水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
<< 石を投げられる資格 | main | スマートスピーカー >>
ふるさと納税はいい制度

東京の世田谷区の区長が、ふるさと納税に関して、猛反論をしている、
という記事を読みました。


まあ、立場上の言い分としては、筋の通った話なんですが、
そもそものこのふるさと納税に関して、いささか様々な軋み音が聞かれるようになりましたが、
無能な人間が有能な人間をやっかむような感覚に近い、と思っています。
いや正確には、努力している人間が、努力していない人間にいちゃもんをつけられている、

という構図でしょうか。

 

そもそもが、
「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた『ふるさと』に、自分の意思で、
いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」と言うのが発想のもとです。
でも私は、この発想の根底に、日本国土の利用、開発及び保全に関する総合的かつ基本的な計画として策定された
全国総合開発計画の歴史が関わっていると考えています。
地域の住宅、都市機能、道路その他の交通基盤の社会資本の整備のあり方などを

長期的に計画立案してゆくもので、
とかく、中央に向けられていた眼を地方に分散し、全国くまなく整備してゆこう、
という、ある種の総合的な地方振興策の一つなんです。


この全国総合開発計(全総)は、1962年に第一次の計画が定められ、
以降、5回にわたって計画立案されてきました。
基本計画が閣議で定められ、その実行に必要な予算が付けられる。
正に、国家を挙げての総合開発計画だったわけです。
初期の頃は、地方都市の整備などを中心に、
工業の地方分散が計画されました。
よく、地方のまちに、ぽつねんと、全国区レベルの企業の工場が建っていることがありますが、
多くは、この第一次の全総の時に、地方が誘致したものです。


平塚でもいくつかの工場がこの時代に誘致されました。
まあ、工業の持つ経済力のおこぼれを地方のまちに及ぼす、という考えです。


その後いくらか目先を変えつつ、新全総、三次総、四次、五次と展開されましたが、
その都度、何かの問題が障害となり、計画は次々と目先を変えて更新されていったのです。
最後は、リゾート開発にまで及び、ほぼこの時点での地方振興策は手が尽きてしまったのです。


もちろん多くの成果は得られましたが、
そのほとんどの計画の最後は、結局同じ結末を迎えてしまうのです。


それは、そもそも根底にあった東京一極集中をいかに避けるかだったのですが、
なんだかんだと最後は東京に、資金も、人材もガバナンスの権限も、戻ってきてしまうんですね。
とくに顕著だったのは、人の移住です。
地方から都会へ移住してしまう。
地方都市から東京に移動してしまう。
地方都市は人口減になる。
それはそのまま生産力を落とし、税収が減少する、という事につながりました。
ふと気づくと、高齢化率がやたらと高くなっていて、福祉にかかわる費用は増大し、
可処分所得の低い予算を組まざるを得ない、

と言う地方行政体の経済的な構造が表面化したのです。
つまり、1962年、初手を打ってから50年以上、

日本の一極集中の流れは止まられなかったのです。

 

ご記憶でしょうか。
確か竹下政権時代のことですが、
1億円ふるさと創生基金、なるものが全国の市町村に配られました。
地方振興の一助に、という事だったんですが、
さまざまな手を使っても地方の衰退を止められないので、やけくそのような手を使ってみたわけです。
でも、この流れは止まらない。

と言う過去の流れを見てみれば、このふるさと納税と言うアイディアは
悪くないでしょ。


制度開始から10年が経ち、全国の自治体への寄付額は、昨年度、計2844億円となりました。
逆に世田谷のような地域では、それにより41億ほどの税収が減ったそうです。
ただ単に都会と地方のバランスという面で考えれば、
この政策はそれ相応の効果があったという事でしょ。


ただ最近の傾向として、
返礼品として、町によっては、特産品でもない一般的な商品を並べたりしていますが、
これはおかしいでしょ。

それじゃあ、ただの通販でしょ。

 

特産品という事で考えれば、宮崎の都城が73億もの売り上げを確保し、全国一位。
で、これは税収として、地域のさまざまな活性化のた目に活用できると同時に、
返戻金として送る地域の名産品の売り上げ増につながるわけです。
還元率で言えば、ベスト10はほぼ80%以上。
まあ、平均すれば、40%前後でしょうか。
で、仮に、50%として、1万円の納税をしてもらえると、5千円が税金として使えます。
残り5千円は地元の製品を買い上げ送るわけです。

 

例えば平塚が釜揚げしらすを返礼品にしたとします。
1万円で5000円分。
仮に1千万円集まったとすれば、500万円のシラスの売り上げになるでしょ。
これって、地域の経済の恩恵の一つではないですか。
税収と地域産業の振興と言う二面で考えれば、地方にとってはありがたい話ですね。

 

ちなみにわが平塚は、これに関して反応が鈍く、

2016年までは返礼品がありませんでした。

その結果、その年は12件、600,100円でしたが、

2017年から、巻き返しを図って、返礼品を33品もリストアップしたのです。

すると、1091件にも膨れ上がり、納税額、21,001,000円になったのです。

2千万円ですよ。

まあ、還元率50%としても一千万円の増収じゃないですか。

7年間無駄にしてしまいました。

もったいなかったですね。

この制度がはじまった時に始めていれば、そこそこの恩恵を受けられていたのに、と思います。

 

ま、でもさらにもう少し、洗練した、かつ地域経済の恩恵となるような

ラインナップを考えていただきたいものです。

 

ところで、どうすれば、このラインに加えていただけるのでしょうか。

市民に対する広報が不十分だと思います。

 

| 水嶋かずあき | あれこれ | 12:04 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









http://blog.mizushima-kazuaki.com/trackback/2741
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE