水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
<< ますます暑い夏になりそう | main | 昔ゾウの鼻は短かった >>
ツバメ初見日

ご存知、ツバメは春先になると、南の国から飛来してきます。
日本で、夏を過ごし、その間に子育てをし、秋も深まると、
南の国に帰ってゆきます。
で、まさに風物詩のような鳥ですが、花札にも登場します。

 

ところで、ツバメが登場する花札はその植物はなんだかご存知ですか。
白状すると、私は勘違いしていました。
鳥が登場するのは、6ヶ月分。
1月が松で鶴、2月が梅で鶯、4月が藤で、
色は茶色なんですが、これがつばめだと思っていたのです。
藤の咲くころにはつばめがすいすい飛んでいる、と思い込んでいたのです。
ところがこれは不如帰なんですね。
確かに茶色ですから、ツバメとは言い難い。
それに、目には青葉の時期は、山ホトトギスですから、まさにホトトギスで正解なんです。

で、8月がすすきで、雁。
印象としては月と思っていますが、一応花札ですから、
植物が主人公です。
月の下に描いてある黒っぽい小山はすすきなんです。
で、ついでですが、12月が桐で鳳凰。
11月の札のことを雨と言い勝ちですが、これは柳で、ここにつばめが登場します。
何故かこのつばめ、色合いがちょっと違うんで、
他の鳥かと思っていました。
まあ、今更花札をすることもないかもしれませんが、
いい年していくつかの勘違いが修正できました。

 

話は横道にそれましたが、ツバメが少なくなったという話です。
日本には、たくさんの田畑があり、土がむき出しになったいたわけですから、
巣の材料はいくらでもあったわけです。
まして、自然は豊かで、緑におおわれていたのですから、
餌になる虫も多かったのです。
正に、子育てには絶好の条件だったのですが、
ここの環境が激変してきました。
それに応じて、ツバメの飛来数も減って、ここ4〜50年で、半減したと言われています。


という事で、どうですか、今年になってつばめを観ましたか?
つばめは、2月下旬には九州に上陸し、3月上旬には四国中国、
中旬に近畿、中部、3月の下旬には、関東にやってきます。
そして4月になると、東北、北海道と、まるで桜前線が北上するように、
日本を南から北に上がってゆきます。
その意味では、まさに春を告げる鳥なんですね。

 

日本人にとって、四季の移り変わりの中で、冬から春へ移るときが、
もっとも喜びと希望を持って迎えられる季節です。
桜は確かに美しいのですが、それは、春という希望の季節を連れてくるからです。
ですから、日本人にとって、ツバメはそれなりの吉祥の鳥だったのです。
ところがその愛でるべき鳥も、あまり見かけなくなりました。
基本的に、土の見える環境が少なくなったこと、虫が発生する環境が減ったこと、
そのほか、野生動物に卵やヒナが狙われやすくなったこと、
さらに、人が糞を嫌がって、巣を壊してしまうケースが増えてきたこと、などが挙げられています。

 

以前、家の近くのガソリンスタンドのガレージにつばめが巣を作ったことがありました。
こともあろうか、シャッターの内側に作ったんですね。
そのガレージは、仕事中はもちろんシャッターは空いているのですが、
夜には閉めます。
でも、夜にはつばめは飛び回らないので何てことないんですが、
困ったのが休日です。
休みはシャッターを閉めてしまいます。

たまたま、休日に、そのガソリンスタンドの前を通ると、
顔なじみのお兄さんが、ぽつねんとガレージの所に座っていました。
お店は休みなのに、何なんだろうと、声を掛けたら、
いや、つばめが巣を作っちゃってさ、シャッターを閉めっぱなしだと、
親が餌を鳥に行けないだろ。
だから、休みの時はこうして、交替でシャッターをあけに来るんだ、と。
で、結局ヒナが巣立ちするまで、休みのときは誰かがやってきて、
シャッターを開けていたんですね。
私は、このお兄ちゃんの横顔を見ながら、なんてやさしいやつなんだ、と思いました。

 

反対に、心無い人はいるもので、糞が汚いとかで、ヒナがいようと、卵が産み付けてあろうと、
巣をさっさと壊してしまうなんて、いかにもひどいでしょ。
巣のすぐ下に30センチ四方の板を置いておけば、
糞は直に落ちることはありません。
出来ればそのぐらいのことはしてあげるべきでしょ。

 

もともと、ツバメは弱い鳥ですから、カラスなど野生動物に絶えず狙われるのです。
ですから、野生動物があまり来ない人里で営巣するんですね。
いわば人間を頼って生きてきたんです。
その人間が、巣を壊すなんて、信義に反するでしょ。

 

つばめの数を増やすのは、このような環境になってしまった日本ですから、
難しいかもしれませんが、
せめて、初飛来した日、というか、その春に初めて見た日は何時だったか、
という日にちぐらいは、頭に入れておきたいですね。
そうすると、ツバメの姿を探すようになりますし、
併せて、私達の環境について、関心を持てるようになるかもしれません。

| 水嶋かずあき | 環境 | 18:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









http://blog.mizushima-kazuaki.com/trackback/2681
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< August 2018 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE