お隣、韓国の合計特殊出生率というのが0.72になってしまったそうです。
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合計特殊出産率というのは、女性が一生の間で何人の子どもを産むか
という事を数値化したものです。
ですから、この数値が2.0以下になった場合、
人口は減少傾向を見せるということになります。
理屈から言えば、その子の母親と父親の二人分を産んでいれば、
数は横ばいとなるのですが、
生まれてきた子が、次の子を産めるまでに全員成長するとは限らず、
途中、命を失う確率がある程度あるので、
2.0を超えていないと、人口数は増えないという事になります。
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0・72という数は客観的にみても
人口減少が明さらに進むという数字です。
日本も1.26という数字ですので、
人のことにかまっていられる状態ではありません。
正直言って人ごとではないのです。
年間出生数も、百万を下回り、あっという間に90万も割り込み、
ついに86万人になってしまった、
ということで、明らかに少子化のループに入ってしまいました。
国も、少子化対策をあれこれ打ち出していますが、
どう見ても有効な政策とは思えません。
何しろ、子供を出産する、育児をする、と言うまさに一大事業を
金で解決できるとは思えないからです。
様々な動物の生体の中で、グループで赤ん坊の面倒を見るという種もあれば、
家族総ぐるみで育児をするという種もいます。
人間は、少なくとも家族総ぐるみで育児をしてきた動物だと思うのですが、
その家族の単位はだんだん小さくなってきています。
分かりやすい数字を言えば、
日本の世帯を構成する人数は2.5を割っています。
総ぐるみで育児をするなんてことは、すでに不可能な環境です。
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それ以前に、出産数を挙げなければなりません。
しかしここにも問題があります。
それは、男の精子の数が薄くなってきているのです。
70年代に比べて精子の総数が62%に減少していたということが
調査の結果分っています。
70年代というと私たちが元気なさなかですよね。
この頃の男に比べて今の男は6割程度のパワーしかないと
考えてもいいんじゃないでしょうか。
草食系男子なんて言葉が登場したり、
どちらかというと結婚をしないという男が増えたり、
そもそもが恋愛そのものをできなかったり、
またしなかったりという男が増えてきているということは
間違いなく子供が生まれるチャンスが
減ってきていると言うことにつながると思うんです。
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どうしてこんな現象が生まれてきたのでしょうか。
食べ物とか、水とかに、そういうパワーをそぐようなものが
混じっているのか、
何か、精力をそぎ落とす何かが環境の中にあるのか、
よく分かりませんが、不思議でしょ。
一生物として、大問題です。
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かつて環境問題の一つに人口爆発という言葉が
しばしば登場したものです。
これはこのまま人類が増え続けると地球上に
人間が棲息できなくなるという危惧がありました。
時に食料問題であったり、環境問題であったり、
いずれにしても増え過ぎる人間の問題は、
地球そのものの破壊につながるだろう、と言うわけです。
ですから、爆発的に増える人口をどこかで止めなきゃいけない、
という考え方が全般にありました。
しかしここ十年ぐらいのところで少しずつその上昇率が下がり
今、世界的に見ては2.3人というまあ現状維持に近い数字なんですね。
しかし、一方でそれこそ韓国や日本、ヨーロッパ諸国が
軒並み出生率を下げていて間違いなく人類は、
近々人口減少をが進むだろうと思われます。
現状では、平均すれば、2.3なんです。
アフガニスタンのように7人以上の出生率の国もありますが、
人工が増えてゆく国々というのは比較的後進国的要素が強く、
経済環境も生活衛生環境もさまざまなものが
先進国から見れば劣っているので、
乳幼児死亡率もどうしても高くなるわけです。
したがって、やはりこの後、人類は減少の道をたどるようなるわけです。
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人類は今まで、増加する人口に対応する経験や能力は持っているものの
減少して行くという現象に対する経験や能力はまだ不十分なものです。
ですから、世界中がどうしたらいいのか、
手をこまねいている状態なんですね。
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私はこの人口減少はある意味自然淘汰の一つではないか
というふうに考えています。
地球上の自然の営みというのは、
何らかの形でバランスを取ろうとするものです。
その意味で原因は何であれ、
人間の数が少なくなってくるということは、
多くなり過ぎた事への一つの反動として、
何らかのメカニズムが働いているんじゃないか、と思うんですね。
で、これは大げさな言い方になるかもしれませんが、
これは、まさに神の思し召しじゃないか、と思っています。
よく子供が母親の体内に宿ると、
授かりものとか、神様からの贈り物みたいなことを
表現する人たちがいますが、
逆に、減少の現象は、
その神様によるコントロールが始まったのかもしれないと
漠然と思ったりします。
そして、人類のことですから、状況に応じて適切な対応をしつつ
好きなだけ地球を荒らし回ってきたことを反省し、
少子化と言う現実を受け入れてゆくのではないでしょうか。
まあ、いずれにしても人類はこの後
粛々とこの地球の上で暮らすようになるんじゃないでしょうか。