水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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命を食べている

農林水産省が、日本における食品ロスについて、
大変憂慮していて、この問題に関する様々な手段を講じていますが、
これがなかなか国民の間に浸透していないんですね。


何より、把握しているデータが、あまり十分とは言えないんです。
例えば、食品ロスの現場である食品を取り扱う事業系と、
その消費の末端である家庭系の、それぞれが、どのくらいのロスをしているのか、
と言う推計が、年間で、事業系300〜400万トン、
家庭系が、200〜300万トン、と言うデータを提示しています。
これって、あまりにも、大雑把すぎませんか。
だって、それぞれ100万トンの誤差があるんです。
事業系で、基礎となる数字が33%も揺らぎ、家庭系では50%も差があるという事でしょ。
何も、農水省を非難しているのではなく、
この問題の実態が、つかみにくい、という事としてとらえるべきなんですね。

 

事業系としては、収益に関わることですから、
その生産過程においては、ロスを減らすということは大前提でしょ。
正に、トップからの至上命令だと思うんです。
したがって、売らんかなのための過剰な剥きすぎ、などを除いて、
基本的には、有効活用は企業自体が模索しているんだと思うんです。

例えば、コンビニで売られているおでんの大根は、機械的にサイズをそろえるので、
少なくとも、私達が作るおでんの大根より、余分に剥かれているはずです。
私達なら、頭とか、しっぽについては、みそ汁の具にしたり、大根おろしにしたり、
ほぼ全面的に使いますよね。
でも製品の規格を優先させるとなると、サイズが小さくなる部分などは捨てられているはずです。
こうなると、捨てている企業の問題だけではなく、
そういうものを選択する消費者の私達にも、なすべきことがあるという事になります。

 

家庭系の問題の最大のことは、賞味期限の問題です。
大体私はあの賞味期限の提示制度そのものが気にくわないんですね。
これは、生産者側から言えば、何か食品事故が発生した時に、
表示の起源が長かったために、起きてしまった、と言う事例が発生したとしましょう。
そう表記したことが悪かったのだったら、期間を短くしよう、と思うでしょ。
要はある種の責任範囲を小さくした責任逃れです。
ですから、賞味期限は、数字通り解釈してはいけない、と思っています。


何より、私達には、食物の体内に取り込んでもいいのか、という、
ある種の毒見係として舌があるわけで、
単にうまい、とかまずいとか見極める器官ではありません。
ですから、舌の判断をもう少し信頼すべきで、
全然何でもないないものを、単に、生産者側が提示している日にちを基準に、
過ぎてしまったから捨ててしまう、と言うのは、あまりに雑な対応だと思うんですね。

 

こんなデータがあります。
手つかずで廃棄された食品の総量は、
家庭から排出されるごみの総量の22%に当たります。
つまり、ゴミ袋の中身は、調理クズのほか、食べ残しなど、78%が相当するのですが、
食卓にも上らず、冷蔵庫から直にゴミ袋に投げ捨てられる食品が、22.2%あるというんですね。
およそ5分の1です。


これを食費に換算してみましょう。
二人世帯を基準にしてみますと、総食費から、外食、飲料を引くと、
その平均は56,717円になります。
世帯数の平均は、2,5人ですから、単純に日本の家庭の月平均食費総額は、70,900円になります。
この22.2%ですから、その金額は、15,740円となります。
一か月で、15,740円も捨てているんです。
1世帯あたり、年額で188,900円となります。
買うだけ買って食べずにです。


こんな雑なことをしていて、家計が苦しい、なんて言うな、と思いませんか。

その手つかずで廃棄される食品のうち、
なんと、賞味期限前のものが、24%もあります。
またこれを金額に換算しましょうか。
食材として買物する総金額の5,3%に相当しますので、
年間で、45,100円の食材が、
ただ買い求め、賞味期限前にもかかわらず、捨てられているわけです。
食材にしてみれば、犬死もいいところです。

 

ま、うっかりしていたとか、もらい物で好きでないものだったとか、
食べそこなうことはよくあり、気が付くと期限切れだった、という事はあることだとは思うのですが、
食品の在庫をしっかりと管理していればそんなことはなくすことができるはずです。

 

食品ロスは、外食産業、レストランとか、宴会場とか、旅館とか、

様々な場所で、様々な実態があるのですが、
食品ロスの主なステージとなっている家庭での無駄を、
先ず省くべきです。


そのためのも、無駄な買い物を避けること、

冷蔵庫の管理をしっかりすること、そして、多様な状況に対応できる調理技術を付けること、
さらに何より、食品に対する感謝の気持ちを忘れないことです。
食べ物は、みんな命なんですから。

 

 

| 水嶋かずあき | グルメ | 09:49 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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