水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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この道は誰のもの

地方行政体がとっている会計システムは、
いわば、単式簿記で、見様によっては、家計簿に毛が生えた程度の簿記法なんです。
何故かと言うと、基本的に行政事業は単年度制ですから、

単式簿記で表すことができる、とかつて考えたんでしょうね。

単年度制という事が前提ですので、
行政での収入項目の表現は、歳入と言います。
これに対比して、支出のことを歳出と表現します。
つまり、一年間のことを「歳」と言うわけですから、
一年間の収入は歳入で、支出は歳出になっているのです。

 

まあ、言葉の使い方はともかく、
この単年度制が、話をややこしくしています。
なぜなら、行政の事業と言うのは、単年度で区切りをつけていますが、
地際の行政の動きは、毎年継続しているわけでしょ。
ま、市長や市会議員は4年で任期を終わり、選挙で再び選択されますが、
市の職員は、一度採用されれば、原則終身雇用なわけで、
翌年も、その翌年も、継続的に事業に携わっていますし、
何より、行政がかかわる市民の生活は、まさに継続そのものなわけですから、
全体として、毎年毎年継続して展開されている流れに、
単年度制の単式簿記では、十分に表しきれないのです。

そのために、補助的な会計簿が必要で、
その全体像を把握するのは、よほど専門的な知識があるか、そこに携わった人でなければ、
表面的な数字を聞いただけでは、なかなか理解できないのです。

 

以前、市長選に出馬を準備していた時のことです。
市の会計報告書を徹底的に読み込んで、そのシステムがいくらか理解できるようになりました。
そこで、あちらこちらのページをめくりながら、
要は、このまちの借金はいくらなのか、と積算してみたのです。
で、大雑把ですが、1800億円が借金の総額でした。
つまり、なんだかんだと返さなくてはいけない金額のことです。
そこで、私が街頭で、1800億円の借金がある、と訴え、
財政健全化こそ行政がとるべき重要な政策なのではないか、
と主張していたのです。
すると、さる市会議員候補の方が、
ところで何を根拠に、1800億円と言う数字を出したのか、
と聞いてきたのです。
実はこれは妙な話で、議員さんは、そもそもの仕事は
適切な政策策定をし、その実行度を検証する事でしょ。
つまり、行政が展開する事業の適正性をチェックすることではないですか。
という事は事業と予算は表裏の関係ですから、
どのような予算組みをするのか、という事へのチェックができなくてはいけないわけです。
言い換えれば、予算編成に関してプロに近い感覚を身に付けることが、
議員としての基本的な資格なわけです。
そこを目指す市会議員候補者が、

財政が抱えている借金総額の算出根拠を聞いてくるとは、何事か、と思ったんです。
でも、実態は、これに近いでしょうね。
なぜなら、会計システムにあまりになじみがないため、
よく理解できないのです。

 

単式簿記で、複式簿記以上の会計処理をしようとするんですから、
いささか複雑な帳票間のやり取りがあって、
よほど慣れないと、その全容をつかめないのです。
ですから、その市会議員候補者が、質問をしてくるというのは、

やむをえないことなんです。
一番の問題は、実態にそぐわない、単年度、単式簿記を採用していることなんです。

 

さ、そこでです。
例えば、公共投資もいいけど、借金で賄った公共投資は、

結果として、子どもの世代の借金を作ることになる、
これがいいこととは思えない、という考えをある県会議員の方にぶつけました。
と、こういう答えが返ってきたのです。
1億円かけて道路を作ったとしよう。
でもこれは、地域の財産として残るわけで、
貸借として、一方に工事代金、一方に財産として乗るわけだから、
決して借金を作っているわけでなないのだ、ですって。

確かにこういう方法を取れば、

貸借はバランスが取れて、見た目健全な数字になります。

いやちょっと待て、財産として帳簿に挙げられるのは、
換金の可能性があるからこそ財産なんであって、

正しい複式簿記では、過去に作った施設については、
償却で処理する方法かがせめてで、耐用年数を過ぎたら、残額ゼロの財産でしょ、と。
反論したのです。
ま、その方は、正直、複式簿記的な考えを持っていなかったのですね。
そこで追い打ち。
じゃあ、行政体が破産して、債権者が、その所有財産で、貸したお金の埋め合わせをしようよと、
資産的なものを分捕り始めたとしよう。
その時、道路の舗装でもはがして持って行くというのか、と反論したんですね。
実際そうでしょ、結果として、借金は残るんですから。

 

で、まあ、非現実的な例だったので、それはそれで終わったんですが、驚きましたね。
中国でこんなことがあったそうです。

中国で、ちょっと考えられないような盗難事件が発生しました。
要は道路泥棒です。
地元メディアの報道によると、何と道路そのものが一晩で、
800メートル分もはがされ、盗まれたというんです。

 

以下、ネットのニュースの転載。

江蘇省の村の住民らが先月24日、
不思議なことに道の一部が消失したと警察に通報した。
中には、予告なく道路の改修工事が行われていると勘違いした人もいたという。
しかし警察は程なく、朱という男が、
道路をはがすためのショベルカーと、コンクリート片を石材工場に運んで
売るためのトラックを借りていたことを突き止めた。
朱容疑者は金もうけの方法を考えていたところ、
コンクリートをはがして売れば良い「ビジネスの機会」になると思い付いた。
付近に新たな道路ができたばかりなので、
掘り起こそうと考えた道路が使用されることはないと考えたという。

 

で、その犯人は、石材工場にその盗品を売り払い、
8万7000円程を得たというんです。
この額、労賃より安いんじゃないか、と思いませんか。

いかにも中国らしい出来事ですよね。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 11:58 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
中国のコンクリート泥棒の話。こういうのが新興国のバイタリティなのかな。変にソフィスティケイトされないのがいい。
| やぶ枯らし | 2018/02/03 1:05 PM |









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