水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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石を投げられる資格

日を追って騒ぎは拡大し、日本ボクシングを再興する会が第二の告発状を提出するとか。


世間では、この類のスキャンダルが好きですから、
テレビのワイドは、もうこの問題一色。
中には、またかよ、と言いつつテレビを眺めている方もおいでと思いますが、
しばらくは収まりそうもないですね。


何しろ、告発状の最初の署名人が333名、と言う数である事。
具体的な証拠が音声や映像として十分にある事。
何より、この会長の風貌が、悪役にピッタリな事とかで、
勧善懲悪の芝居でも見ているように、受けがいいわけです。


まあ、流れとしては、日大アメフトの内田監督並みの悪あがきななものですから、
テレビとしては、格好のネタになっているんでしょうね。

この騒ぎの中で、ボクシングの金メダリストかつ、現世界チャンピオンの村田選手が、
以前に、フェイスブックで、この問題に関して、
「そろそろ潔く辞めましょう、悪しき古き人間達、もうそういう時代じゃありません」
と投稿しました。


これを読んで、ほほう、かなり正義感の強い人だな、と思ったのですが、
当然、山根会長はこれに関しても牙をむき、生意気、と切り捨てました。
で、さらに村田選手は次のような投稿をしたのです。

 

要約すると、
ナチスのユダヤ人収容所で、同じ収容者でありながら、見張り役など、特別な権利、立場を与えられた収容者がいて、
この人たちをカポーと呼んだのだそうです。
大勢の収容者を管理をするために、そういうやり方をしたんでしょうね。
で、時にナチス親衛隊より、このカポーたちの方が、収容者に酷い仕打ちをしてきたという話があって、
これが、ヴィクトール・E・フランクルの著書「夜と霧」の中に記載されているのです。
で、村田選手はこの話を例に挙げ
「そのカポーを裁くことが出来るのかどうか。
フランクルの言う、石を投げるなら、
同じ状況に置かれて自分が同じようなことを本当にしなかっただろうかと自問してみること。
人を糾弾する前に必要な事だと考えています」と、
まずは自分の身を振り返る必要があると書き込んだのです。
そして「世の中にはこのカポーが溢れていることを忘れてはいけないなと、
改めて思う今日この頃です」と締めくくっています。

 

以前から、村田選手の密着取材などを見てきて、
この人はまるで求道者のようだな、と思っていましたが、
この騒ぎだけでなく、昨今の世の中全体に対して、優れた警鐘を鳴らした、と思いました。

この、カポーが誰なのか、どういう行為を批判的に見ているのかは不明ですが、
焦点がとかくぼやけがちな出来事の中で、
何が大事なことなのかをしっかりと絞り込み、
きっと我々にはわからない関係者に対する、警告なのではないかと思います。

 

このカポーの話の原点は、きっと聖書の中のこのくだりだと思います。
聖書の中に、姦通罪で捕まえられた女性をめぐって、
主イエスと律法主義者たちが対決する場面があります。
旧約の律法では、姦淫罪は石打で死刑にされることになり、多くの群衆が集まってきました。
手に手に石を握り、正義の裁きでもするように、皆いきり立っていたのです。
この時、判断を求められた主イエスは、こう言います。
「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」、と。
やや間があって、年長者から始まって一人また一人と、その場を立ち去ってしまった。
という内容です。

 

罪とはなにか、という事が不明ですが、
それでも、この世界には罪を犯したことのないものは一人もなく、
自分の正しさを根拠に人を裁く権利や資格を持つ者は誰もいないということ。
更に、一人の人間の罪は、それを傍観している人の側にもあること。
また、一人の人が罪を犯す事になった背景にある社会的責任は、
社会のすべての人にあることをも意味しているのです。

 

ま、昨今のこの類のことは、
SNSの発達で、誰もが発言しやすくなっていることもあり、
過剰に反応しがちですが、
もう少し、冷静に客観的に物事を眺める必要があるんじゃないでしょうか。
そういう点では、先ずメディアが、煽情的な番組の構成を反省すべきでしょうね。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 12:13 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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