りし、

品物を引き渡す場所を決めればできることです。
で、逆に余ったら、それを近くの車に渡してしまう。
そうやって、徐々に工場に近い所に配達場所が移動し、
そうこうするうち、予約時間になれば、総注文数は確定するので、
そこで生産を終了させ、あとは配達員同士のやり取りで、

時間までに配達を終わらせる、と言う事なんです。
こうすればロスが出ないでしょ。

 

つまりです、いかにロスを減らすか、ということのシステムなんですね。
弁当屋さんに限らず、飲食物を扱うところは、このロス対策が最大のテーマなんですね。
でないと、ごく簡単に利益を失うんです。

 

先日、ある居酒屋に団体予約をし、無断キャンセルをしたために、損害を与えた、ということで、
警視庁丸の内署は、この犯人を逮捕したそうです。
確かに、無断キャンセルによる飲食店の損害は社会問題になっていますが、
検挙と言うのは珍しい事です。
逆にそれほど悪質だったということですね。


その予約内容、午後8時から17人、1万円コースに3000円の飲み放題をつける、という内容。
ざっと20万なにがしかの売り上げ。
当然、料理は準備しますよね。まずこの人件費、材料費のマイナス分。
17人分の席が稼働できませんよね。これもマイナスです。
よくお店によっては当日キャンセルは、予約額をいただきます、なんてことを言うところがあります。
まあ普通ですけどね。
で、1週間前の場合は半額いただきます、なんてこともある。
これは、間際1週間では空いた席を埋める予約が取れないかもしれない、
と言う客席の稼ぎの損失を数字に換算しているんですね。

飲食店側からしてみれば、ぎりぎりの事情で、人数が減ったとか、全面キャンセルとか、
それなりの補償を要求して、払ってもらえればいいのですが、
最初から、頬被りして、偽名で、ダミーの予約を知れるというのは、これはれっきとした犯罪です。
逮捕というのは正当な行為だと思います。
こう言う事例で、この類の犯罪を防ぐのは、大事なことですね。

 

以前もこのブログで書きましたが、犯罪と言うのは、
犯した罪とその償う行為のバランスが結構重要で、
要は、割に合わない犯罪と言うのは、発生を抑止できます。
つまり原則厳罰であれば、犯罪は割に合わなくなりますので、
どこかで理性が働くんですね。

江戸の頃の火付け犯みたいに、市中引き回しの上、火あぶりの刑とかなれば、
犯罪に手を染めるということ自体の自制につながるでしょ。
飲食店の厳しい状況を考えれば、
こんな無断キャンセルは、市中引き回しですよね。
ま、火あぶりまでしなくてもいいですけど。

| 水嶋かずあき | グルメ | 11:38 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
おせち料理ご予約承り中

いまさらですが、今年も残り2か月を切りました。
当然ですが、12月になれば、今年もあとわずか、一か月を切りました、となります。
うちの娘はちょっと独特の感性があるらしく、

4月になると、今年もあとわずかだね、と言い始める。
だから、世間が今年もあとわずか、などといって、ある種の覚悟をするわけですが、

彼女は、ほぼ一年の半分以上そん覚悟を続けているわけです。
まあ我が子とは言えよく分からないんですね。

 

で、この季節になると、がぜん前面に出てくるのが、おせちの予約キャンペーン。

おせち料理ご予約承り中、と。
だって、まだ食べるのは50日も先の話でしょ。
気が早い話ですが、おせちの重箱につまった色とりどりの料理の写真を見ると、
何となくそわそわと予約しておこうか、と言う人もいると思うのですね。

 

50年ほど前までは、おせちと言うものは、ほぼ家庭料理の領域として扱われていて、
料理屋とかで、注文をするというのは、それほど一般的ではありませんでした。
私の手元に本山荻舟先生による料理の基本中の基本をまとめた飲食辞典と言う出版物があるのですが、
これによりますと、おせち料理とは家庭料理の代表、と言っています。
当然のことながら、これらのものにもそれなりの歴史があって、
そもそもは、五節句を祝う料理だったので、節会料理、と言われていて、
昔々は宮廷などで五節句を祝う時の山盛りにした料理だったようです。
で、それが江戸の頃になって、武家に広がり、次に庶民に広がって、
節供料理が食べられるようになりました。
特に、五節句のうちの正月の節会料理を、おせちと言うようになったのです。
このころは、ともかく砂糖などの甘味料が十分になかったので、
人々は甘いものに飢えていたのです。
ですから、年の初めのおせちにはここぞとふんだんに甘味にしたものが作られました。

正月のめでたい時に食べられるので、造られる料理にはあれこれめでたいいわくを盛り込んでいます。
数の子は、子孫繁栄とか、ごまめは豊穣豊作を祈願したり、海老の料理は長寿を願ったり、
ぶりは出世魚としてのめでたさを謳ったり、ま、ほとんどこじつけに近いようなものなんですが、
それでもめでたいものを食べて新しい年を祝うというのは、
意義深いことですよね。

 

特に旧来の年齢の数え方では、いわゆる「かぞえ」と言う概念の年齢では、
正月になると一斉に一歳加算されるわけでしょ。
12月31日に生まれると、その時点で一歳。
で、翌日正月には一歳加算されますから、生まれてなんと2日で2歳と言うことだったんです。
ま、私達が小中学生までは、かぞえと満年齢が重複して使われていましたからね。
ともかくそういうことですから、家族全員の誕生日になるわけです。
もしですよ、今家族が、たまたま誕生日が一緒で、家族全員が合同バースデーを迎えるとしたら、
一大イベントでしょ。
まあ正月とはそんなもんだったんです。
ですから、それなりに構えて新年を迎えたんですね。

 

その時食べる節会料理ですから、殊の外力を入れて作ったらしい。
何しろ、家庭料理の代表、とまでの位置づけだったわけですから。

で、その意義は伝承されてはいるのですが、家庭料理の代表と言う部分が薄らいできて、
ついにはどこぞの料亭、どこぞの食品加工会社のもの、

時にコンビニで予約したもので済ますようになってしまいました。

さ、そこでです。
予約しようか、なんて考える前に、おせちの基本をそれなりに理解したうえで、

出来れば手作りに挑戦すべきだと思うんです。
私は、まあ仕事柄、重箱に詰める全35品の料理を、蒲鉾以外は手作りにします。
でもまあ、これは一般的には困難でしょうから、
せめて、ばらばらに食材を買って、重箱に詰めるというのはどうでしょうか。
おせちの基本は、祝い肴3種と言われるものです。

なんであれ、この三種が入っていることが原則です。
一つは数の子、これは塩だしをきちんとすればあとはなんとかなるでしょ。
二つ目は黒豆、これもそれほどややこしい手順はありません。
ちょっと時間がかかりますが。
でも、めんどうなら、出来合いでもいいでしょ。
で、祝い肴の三つ目は、田作りです。
これは思ったより簡単に作れます。
出汁用ではない煮干しを煎って、砂糖水を煮詰めたものを絡ませればそれでいい。
ま、これも面倒なら、出来合いを買ってもいい。
ともかくこの基本3種をまずそろえ、
つぎは口取り系を買いそろえる。
金団に羊羹、錦玉子など。
それに伊達巻ですね。
あとは、酢のもので、大根、ニンジンの紅白なます、小肌の酢の物、たこなど。
焼き物は海老とか、ぶりとか、タイの切り身とかの塩焼きや照焼き。
そして、ここは作りましょうか、煮物です。
素材としては、里芋、人参、蒟蒻、ごぼう、竹の子、椎茸、高野豆腐、厚揚げ豆腐、
あと絹さやなどの青み。
これを重箱に盛り込めば、立派なおせち。
どうやったって、1万円はかからない。
是非とも彩鮮やかな写真につられて、予約なんかしないように。

なんていったって、おせちは家庭料理の代表なんですから、
年の初めは心温まる手作りで祝いましょう。

| 水嶋かずあき | グルメ | 13:14 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
隔靴掻痒の品定め

世相は移り変わる。
それによって、ちょっとしたマナー的な問題も持ち上がり、

賛否が分かれ、どうでもいいこともふくめ、それなりの意見の調整が行われる。
そして、新たな社会通念がそこから生まれる、と言うのが最近時に感じる様々な現象の一つです。


そもそもで言えば、携帯のマナーモードなんていうのもそのうちの一つでしょ。
人情が紙のように薄くなってゆく昨今では、個人の社会性の欠如はますます進んでゆくようです。

 

そんな中で、あるスーパーが、最近のある現象に悩んでいるのだとか。
それは、スーパーで肉や魚を買った客が、商品の容器をレジ横のごみ箱へポイと捨ててゆく。
つまり、家であのトレーを処理するのが面倒なので、(とくにごみ有料のところはなおさらでしょ)
買ったその場で、上面にかぶせてあるラップに上下をひっくり返し、
底の部分からラップをはがし、トレイを外す。
で、買った商品はラップに包んで持ち帰る、と言うやり方。
まあ、あったまいい!と思ったのです。

ごみは減るし、冷蔵庫の中はかさばらないですむでしょ。
ところが、これが問題なんだそうです。
まず、衛生的でない、という指摘。
匂い、小バエ、雑菌などが繁殖すると不安がるんですね。
他の客からも汚いと非難されることもあるとか。
そこで、トレーを捨てないよう、注意書きを出しているスーパーもあるようなんです。

でも、これってどうも西日本方面の傾向のようなんですが、いずれ全国的な傾向になるかもしれませんね。

 

何しろ、あのトレイのかさばり様ときたら、半端じゃないですもんね。
我が家は、平均年齢81歳の超高齢化家族なんです。
したがって、食材の買い出しと言ってもちょぼちょぼしたもの。
米なんか、2キロ買ってくれば、楽に半月は持つんです。
そんな状態なのに、ちょっとした大きめのレジ袋に、プラゴミ系のものを入れて処理しているんですが、
このプラゴミ専用のごみ入れ袋を取り換えても、あっという間に一杯になるんですね。
飲料用の空ボトルもいいとこ10日ぐらいで一杯。
確かにスーパーで買い物をすると、その大半が白いトレーに入れて、さらにラップで包んでいます。

私はこれは過剰包装ではないか、と考えています。

レジ有料化によってプラスティックごみを減らしましょう、とか言ってますが、
どこかちょっと偏った規制だと思うんですね。


この過剰包装はいくつかの問題を抱えています。
まずは、プラゴミの問題ですね。
一つは、すぐ捨ててしまう超短命の商品なのに、それなりのコストがかかるということです。

次が、商品の衛生面とか言ってますが、逆に、商品の鮮度が分かりにくくなっています。
買ってきて、包装を解いて、下の方が傷んでいて、半分使えない、なんてことはしばしばあります。
トレーに入れられて、ラップを掛けられてしまうと、
正に隔靴掻痒状態で、直接手に取って品定めができない。
つまり、商品の良しあしが確かめられないのです。
市内のあるスーパーで、里芋を買って、フィルムを破って中を見たら、
半分以上が傷んでいたので、残念ながら捨てました。
だって、10数個入っていて半分以上傷んでいるということは、
残りだって、そうそう健全な状態の食品ではないと言う事でしょ。
これだから、ラップ越しにいくら見ても分かりにくく、

時に一か八かの勝負、なんて事になるわけです。
里芋は、その次の時も全部捨てるような状態でした。
2連敗です。

 

肉などもトレーではなく、ラップで包み、トレーの上に置き、

それをレジでトレーだけ回収するというシステムにすればいいでしょ。

 

ともかく、プラゴミが世界的規模で問題に鳴ろうとしている現状の割には、
最もプラゴミを世に送り出している生鮮食品のスーパーの対応が

旧態然としているように思うのですね。

 

ま、とは言うものの、世帯当たりの人の数が減少している現在、
個分けの食材もそれなりに無駄を省くための知恵です。
50年前に、白菜が半株に切られて売られているのをみて、驚きました。
その後、キャベツも切られて売られ、大根も半分サイズになっていました。
 今では当たり前ですが、 小人数の家庭だと、丸々一個買っても使いきれない。
そこで切り分けるわけですが、そうすると、包装の仕方も工夫しなくてゃいけない。
と言った、事情もあるんですね。

 

世相の移り変わりではしばしば、旧来の概念が否定されますが、
こういう生活の最前線でも、そういう現象は出てくるもんなんですね。

| 水嶋かずあき | グルメ | 12:51 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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