水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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まだあるうちに

大学受験に失敗したものの、あきらめるわけにはゆかない。
そこで、それまであまり勉強してこなかったわけですから、
一年間は、勉強漬けの状態を作り、入試突破の体制を作ろうと、
まずは、勉強に専念できるように予備校に入りました。
で、朝から晩まで机に向かう日々を想定しましたので、
高田馬場の予備校に近い所に下宿することになったのです。

幸い、親の友人の方が沼袋にいて、その人の口利きで、
その方の近所の下宿屋さんに引っ越すことになったのです。


で、引っ越したその日です。
運び込んだ荷物も片付き、夕方には一段落し、食事も終わったところで、
さて、風呂にでも行くか、と、下宿のおばさんから情報を得て、
近くにある銭湯の場所を確認し、
洗面器に石鹸とタオルを入れて、その近所の銭湯に向かったのです。

考えてみれば、銭湯に入った経験がなかったので、
そのルールもよく知らない。
まあ、ちょっとした冒険だったんですね。


おずおずと、聞いていたように番台でお金を払い、
脱衣所で服を脱いで、浴室に入ったら、時間も時間だったのでしょうが、
20人ぐらいの人がいたんです。
半分ぐらいが体を洗っていて、半分ぐらいの人が湯船につかっていました。
で、湯船は二つに仕切られていて、右半分はやけに人が多いんですね。
で、左半分は、見るからにお年寄りが数名、顔を赤くして湯につかっているんです。
何しろ初めてですから、事情がよく分からない。
でも分かることは、右の浴槽は混んでいて、左の浴槽は空いているんですね。
だったら、空いている方がいいでしょ。
そこで、躊躇なく左の浴槽に入ったんです。


するとですね、この湯の温度がくそ熱い。
正直しまった、と思うほど熱いんですね。
でも、熱さのあまりワタワタとして、入ってすぐ出てしまうのは、
男としての見栄があって、そこは我慢。
さりげない風情をして湯につかっているものの、
お年寄り連中が、涼しげな顔をしていることが解せない。
まあ、考えてみれば、熱さを感じないほどボケが来ているのか、
と思うしかないのですね。
で、体を縮めてじっとしてました。
爺さんが1人が湯を動かしながら、洗い場に出て行ったのですが、
その時、動いたお湯の熱いこと。
で、5分ほど我慢したのですが、さすが限界。
湯船を出たのですが、腕を伸ばすと、折りたたまれていたひじの内側が白くて、
それ以外のところは真っ赤でした。

以来、当然ですが、ただの一度も左の高温湯船には入ったことがありません。
正に冒険でしたね。


そんな銭湯も全国的に数が減っているそうです。
ざっとですが、この10年間でおよそ半分になってしまったとか。
平塚の銭湯も少なくなって、今は2件。
サウナとか、スーパー銭湯の類は除きます。
平塚2丁目、八間どおりを西に入ったところに富士の湯。
立野町、追分よりの所に米の湯の2軒だけです。

 

銭湯が絶滅危惧種になってしまったのは、
生活形態の変化があるんでしょうね。
今時、家には風呂がつきものですし、
大衆用の銭湯と言えど、入浴料は480円から500円ぐらい(正確には知りません)。
ですから、毎日なら、1万5千円。
家族3人なら、4万5千円ですから、
これは水道代と、ガス代を十分に賄えるでしょ。

ですから、利用客も年々減少しているらしく、経営も決して楽ではないと思うんですね。

 

ま、これは聞いた話ですが、
銭湯の原価と言えば、燃料代と水道代。
このうち水道代は、なんだかんだとほぼタダに近いそうです。
何やらややこしいキメがあって、
えらく低価格の水道代になっていて、かつ、多少なりとも補助があったりして、
基本的にはただに近いそうです。
えっと思うでしょ。
うなぎ屋が、鰻をタダで仕入れられたら儲かってしょうがない、と。
まあそのような比較をするものではないと思いますが、
それでも、儲けた話を聞いたことがない。
10年で半分が廃業するんですから、厳しい商売なんでしょうね。


何より、それなりの管理が法的に定められていて、これが厳しい。
日本には「公衆浴場法」という法律があって、
その中で「公衆浴場」は「一般公衆浴場」と「その他の公衆浴場」に分類されていて、
一般公衆浴場が「銭湯」と呼ばれていて、
施設の衛生基準や浴槽水の水質基準、
そして入浴料金などが法律で定められているんです。
勝手に値上げできない。
そこで、若干の優遇処置として、水道代などの負担を軽減してもらっているんです。

 

ま、いくら保護されているとはいえ、まさに風前の灯かもしれません。
なんとなく思っているのですが、
まだ残っているうちに、銭湯にいってみようかな、と。

爺にはなりましたが、かといってあの熱い湯船はダメです。

生来のぬる湯好きなんですね。

 

 

| 水嶋かずあき | あれこれ | 11:48 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
銭湯といえば神田川。あの世界も遠くなりにけり。
| やぶ枯らし | 2018/03/06 9:37 PM |









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