水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
<< 3010運動って知ってました? | main | 男女対等社会はまだ遠い >>
パワハラの温床

以前のブログにも書きましたが、
アメリカの軍隊のことです。
第二次世界大戦が終了した時に、帰還兵たちにある調査をしました。
それは、銃で、敵兵に照準を合わせ、引き金を引いた経験があるかどうか、ということです。
その結果、20%の兵士がその経験がある、と答えました。
逆に、80%、大半の兵士が、銃で敵兵を殺そうとしなかった、ということです。
戦時ですから、普通の人間も召集されていて、それらの人に銃を持たせるわけですから、
いくら、殺し合い公認の戦場でも、微妙に良心が働いて、引き金を引けなかったんですね。
戦争、という国家容認の場とはいえ、人殺しは人殺しですから。
そこで、アメリカは、これじゃいけない、と。
急きょ、兵士を対象とした戦闘訓練のプログラムを作って実践し、
その後の朝鮮動乱の時には、この、引き金引き率を50%に上げることができたそうです。
そして、さらに、その後のベトナム戦争では、
この引き金引き率は90%まで上がるようになったそうです。


大雑把にいえば、闘争心をベースに敵を殺傷すべき対象としての認識を強くさせるわけです。
奴らは人間ではない、不要の存在であり、除去することこそ正義である、と。
これを徹底的に叩き込むのです。
そして、人を殺すことへの抵抗を持つ良心を取り除いてゆくんですね。
つまり、精神的に敵愾心をあおりながら殺人マシーンを作り上げてゆくわけです。
まあ、具体的にどのようなプログラムかは知りませんが、
20%が50%になり、やがて90%にまでなったという事は、
それなりの効果的なプログラムだったわけでしょ。


ですから、多くのアメリカの青年たちが、かつてベトナムに派兵され、
無事に帰ってきても一種のPTSDが発症し、
時に、精神的に壊れてしまって、殺人事件を引き起こす、といったことが多発しましたが、
皮肉にも、軍隊でそういう教育を受けた成果なわけです。

 

さあ、ここで、大事なことは、そういう精神を、
プログラムで作り上げることができる、という事です。

 

いや、かなり前からいろいろ問題になっていたスポーツ関係のパワハラですが、
レスリング界でも相撲界でも、また、高校の運動部などでも、
その話は絶えずありましたよね。
鉄拳制裁までゆくかどうかはともかく、
これはある種の根性を鍛える、という名目のもとの指導なわけでしょ。
ここでは、闘争心を養うという事だっと思うのです。
つまり、肉体的な能力、瞬発力だとか、持続力だとか、身のこなしだとか、それに伴う判断力だとか、
要は強くするために、鍛えるわけですが、

とどのつまりは、それらの訓練を受け入れ、さらに自律的に訓練に立ち向かってゆく精神は、
言い換えれば闘争心の延長上にあるものではないかと思うのです。


きっと、コーチは、訓練項目の中の一つに闘争心を強く持たせる、というものがあるんじゃないか、と。
それは様々な表現を使おうと、要は闘争心こそが、いざ本番で最も求められることだと思いますし、
その闘争心があれば、つらい訓練に耐えられる、と。
なんとなくですが、スポーツのすべての根底にこの闘争心が位置付けられていると思うんです。
だって、勝ってナンボが、スポーツの世界でしょ。
特に格闘技系のものはそれが激しいはずです。

コーチがこの闘争心を植え付けようとした時、
オネエ言葉に近いニュアンスで、
あら、ダメよ、そんなことやってちゃ、本当に意気地がないのね、とか、
ちゃんとできなきゃ、お仕置きをしちゃうわよ、ウフン、なんて言うわけがない。
なんだコラ!そんなことでうまくなれると思ってんのか。
もっと性根を据えてやってみろ、この根性なし。
てめーなんかクズだ、と、怒号とともに一発殴る、なんてのが、
きっとコーチのやり方でしょうね。
でなけりゃ闘争心が植え付けられない。

つまり、相撲も、レスリングも、何だこの野郎、みたいなところで訓練し、
コーチも選手もともに、粗い気性の空気の中に存在している、わけです。

正にパワハラと紙一重のところなわけです。


特に、相撲界は、とても狭い世界で、彼らの訓練方法は
伝統と言えば伝統なんでしょうけど、
相変わらず、昔ながらのルーチンで、訓練しています。
以前、高砂部屋の夏合宿を見に行く、そこだ初めて相撲の世界のトレーニングを見ました。

土俵の周囲で、それなりにトレーニングをしているんですが、
もう少し近代的な方法があるんじゃないか、と思いました。
基本的にスポーツトレーナがいない。
先輩、部屋付きの親方あたりが、ちょこっと口出しをする程度。
特に、筋力を鍛えるなんてことは、きっと効果的なプログラムがあると思うんです。
しかし、勝手にやらせてる感がするんですね。
で、結局はパワハラ的な指導が行われる。


闘争心をかきたてるという事を
コーチが闘争心でやってきたので、次にまたパワハラ的な方法で
闘争心を育てようとしているんですね。

負の連鎖です。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 09:46 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









http://blog.mizushima-kazuaki.com/trackback/2622
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< July 2018 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE