水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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4人に1人が奨学金を受けている

中小企業と言うのは、会社経営のエネルギーの何割かが資金調達に割かれます。
自己資金だけで回すというのは、なかなか困難で、
いわば、綱渡り的な経営環境が多いのです。
したがって、十分な内部留保もままならず、
冷静に顧みると、何のために働いているんだろう、となることもあるわけです。
要は、借金をすることで、その資金の活用をし、
それによって経営改善ができる、と考えているからですね。

 

ある時、同業の飲食店の経営者の人から、
相談に乗ってほしい、という連絡をもらいました。
さほど親しいわけではなかったので、これは金銭がらみの相談だな、と推測したのです。
で、待ち合わせの喫茶店で、コーヒーを一口飲んだところで、
話が始まり、要は資金繰りに困っている、という事だったんですね。
案の定です。
まあ、話の裏側では、金を貸してくれませんか、という事を示唆しつつ、
どうしたらいいだろう、という事の相談なんです。
私は、金を貸したら返してもらえない、という考えもあり、
また、貸すほど余裕もなかったので、
私から金は引き出せないと考えてくれ、と最初にぴしゃりと宣言しました。
でもそれでは身もふたもないでしょ。
そこで、では資金繰りをどうするのか、という相談に乗ったんですね。
で、前提としてどこで金を借りるか、という事は、制度もいろいろあるので、
そこをいくつか紹介したんです。
でも借金と言うのは二通りあって、、
一つは、借りた金が次の生産につながる事への投資になる、という事。
また一つは、資金繰り改善のための借金、と言うのもあるんですね。
資金繰りが苦しいから、借金をするというのは、単純に借金総額を増やすだけでしょ。
しかも、利息も併せて膨らんでくる。
つまり借金地獄に落ちるメカニズムに入り込んでしまうという事です。
ですから、その喫茶店で力説したことは、そのことで、
どんなに苦しくても、資金繰りのための借金はするな、と。
で、相手の方は、暗い顔をしたまま、喫茶店を出てゆきました。


とは言え、それはかなり厳しい状況だな、と思ったんです。
半年ほどして、夜逃げ同然で店をたたんで、行方不明になった、という話を聞いた時、
あの時のアドバイスは、何の足しにもならなかったんだな、と思いました。

自業自得と言えばそうなんでしょうが、そのどうにもならないところまで、
追い込まれてしまったという人の表情を今でも思い出します。

 

普通のサラリーマンとか、OLなら、それほど世間も広くないでしょうから、
二進も三進もいかなくなったら、自己破産という手があるのですが、
小さいながらも自営業をしていれば、
同業もいるし、仕入れ業者もいますし、お客様だっている。
いわば、世間と言うものがあるわけで、そこで、自己破産というのは、
なかなか選択しがたい手段なんですね。

 

自己破産と言えば、奨学金制度で、経済的な破たんをした人たちが、
自己破産をする人が多くなってきた、というニュースを見ました。
この奨学金の制度は、官民合わせて様々な仕組みのものがあるんですが、
大雑把には、給付型と言われる、返済不要のものと、
貸与型と言われる、返済を求められるものと二種類あります。
もちろん給付型は何の問題も発生しないのですが、
貸与型は、返済しなければならず、それが気が付くと、結構厳しい状況になってしまうのだそうです。
この給付型も、何種類かあって、利息の付くものもあるのだそうです。
そうなると、要はローンでしょ。
奨学金という名称のローンですよね。
そもそも、ローン型のものを奨学金と言うのか?という疑問があります。
もともと私たちが学生の頃はそんなものはなかったと思うんです。
借金で学費を賄う、という考えは、おそらくかけらもなかったはずです。
だったら、高卒でもいいから働こう、と。

 

日本学生支援機構が奨学金を貸与している人数は、
2016年度現在で132万人になるそうです。
4人に1人が借金をしながら学んでいるんです。
保証人は必要なんでしょうが、金を貸すという基本的なメカニズムは、
それによってどのような生産が期待できるか、という事でしょ。
つまり、奨学金の貸与型は、人材を育成し、それによって発生した生産力の上積み分を、
返してもらおう、という事です。
要は人間への信頼が基本にあるのです。
かといって、銀行が中小企業に貸し出すように、

業績やら、起業環境やらをチェックできません。
何しろ海のものとも山のものとも、分からず、ただ、期待のみがあるわけですから、

実態とその将来性を正確に把握できない。
で、卒業までになんだかんだと800万円ぐらいお金を借りてしまうんだそうです。
月々3万円返したとします。
もちろん利息なしでですよ。
それでも22年まるまるかかります。
22で卒業して、44歳までと言うことになります。
この年では、すでに子供もいて、その子の教育費を負担しなければならない年でしょ。
まさに、これって、負のスパイラルじゃありませんか。
うまく就職できなかったら、それこそ地獄です。
それでなくても少ない収入から、月々3万円分が、可処分所得から差し引かれるんです。
ですから、やりくりが厳しくなって、
場合によっては、自己破産という事もありうるわけでしょ。

一体何なんでしょう。
この奨学金制度と言うのは。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 10:15 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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