水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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言霊

言葉には魂が宿っているのだそうです。

 

その社会的な出来事は、私がまだ子供のころのこと、

随分と昔のことなのですが、有名な出来事だったので、

そのことは聞いたことはある、と言う人はいると思いますが、
実感を伴っていた、と言う人は、私以上の年齢の方のはずです。


それは、昭和28年のことです。
私はまだ小学校の4年生の頃のこと。
馬鹿野郎解散、と言われた衆議院の解散がありました。
小学生ですから、まだ世情は理解できず、
そういうことがあって、これから総選挙なんだ、
という大人の話を別世界の出来事のように聞きました。
そこで、そばにいた大人の人に、そのばか野郎とかの話は一体何なのか、
と尋ねたのです。
すると、吉田茂と言うえらい総理大臣が馬鹿野郎と言ったんだ、と。

総理大臣って、と聞くと、日本で一番偉い人だよ、と言われたのです。
その偉い人が、国会で、馬鹿野郎と言ってしまい、
それがもとで、解散することになった、と言うんですね。
まあ、正直いくらこまごまと聞いても、基本的な知識がないんですから、
どういう事なのかよく理解できませんでした。


で、その大人の人は、最後に私にこう言ったんです。

いくら日本で一番偉い人だって、馬鹿野郎なんてことを言うと、周りから咎められる、

まして、私達平民は、(まだそういう言葉で自分の身分を言っていた人は多かったと思います)
馬鹿野郎なんて人に向かって言おうものなら、
とんでもない罰を受けることになる。
お前のような子供はなおさらだ。
身分の高い、えら〜い人が言っても、あんな騒ぎになるんだから、
そのへんの子供がそんなこと言ったら、
とんでもない罰を受ける。
ともかく、人のことを馬鹿にするようなことは、言ってはいけない、
と諭されたのです。


どういうわけか、私はこのことを子供心に深く刻み込んで、
気を付けなくっちゃ、と思ったんです。

解散なんて、まあ、子どもには理解できない複雑な経緯があったんだとは思いますが、
言ってはいけない言葉を言えば、それは相応の責任を取ることになる、
という事を、それなりの衝撃を持って知ったのです。
ま、ある種、殴ったりけったり、人のものを盗んだりと同等の
やってはいけないことの一つなんだ、と思ったんです。

 

考えてみれば、状況はともあれ、言葉という音に過ぎないわけですが、
でも問題は、言葉と言えど、人を切り刻むことができるわけです。
いや言葉とはそういうものなのでしょうか。
言うという事は、思っているという事ですし、
思っているという事は、そういう考えの人なわけで、
それは人格とか、良識とか、人柄そのものの評価になるわけで、
言葉は確かに体を傷つけるわけではないのですが、
心を傷つけることはあるわけです。
目に見えないからと言って、許されることではないのです。

 

どうも最近の傾向として、言葉で人を傷つけるという事が、
いささか不感症的になっているほど、その頻度を多く感じられるんです。
SNSなどでは、よくよくさまざまな情報を読んでみると、
誰かが、ああ言ったこう言った、それに対してさらに誰かがこう言った、
と言ったことが、しばしば伝えられ、それが一般の人まで巻き込んで、
いわゆる炎上とかの現象が起きますが、
大本が罪深い言葉であろうと、そのことを取り上げ、非難をするという事も、
併せて何の権利があるんだ、と思うんですね。
少し、言葉に過敏になりすぎていないか。
ちっとは聞き流すという事だってあっていいはずでしょ。

 

一番困るのは、おそらく本人は正論のつもりなんでしょうが、
人を諭すほどの人格者なのか、と思うのと同時に、
その正論は、人を貶めることにあるとしたら、
もう正論とは言い得ないのです。

 

そう言えば、やたらと失言が多い方がおいでですよね。

もはや、不世出とも思えるほどの、多くの迷言を吐いている方ですが、
馬鹿野郎と言ってしまったがために、解散をすることになった
あの方の血筋なんですよね。

傷を広げる前に何らかの身の処し方を考えた方がいいと思いますが。

ま、余計なお世話でしょうか。

 

 

| 水嶋かずあき | あれこれ | 01:25 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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