水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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あの頃に似てないか

私が生まれて、1歳と7か月と9日たった8月15日。
日本は3年8か月かけて戦った太平洋戦争の幕を閉じました。


この間の日本人の犠牲者は320万人とも、310万人とも。
これはいまだに正確な数字は出ていません。
ざっとですが、
軍人・軍属など軍関係者の戦没者230万人、
外地での戦没、一般邦人30万人、内地での戦災死者50万人、
計310万人がその後の政府の公式な数。

 

で、これまたあいまいなデータなんですが、
終戦の年の1945年の日本人の平均寿命は
男性23・5歳、女性32・0歳と言われています。
これまた別の説があって、
男性23・9歳、女性37・5歳という数字もよく取り上げられます。
結論的な言い方をすれば、この年はきちんとした公式の統計がないので、
どうも、そんなもんだろう、と言う誰かが言ったことが、
その後、独り歩きして、定着してしまったようです。


で、本来、平均寿命と言うのは、その年に生まれた赤ちゃんが、
今後何歳まで生きられるか、と言うデータ−なので、
23歳とか32歳など、少なくとも近代に入ってはなかった数字ですから、
この数字は、全く別の観点で計算されたものだと思うのです。
ま、これは推測ですが、
その年に亡くなった方の年齢の総和を、人数で割った数なのではないか、と。
つまり寿命と言えば寿命ですが、そもそも何歳まで生きられるか、と言うのが寿命ですから、
この場合は、死亡年齢、という事になります。
例えば、その年、二人の男が亡くなったとします。
1人は生まれたての0才児。
1人は高齢のおじいちゃん、100歳。
足して100ですから二人で割れば平均50歳という事になります。
こういう算出方法だったと思うんです。


ですから、終戦の年ですから、多く若者が戦死し、
女性もこれに巻き込まれた、と言う想定をすれば、
男23・9歳、女37・5歳と言うのも、当たらざるとも遠からず、という気がします。

まあ、過酷な時代であった、と考えれば、単に公式記録がないから、
誰かの当て推量だ、で終わらせてはいけないでしょうね。

 

軍人軍属が230万人だったのですが、これらの兵隊さんは、名誉の戦死を遂げたわけではなく、
多くは、東南アジアの激戦地へ送りこまれ、
その後の武器、食料、弾薬の補給路が断たれ、
後方支援が届かず、結果として餓死をしたのだそうです。
なんだか、よく言う、二階に上がれと言われて上がったら、
はしごが外されていた、というやつですよね。
たまったもんじゃないでしょ。


軍の偉い人は、東京に居座っていて、そりゃ空襲など受けたかもしれませんが、
泥水をすすり、草の根を食べ、でも結局餓死をした、なんて環境ではありませんからね。
何時でも戦いは、偉い人たちは安全なところにいて、
一兵卒が戦いの戦前に送り込まれ、命を捨てざるを得ない状況に追い込まれるのです。
名誉の戦士ならまだ浮かばれるでしょうが、
食料が届かなかったので、餓死をしたというのは、まさに犬死ですね。
この犬死をした軍人軍属は、140万人。
帝国日本軍の戦場に送られて戦死した人の6割が、餓死と言うもっともみじめな死に方をしたのです。
そもそもが無謀な戦争でしたが、
あまりに無責任すぎませんか。

 

ある時、たまたま独裁者、という検索語で調べ物をしていたら、
普通に出てくるのが、毛沢東、スターリン、ヒトラーなどの名前なんですが、
ある資料では、ベスト10に東条英機の名前がありました。
なんとなく、私達の通常の概念では、独裁者というイメージはありませんが、
多くの人を死に追いやった強権を発動した人、という解釈をすれば、
確かに独裁者なんでしょうね。
国のかじ取りとしてはそれなりの正義感と大局観を持っていたとは思うのですが、
ちょっとした目の曇りが、大きな犠牲につながった、と考えれば、
独裁者が歩む末路としては、東京裁判の結論は否定できないですね。
310万の死をどう償うのか、という事ですから。

 

私は、空襲の時の逃げ込んだ防空壕での記憶とか、戦時のどさくさした戦争の実感はありませんが、
間違いないことは、戦時中に生まれたという事です。
幼いころのおぼろげながらの記憶には、戦後の荒れて、貧しい生活が記憶に残っています。
0才児、1歳児、2歳児など、幼子たちの中には、
空襲で亡くなったとか、病気になり、ろくな手当も受けられず亡くなったとか、
十分な食べ物もなく餓死をしたとか、

生きていたら、同じ教室で学んでいたはずの子等もいたはずです。
幸い、私は生き残りました。
戦争の生き残りです。

 

だから、戦争の実感はないけど、
戦中派としての言うべきこと、やるべきことはあると思うんですね。
その意味で、昨今の世界情勢、日本のトップの連中の考え方に不安を持ちます。
赤字国債を発行しながら、防衛費だけは毎年膨れ続け、
ついに5兆円を突破、やがて、5・5兆円になろうとしています。
この、ガサツな世界の空気が、穏やかになることを願っていますし、
その空気づくりに、日本の政治家は使命を感じなくてはいけない。

 

微妙な不安を抱くのは私だけでしょうか。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 10:49 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
同世代の水嶋氏の思いに同感です。戦争を知らない世代が戦争のできる国に変えようとしている不安を感じています。
| もっちゃん | 2018/08/15 9:37 PM |









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