水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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東電への断罪

ほとんど公式の数字になっているのですが、
阪神淡路大震災の犠牲者の数は、6443人と言われています。
しかし、実態は、直接死5500人余りで、関連死が900人余り、
これを合計して6443人と言っています。
この直接死と関連死の比率は14%になります。

ちなみに中越地震については、
直接死16人で、関連死52人、その比率は325%です。
ご記憶と思いますが、発災後自宅近くに駐車してある車に寝泊まりし、
いわゆるエコノミー症候群を発症し、亡くなった方が多くいました。

さらに、東日本大震災では、死者行方不明を合算すると
およそ18500人に上ります。
関連死は3600人、およそ19%余りとなります。

熊本では直接死50人、関連死は200人です。
比率は400%と言う高率になります。

 

関連死という事は、具体的な認定の仕方がいくらかずれがあるという事を含めて考えても、
結構ばらつくものでしょ。
避難場所の質の問題や、地域的な医療の充実度、
また、季節や地域性などが影響するので、
それこそ、熊本の400%と言う高率な状況があったかと思えば、
阪神淡路の14%と言う数字もあるわけです。

 

これは、関連死、と認定する基準にばらつきがあるのではないかと思うのです。
あの雪が降る寒い中、家など通常の地震なら残されているはずのものが
津波でごっそりと持って行かれた東北3県での関連死が
19%と言うのに、熊本の400%と言う数字は、なぜなんだろう、と思いませんか。

そもそも、関連死と言うのは、ある程度防ぐことができたはずのものです。
残された家屋と生活環境、避難所の環境、医療の事情など、様々な要素が重なるとしても、
熊本が東日本の20倍の比率であったと言うほど、環境が劣悪だったのか、とは思えないのです。


そこで、まさに失礼を顧みず感想を言うなら、
関連死の認定基準があまかったのではないか、と。
ちなみに、関連死と認定されれば、熊本においては
葬儀の費用、慰謝料的なものとして、500万円が支給されるのです。
こう言う事情が、400%になったのではないか、とも取れます。
これは良いとか、悪いとかではなく、
一律の基準で認定されていたら、
阪神も東日本ももう少しは関連死の認定が増えていたのではないかと思うんですね。
つまり、隠れ関連死があって、これがデータに現れなかったのではないか、と。
もしこれらが熊本並みの直接死対関連死の比率として計算すると、
東日本での関連死は、18500人の4倍ですから
7万4千人が、関連死となってしまう可能性があるわけです。
もしこのような数字が出てきたら、
これは大事でしょ。
当然、直接死もさることながら、関連死対策と言うのがもっと本腰を持ってとられたと思うのです。
つまり、九死に一生を得た人たちを、救う、と言う行動です。

これは防災の基本でしょ。


実際、東日本大震災で亡くなった人のうち、
医療体制が維持されていれば死亡せずに済んだと思われる人の数が、
岩手、宮城県で計143人いたと言うのです。
これは医療チームの報告で、その要因は、治療の遅れ、病院の停電や断水、
医薬品不足、スタッフの人手不足など、大きな地震が発生すると、
地域全体が被害をうけ、医療機関も被災するので、通常の機能が発揮できない状況になります。
このようなことが相まって、防ぎうる災害死を招いてしまうのです。
ちなみに、おかしいでしょ、この数字。
このレポートから、福島が外れているのです。
理由は、原発事故による避難があった福島県の病院は、対象から外した、と言うんですね。
地震被害と原発事故による被害は区別したわけです。

それで言うなら、
3県の比較をすると、岩手と宮城は直接死者数の10%が関連死となっています。
所が福島が図抜けて多いんですね。
1613人の直接死者数に対して、関連死者数が2202名。
比率で言うと、137%、岩手・宮城の13,7倍。
もし、福島も岩手・宮城なみの数値であると類推するなら、
10%はおよそ160人になります。
ですからこの数字を引くと、2202−161=2041
つまり、福島は他の2県と異なる事情があった、という事でしょ。
そうなんです、原発が事故を起こしていなければ、2000人からの人が、
死ななくて済んだはず、と言えませんか。
露骨な表現をすれば、原発事故で2000人の人が死んだ、
という事になりませんか。

 

生き残った人もまた地獄でしょ。
福島県南相馬市の元住民からの訴訟を受けて、東京地裁は、
「ふるさと喪失慰謝料」として、東電が、11億円を支払うように判決したそうです。
2000人の犠牲者を出した原発事故について、
このように、少しづつ東電が断罪されていくのかもしれません。

時間がかかるものですね。

来月の11日は、平塚中心街で、防災イベント・ひらつな祭が行われます。

今年で第7回となります。

| 水嶋かずあき | 環境 | 10:19 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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