水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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セミの抜け殻

夏休み、というのは、子どものころは、天国で過ごす時間のようなものでした。
何しろ、あのお勉強の時間に、ほとんど拘束されないのと、
普段ではめったに行けない、海や山など、自然に接する機会もあり、
高学齢になれば、2泊3日のサマーキャンプがあったり、
年に一度の家族旅行があったり、
遠くのいとこが遊びに来たりとか、
毎日が、わくわくするようなスケジュールが組み込まれていたものです。

 

ま、それでも、微妙にプレッシャーになったのが、宿題です。
絵を描くとか、工作の作品づくりなど、
もともと好きなことでしたから、むしろ楽しくやったのですが、
一番苦手だったのが、日記でした。


何しろ毎日書かなくてはいけない。
で、1週間や10日ほどため込んでしまうと、
何をやったか細かいことが思い出せない。
まさか、毎日、昆虫採集に出かけました、などと書くのも、
子供心に抵抗がありましたしね。
ま、三日に1日分ぐらいは若干創作気味の文章になったとしても、
問題は、その日の天気と気温です。
今日は朝から晴れていて、昼間は、汗をかきっぱなしの暑さでした。
うちの温度計では、32度にもなっていました。
なんて、その日が雨だったら、真っ赤な嘘になるでしょ。
そこで、友達何人かで、夏休み日記のために集まって、
その整合性を調整したりしたものです。


ともかく、日記と言うのが最大のプレッシャーで、
毎日書けば、なんてことないのに、
ついつい後回しになってしまうんですね。


こうして、今は、毎日ブログを書いていますが、

その頃、今のような根性があればよかったんですけどね。


ともかく、自分でも将来が心配になるほど、あきっぽくて、諦めが早く、
粘りのない子供だったんです。
しかし、子供なりに、学習してゆくもので、
小学校の高学年になると、
この最も大きなプレッシャーである日記については、
なぜか前倒し気味に書き込んでゆくことにしました。

またこれはこれで妙なことなんですが、
天気と気温だけ、ちょこちょことあとで書き込む、という、

小賢しい知恵を身に付けました。
ですから、夏休みの楽しみ方と言うのは、
結構早めに体得したほうだと思います。


それでも、ついつい引き伸ばして、後回しになるものがありました。
それは昆虫採集です。
当時は、当たり前のように、身近にいる昆虫を採集して、
それを虫ピンで標本箱に貼り付け、提出するという宿題です。
で、この元になる昆虫をどこかで捕まえなくてはいけないのです。
いい意味で、のんびりした時代だったんですね。
虫取りの網、トンボ網を抱えて、首から虫かごを下げて、
近所の草むらや林に入りこめば、なんだかんだと標本のネタになる昆虫は取れたものです。
トンボや蝶々がメインです。
あとセミとか、その他の虫たち。
今、冷静に考えると、現代の夏休みの宿題として昆虫採集を課したら、
一体何を標本箱に貼り付けてくるんでしょうね。
で、ある年の夏休みのこと。
昆虫図鑑を見ていたら、セミの脱皮について写真入りで解説してあったんです。
夕方の5時00分、セミが地中から出てきて、木に上り始めます。
5時15分、場所を決め、木の幹に体を固定します。
5時25分、セミの幼虫の背中が割れ始めます。
5時35分、セミの殻から、体をそらせるようにして、半分ぐらい、体を出します。

5時45分、すっかり脱皮します。そして羽がを伸ばしながら、はねを乾かします。

6時00分、脱皮の終わったセミは飛び立ちます。
と言った一連の蝉の脱皮の様子が図鑑に書いてあったんですね。
私は、そこで、自分の目で確かめようと、
木々が生い茂っていた裏庭で観察をしたのです。
実際、庭の木からはセミが脱皮をした後として、

抜け殻が幹についていることが普通にあったんですね。
そこで、5時、満を持して木々の幹を調べます。

30分歩ほど根気よく観察しますが、セミを発見できない。

1時間たっても姿を見ることがない。
いや悔しくて、翌日も、その翌日も夕方の5時になると、

庭の木を見にゆくんですが、それらしき様子を確かめることはできなかったんです。
で、ずいぶん経って、分かったんですが、5時と言うのは例えばの話で、
要は幹に固定してからどのくらいで脱皮し終わるのか、

という事の時間系列を仮に示したものだったんですね。
小学生ですから、そこのところの理解ができなくて、
もろ、5時には出てくるものだ、と思い込んでしまったわけです。

 

ま、夏休みというのは、その意味で、いい思い出、苦い思い出が混在していました。

今となれば、すべてがいい思い出になっています。
いや、間違いなくいい時代だったんだな、と。

| 水嶋かずあき | 思い出話 | 12:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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