水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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二の丑

今日は二の丑です。
二番煎じの二の丑まで鰻を売ろうという魂胆は、

正直、あまり好ましい傾向とは思いませんが、
暦をたどると、どうしても、二の丑と言う日が登場するんですね。
逆に、二の丑がない年もあります。

どうしてそういうことになるのか、と言うと、
そもそもが、土用という期間の概念が影響します。

 

土用と言うのは、四季のはじまる立春、立夏、立秋、立冬の直前18日間のことをそう呼んでいます。
季節が終わり次の季節に移る期間で、ここでは物事が動く、という事で、
春から夏へ夏から秋へなど、安定する季節の直前に、
変動する気候に注意を払い、健康を維持しようとしたのです。


特に、夏と冬はエアコンもなかったころには、正直、過ごしやすい季節ではなかったので、
体調を壊し気味だったのです。
そこで、暑い夏をいかに乗り切るか、また寒い冬をいかに乗り切るか、という生活の知恵から、
さまざまなことが行われ、時代の流れとともに固定化し、これが今日に伝わって来たのが、
土用丑の日、というものです。


冬にも土用があるわけですが、この冬の土用では、唇に紅をぬる、という事が行われたようです。
いや、その日はオカマになっちゃうという事ではありません。
風邪をひかないようにするため、唇に紅を引いたんですね。
正直、なぜそうしたのか、誰がしたのか、いつまでそんな風習が残っていたのか、
何てことは私は知りません。
その昔、まだ医療が発達していないころは、なんの病気か分からないままに、
突然、病床に伏し、そのまま命が無くなることも多かったはずです。
特に、風邪に対する恐怖は大きかったと思います。
風邪は万病のもと、なんて言われたくらいですから。
そこで、何が根拠か、風邪を避けるための、ある種のまじないだと思うんですが、
唇に紅を引いたのだそうです。


で、この夏番が夏の土用丑の日です。
何故か夏に限って、丑の日という干支がらみの指定があるのですが、
これまた定説と言うのはありません。
私の想像ですが、鰻のうとうしのうをからませたのではないかと思います。
とするなら、ウサギのうでもよかったですよね。
ま、詳細は不明。


で、土用と言うのは、暦の上で、18日間あるのですから、
暦の流れとはリンクせずに、干支は巡ります。
例えば、太陽暦の現在で当てはめても、365日を干支が廻れば、
前年の元旦が、子(ね)で始まれば、翌年の元旦は、5日ずれますから、
巳(み)から始まります。
しかし、暦の立秋は、ほぼ確定していますから、その18日前の干支の廻りは、
ばらつくわけです。
そこで、土用に入った時の干支で、早めに丑が来ていると、二の丑が登場します。
つまり、もし土用のど真ん中に丑があれば、その前9日間、そのあと9日間に、
十二支の丑は、12日分のインタバルがあるので、外れてしまうでしょ。
したがって、3年に2度、ほぼ6割ぐらいの確率で二の丑が登場します。

もともと、夏の土用に気を付けたことは、暑さを乗り切るスタミナづくりでした。
まあ、今では死語に近いですが、夏痩せ、なんて言葉があったくらいで、
夏の暑さに体力を消耗したのです。


ですから、万葉集にも、
石麿に我物申す夏痩せに良しと言うものぞむなぎとり召せ
という歌が掲載されています。
ま、解釈するまでもなく、痩せていた石麿に、
鰻でも食べて元気になりなさい、という歌です。
このころは、むなぎと言われていたようですが、鰻のことです。

ま、そのくらい鰻の栄養価は認知されていたようです。


したがって、このころうなぎを食べるというのは、
薬食い、といって、グルメ的感覚ではなく、健康のために食べる、という、
一種のサプリ的感覚だったようです。

でも、おいしいものはおいしいですから、栄養に不安のない現代でも、
まあ、せめて丑の日ぐらい鰻を食うか、という事になります。


でもまあ、鰻屋さんで食べると、うな重の上なら4500円ぐらい。
並みで、3000円は超えるでしょ。
たかだか魚一匹の割には高すぎるでしょ。

そこで、ここは思い切って中国産に手を出してみましょう。
まあ、とやかく言われていますが、これまた調理の仕方があります。


まずは、多少面倒ですが、甘だれを作ります。
醤油4 味醂3 砂糖2 酒1 でいくらか煮詰めます。
私はこれに多少の化学調味料を加えます。
そして、鰻にまとわりついているたれを洗い流します。
次に、これをフライパンに1センチぐらいの量の湯を沸かし、
皮面を下に1分茹でます。
水気を切り、グリル皿に並べ、皮面を下にして、3分ほど火を通します。
一度出して、表面にたれをまんべんなく塗ります。
刷毛でやると無駄がありません。
これを、2〜3回繰り返して出来上がり。
間違っても強火にして焦がしてはいけません。
鰻の表面が色がつく程度です。

まあ、こうして家で作れば、

4000円のうな重が、千円ちょっとでできるはずです。


二の丑は、我が家で楽しむ丑の日なり、という事です。

| 水嶋かずあき | グルメ | 11:10 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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