水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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人により法の解釈は異なる

そもそも法は、人間が決めたものです。
ある条件、状況を守らせるために、
守らなかったものへの罰則が規定されています。
しかし、その罰則の適応には、極めてあいまいなグレーゾーンが付け加えられていています。
例えば、ある犯罪を犯すと、懲役5年未満、または罰金100万円以下、とか規定されているとしましょう。
すると、有罪の場合、5年未満の懲役刑が科せられ、それは状況やら、裁判官の判断でなどで、
4年になったり、3年になったり、時に、執行猶予が付いたりします。
それは、犯罪ごとに、状況が異なるので、杓子定規に決めつけられないからです。

 

よく、アメリカの犯罪捜査もののテレビドラマで、見るシーンなんですが、
どたばたとした格闘の末、抑え込んだ犯人に、
お前は第1級殺人を犯した、電気椅子に送ってやる、
とか言ってますでしょ。
1級とか、2級とか、状況や計画性、殺人の方法などで分類するんでしょうね。
よく知らないのですが、何級まであるんでしょうか。
で、捕まえた刑事が、尋問室で、司法取引を持ちかけるでしょ。
素直に吐けば、減刑するとか。
要するに、法律は人が定めたものですから、
解釈は人によって異なるわけです。


解釈のもっともばらつく実例が、
例の、総選挙などの一票の違憲性です。
各地で起こされる高裁の判断は、微妙に異なりますもんね。
同根の問題にもかかわらず、裁判官によって、判断が微妙に異なるわけです。
これは、人によって解釈が異なることのいい例です。

 

最近のこの類の問題で、へえそうなの、と思ったのが、
佐川前長官の不起訴の決定です。
私は、以前から、日本の司法の問題として、不起訴率について、不満を言ってきました。
なんと5割を超えるそうです。
なんか犯罪が発生したとしても、公判に耐えきれるだけの証拠がないとか、
そもそもの内容が、軽微なものであるとか、
取り調べの結果、後始末が付きやすそうだとか、
色々な用件を勘案するのだと思いますが、
まあ、不問に付そう、という事でしょ。
不起訴とか、起訴猶予とか、内容は若干異なりますが、
要は、ある種の無罪放免です。


起訴による有罪率は99,9%だそうですから、
要は、起訴されたら有罪なんです。
ほぼ100でしょ。
ですから、1%でも有罪を立証する要因が無かったら、
放免と言うことですから無罪と同じでしょ。
ものすごい確率だと思いませんか。
がちがちのものしか裁判にかけない、という弱腰の司法なんです。


その意味で、佐川氏のことは、あれだけの注目を集めながら、
また、ほとんどだれの目にも有罪だろうと思われた犯罪ですから、
不起訴かよ、と思った人は多いのではないかと。
もっとも、これは「忖度」が大きな要因の犯罪ですから、
検察も「忖度」したのでしょうね。

 

さて、2016年、大阪府門真市で一家4人を殺傷した事件で、
1人を殺害、3人に重軽傷を負わた事件の裁判員裁判の判決がありました。
で、大阪地裁は、死刑を求刑された小林被告に、懲役30年を言い渡しました。
これは、日本における死刑の基準を下回った事案で、
1人の殺害で死刑が選択されるかどうか、注目を集めたのですが、
結局、死刑という判断を回避しました。
小林被告側は、心神喪失状態だったとして無罪を主張していましたが、
検察側は完全責任能力があったとして死刑を求刑していたのです。
正に、人の判断による違いです。
裁判所は、小林被告は事件当時、精神疾患が悪化し、心神耗弱状態だったと認定しました。
それにより、有期刑の上限の懲役30年の実刑判決となったのです。
遺族は、判決後の会見で、
「精神疾患があるからといって人を殺していいなら、日本の法律は間違っている」と反発しました。

 

確かに、精神疾患が認められれば、時に刑罰が軽くなったり、
責任能力があったのか、とかいう理由で無罪になったりしますが、
微妙に違和感を感じるんです。
だって、そもそも人を殺すなんてこと自体、正常な神経ではないでしょ。
正常でない神経だったら、刑が減刑されるという論理がよく分からないのです。
一体どのような状況で、精神的な障害がある、と判断するんでしょうね。
極端な話、精神的な障害があれば、殺人をしても仕方ない、という事になりませんか。


ただ、日本刑法は、刑事責任能力について、
「心神喪失者の行為は、処罰しない」(39条第1項)
「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」(同2項)と規定しているんですね。
これは憲法31条が保障する「適正な手続」という概念が裏付けになっているそうです。
法的なことはよく理解できませんが、
一市民の感覚として、このあいまいな線引きが、犯罪を許容しているとなると、
どこかできちんとそのボーダーを整理すべきだと思います。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 11:39 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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