水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
<< 気象の言葉 | main | 結局は住民の防災意識 >>
驚くほどの犠牲が伴いました

1991年、長崎県島原の普賢岳が噴火、
その取材をしようと、避難勧告領域の中に侵入したマスコミ関係者を主に、
地元の消防団員など、43名の犠牲者を出した大火砕流が発生。
当時は各報道に大きく、取り上げられました。


私は、この報に接し、そんな危険なところに人が住んでいる、
と言う事の矛盾を感じたのです。
大自然は、実に気まぐれで、
その気まぐれの隙間で私達は生かされてきたのですが、
時に人間の傲慢で、そのボーダーラインを一歩踏み込んでしまう。
するとそのしっぺ返しを受ける。


正に、火山のふもとと言う、危険な環境なんですから、
出来れば、そこには住まない方がいい。
とは言え、暮らしの拠点をその危険なところに構えざるを得ない事情があるわけです。
それは、時に、火山が持っているメリットとして、

肥沃な大地を構成し、温泉なんか湧き出れば、
その利点を活用した生活ができるので、
多分、それなりの理由があったのだと思うのですが、
あのような、悲惨な出来事は発生すると、
一挙にマイナス面だけが取り上げられてしまいますでしょ。


で、火山に近辺に関わらず、人間が住居を定める要因に、

当然ですが暮らしの利便性と言うことが優先します。

そこの自然環境が、時にマイナスに働くことがあろうと、
それはめったにないことなので、平常時に、利便性を得られれば、
それなりの判断の基準を超えるという事です。

つまり、多少危険があろうと、それはめったにないことなので、気にはしない。
それより、その地の利を得るほうが、生活にとってはメリットが多い、
という判断です。

 

中越地震の時に、知り合いの家が被災しました。
その少し前に大雨が降り、
川沿いの家屋が被害を受けたのだそうです。
で、彼は、少し高台のところに土地を買い家を建てたのですが、
大雨の時の被害が無くってよかった、と思ったそうです。
ところが、その高台の埋め立て分譲地の家は、
地盤が脆弱だったため、分譲地に建てられた家々の大概が

大きな被害をこうむったそうです。
水害は逃れられたけど、地震で被害をこうむったと。
地の利とは何なんでしょう、と、ぼやいていました。

 

そもそも人が集い、生活の拠点とする地の利とは、
先ず、平らであること、水の利がある事だと思うのです。
人類の大きな文化形成のいくつかは、
大きな川沿いに、発達しています。

ナイルしかり、チグリスユーフラテスしかり、黄河しかりです。
特に、農耕が発見されてからは、川が大きな要因になり、
その周辺に人が集ってきます。
川はしばしば暴れますので、その結果周辺はほぼ平らになります。
人が暮らすには、望ましい環境なわけです。


しかし、いいことばかりではありません。
川はしばしば氾濫し、しかも周囲は平野なんですから、
その氾濫した水は、耕作地に覆いかぶさってしまうわけです。

長所と短所は隣り合わせなんです。

 

なんとなく、様々な経緯で、人は集落を作り生活を始めます。
その中心にあるのは、川です。
時に、安全を脅かすものの、普段の暮らしに必要なものですから、
安全のために高台で暮らそうとは思わないんですね。
まあ、なんとかなる、と。
要は防災の必要性は、ここにあるんです。
そこで、逆に、だったら川を管理しよう、と。
要は治水です。


日本の歴史を紐解くと、
いわゆる地域の活動の大半は、治水のための地域の人々の努力の歴史でもあります。
治水工事を成し遂げた人は、時に名君と謳われることも多かったようです。
ま、古今東西、日本の地形から考えれば、治水は大命題だったわけです。
近代のさまざまな都市の管理において、
相当なレベルで、水をコントロールしてきている、と思いましたが、
まだまだ、全然なんですね。

 

このような異常ともいえる大雨が降るということは、
矢張り、温暖化の一つの なのかもしれませんね。
とすると、これは天災ではなく、人災なのかもしれません。

 

多くの犠牲者のご冥福をお祈りします。

| 水嶋かずあき | 環境 | 10:12 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









http://blog.mizushima-kazuaki.com/trackback/2715
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< July 2018 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE