水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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よそのだれかに

よく、起業支援と言う形態の行政等の政策を見受けます。
まあ、新たに事業を起こし、それによって、新たなマーケットの創造と
新たな産業を現出させよう、という事です。
で、誰か頑張って起業してみませんか、という事です。
そこで、では、と手を挙げてその意志を示すとします。
すると、専門家と言われる人がやって来て、
基本的には、ターゲットとしているマーケットの現況と、
そこで打ち出そうとしているアイディアの適合性を判断し、
なんとか、行けるかも、となると、
資金の調達やら、資材系のルートの示唆、
時に関連技術との接点を作るなどの事を手伝ってくれるはずです。

 

最近のこの類の専門家という方々の資質は知りませんが、
今まで、国や県などでの起業支援として、
ある種の補助金がついているものなどの制度を使ったことがあります。
例えば、4〜500万円程度の事業などの場合、
国、県から多ければ半額ほどの助成がもらえます。
もちろん、国の施策に乗った範囲でです。

例えば、国として、6次産業的な産業分野の開拓をしたい、
と考え、それを政策として打ち出し、
それに伴う予算組をし、地方における担当部署を決め、現場的な分担をし、
この制度に手を挙げるところを募集するわけです。

で、ある企業がこれに手を挙げ、制度に適合し、
助成制度に則った事業を展開する事になったとします。
で、大体は、事業相談員と言った感じの人が派遣されてきます。
いわばアドバイザーです。
肩書きを見る限り、そこそこに指導歴があり、スーツを着て、しゃんとしていて、
まあまあ説得力のある話方で、いかにも理路整然と物事を組み立ててゆきます。
で、事業予算を500万円を想定したとしましょう。
国、県で半額の250万円が出ます。
そして、事業主は250万円を負担します。
この数字を見る限り、結構嬉しい比率でしょ。
なんと半額の250万円が補助されるんですから。
で、事業が組み立てられてゆきます。


さまざまな調査をし、計画を検討し、実践的な展開を予測し、
時に、商品を試作をしたりします。
で、よくよく見てみると、この作業に必要な費用のかなりの部分が、
人件費で、この人件費は派遣された専門家に支払われます。
で、出来上がった事業計画は、いささか地に足のついていないものが多く、
いかにも紙上の計画で、うまくゆけば可能性がないことはない、と言った程度で、
彼らのアドバイスは、およそ生活感のない、実践性の欠けたものが多いのです。


この事業を計画した事業者としては、

確かに夢を観、理想を追いかけてきたのではありますが、
彼ら専門家と称する人たちは、それに輪をかけて夢見がちなことをアドバイスするんですね。
で、予定の作業が終了し、彼らは荷物を片づけて撤退します。
後はお前らがやれ、とばかりにです。
もしうまくいかないことがあったとしたら、

それはあなた方の能力の問題なんだ、と。
で、だいたい、思い通りの展開とはならないものなのです。

 

実は、これは、民間の起業とか新規事業とかだけではなく、
行政そのものがこのシステムに侵されているのではないか、という気がするんです。
地方自治体が中長期の事業計画を策定することになった、とします。
まあ、見てくれのいい人たちを策定委員会の委員にし、
事務局に行政の企画あたりの人が担当し、
委員会が進行してゆきます。
で、実行委員会のメンバーにはなかなか見えないところなんですが、
ここに、プロの計画書づくりのチームが張り付いているはずなんです。
いわゆる、例えば、電通とか博報堂のような企業の人たちです。
彼らは多くのこう言った仕事をしていますから、
それは豊富なデータがあり、それにしたがって、全体の計画を実にスムースに策定します。
もちろん、委員からの意見はこれに極力反映させますが、
基本はそもそもが策定した原案の追認に過ぎません。
いや、このやり方が悪いと言ってるわけでなありません。
問題は、地域に根差した感情や感性が取り入れられてない、ということなんです。
つまり、もっとも重要なそのまちの政策決定の基本が、

よそのまちの人間が策定した借り物の計画書になっているという事なんですね。


以前、平塚市に新たに移住してきた新市民の人たちに配る、

市の案内書のようなものを制作している課があって、
その中にあるページに、弦斉カレーを作る、と言うコーナーがあったのです。
で、市からの依頼で、そのページの製作を手伝うことになりました。
市内のさる喫茶店でその制作担当者と会うことになったのですが、
名刺交換をして初めて分かったのですが、市役所の人間ではありませんでした。
横浜にある企画会社の社員だったんです。
つまり、担当課は、この案内本そのものの制作を丸投げしていたんですね。
まあ、一応要求された情報を惜しげもなくお渡ししましたが、
平塚のことをよく知らない人間が、平塚の案内をするってことに、いささか疑問を感じたんです。


なんとなく、最近の施政が、市民生活から遊離しつつあるのではないか、と感じていますが、
こう言うことを積み重ねていると、このまちは、誰かのまちになってしまうと思うんですね。
私達のまちの運営が、よその町の人にゆだねられてしまう、と言うことです。

| 水嶋かずあき | 平塚のこと | 10:13 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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