水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
<< 要はお金 | main | 夏だ!そうめんだ! >>
老いては子に従え!

生老病死。
なぜ生を受けたのか。
なぜ老いるのか。
なぜ病むのか。
なぜ死を迎えるのか。

これはお釈迦様が、人生の中で、どうしても解けない大きな疑問だったので、
それを解きほぐすために、
当事シャキ族と言う部族の王子で、結婚をし、子どももいたのですが、
その真理を求めて、居城を出た、と言われています。
いわば悟りを求めた、というわけです。

 

で、与えられた命の意義をどのように理解し、いかに生きるか、
という事が基本なんですが、
動物の宿命として、命の後半は、ポスト生殖期と言われ、
見様によっては、種の維持だけを観点に考えると、おまけの命になるわけです。
そのおまけの部分に、老があります。
これは少なくとも現代の科学で解明されているのは、
DNAが劣化するからです。


よく、リボンのように螺旋で長い紐をDNAの模式図として見たことがあると思いますが、
あの、DNAは、自分の寿命が尽きる前に、次代のものを作り出して、
そのDNAのリボンに、自分が持っている情報をコピーするのです。
この時に、裾の部分がほどけて、若干の情報を失うんですね。
ですからこれを繰り返してゆくと、
当初の精度が劣化してくる。
例えば、皮膚の部分一つとっても、赤ん坊のころに与えられていた情報は、
幾分か劣化するので、肌の張りとかみずみずしさは失われてゆくのです。
老化と言うのはそういうメカニズムになっているので、仕方ないことです。
DNAと言う命そのものを司っているおおもとの情報が、
劣化してゆくんですから。


で、ま、ともかく、どうして老いるのだろうか、お釈迦様は疑問に思ったのです。
この「老」は、ほぼ「病」に直結します。
体のさまざまな機能が劣化してゆくんですから、
体力も衰えますし、内臓の諸器官の機能も衰える。
ま、考えられないような、障害が突然現れるわけです。
私が5年前に発症した重症筋無力症も、
お釈迦様の時代だったら、死に直結していたと思うんです。

多くの人が、幼少期に命を失い、成人として生き残ったにせよ、
さまざまな環境の変化で、人は命を失ってきたはずです。
特に、医学的な知識も技術のなかった大昔では、何やらよく分からない症状で人が生気を失う。
ただ、周りは見守るだけで、手の施しようがない。
そして、愛する人を失って行くのです。
「老」は「病」に直結し、しばしば「病」は「死」に繋がってゆくのです。
言い換えれば、ポスト生殖期を迎えたお年寄りは、かなりの確率で死に接している、と考えるべきです。
これは縁起悪いとか、不吉だとか、精神論で超えられる問題ではありません。
現実なんです。

 

我がかみさんのお父様、私の義父という立場の人ですが、
このお父さんと、私たち夫婦は同じマンションにいて、
朝ごはんと夕ご飯を一緒に食べます。
食後しばらくうちの居間でテレビを見たり、本を読んだりと、リラックスしていますが、
それ以外は自分に部屋に戻ったり、ぶらぶらと出かけたりします。
主に、散歩とパチンコです。
年齢は94歳。
で、驚くことに、一切病気がないので、医者に掛かっていません。
当然ですが薬も飲んでいません。
私は、20歳も若いのに、机の引き出しは、ああだこうだと、
処方してもらった薬の山です。

 

確かに、90過ぎても、ぴんぴんしている人もいます。

しかし、大半は、その内側に劣化したDNAによる肉体を抱え込んでいるのですから、
見た目だけでなく、「老」は、その先の死に近い位置にあるわけです。
ですから、普段日常はともかく、
何かというと「老」は「死」に直結しがちです。

 

今回のような水害でも、やはり高齢者が犠牲になります。
現在判明している死者のうち、年齢が明らかになっている141人のうち、

60歳以上が100人で7割を超えたのです。
年代別では60代が25人、70代が37人、80代が29人、90代が9人。
要因別では、土砂崩れに遭ったとみられるのが71人、
川の氾濫(はんらん)に巻き込まれたり水路に転落したりしたのが59人、
状況不明などその他が11人。
つまり、特に高齢者が多く巻き込まれる要因は見当たらないでしょ。
土砂に埋まってしまうことに年齢は影響しないでしょ。
濁流にのまれてしまう確率に、高齢者が多いという要因もないでしょ。
でも、多くの場合、死は、高齢者を選択するんです。

 

今回の水害の状況をテレビニュースで見る限り、
正常化バイアスが年を取るほど顕著になるようです。
中年のせがれが、一人ぐらい父のもとに駆けつけ、
早く避難しと、と言いますが、年を取った父親は、
言う事を聞きません。
大丈夫だ、と。
死ぬぞ、と言うと、おれは死なん、と言い張ります。
結局は説得されて家を出ますが、
その時はもう胸まで水に浸かっているんです。

 

今まで無事に生きてきた、という、正常化バイアスを作用させてしまう、
年寄り独特の自負が正常な判断を狂わせるんですね。

体力の衰えもさることながら、
判断力の衰えもあるという事を、よく認識すべきです。
老いては子に従え、ですね。

| 水嶋かずあき | 環境 | 09:42 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









http://blog.mizushima-kazuaki.com/trackback/2719
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE