水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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領海・接続水域・EEZの話

北海道・猿払村の約500メートル沖にある「エサンベ鼻北小島」が見えなくなっているのだそうです。
第1管区海上保安本部が、冬場は海が荒れ、流氷も押し寄せるため、
流氷もなくなって気候が穏やかになる来春以降に現地調査を行う、ということにしました。

これは一大事なのです。
なぜ一大事かと言うと、認定されていた島が無くなると、その分領海が狭くなってしまうからです。
そもそもが、国際的に領地として認めてもらえる島は、

満潮時でも海面下に水没していない、ということが条件なので、
一部であれ海面に出ていれば、領土の一部になるんですね。

ですから、この小島が水没しているのかどうかは、
日本の領土、領海が減ってしまうかどうかの瀬戸際と言う事になるです。


とはいえですよ、このエンサベ鼻北小島に、人が暮らせるほどの面積はありませんし、
沖合500メートルと言う事ですから、領海が減ったとしても500メートル分後退するだけのこと。
大した話じゃないでしょ。

そもそもが、領海と言うのは、海岸線に基線と言うのを引いて、ここから12海里を領海としています。
で、この基線の引き方なんですが、リアス式海岸のようなでこぼこした海岸線は、直線で引くことになっていますので、
まあそんなことを含めても、大した面積の減少と言うことでもないのです。

まして、ボーダーにブイを浮かべるわけでもないのですから、その辺はあいまいです。
何より、もしそんな大事な事なら、先ずはドローンでも飛ばして、
ざっと確認でも知ればいいことでしょ。
どうしても見つからなければ諦めるし、ちょっとでも岩礁が見えれば、
改めて測量すればいいことです。

 

さて、ついでと言っちゃあ申し訳ないのですが、
この際、ちょっとばかりお勉強をしておきましょう。


まず、領海についてです。
これは先ほど出てきました基線、大雑把には、海岸線から沖に向かって12海里が領海です。
領海にはどんな権利が発生するかと言うと、通常の国家主権が発生しています。
つまり、国土と同じことです。
海の上でも領海内なら、犯罪なども取り締まれる権利があります。
ごく普通に法治国家としての管理がされる領域です。

人は住めませんが、ここは俺んちだ、と言えるところです。


で、この領海の先に接続水域と言う領域があります。
これも、国家の主権の及ぶところで、国家は通関、財政、出入国管理、衛生に関する法令の違反について
防止や処罰を目的とした措置をとることができるのです。
基本的には領海とあまり変わりがありませんが、少し遠のいている部分、
いくらか主権の主張範囲が薄まってしまいます。
そして、国家の安全を脅かす侵害行為に対する規制は、接続水域制度の対象には含まれていないのですね。
よく、いけしゃあしゃあと中国の船が、尖閣列島の接続水域を航行している、というニュースが流れますが、
微妙に、その部分には、出てゆけ、と大声で言うことはできないんですね。

 

そして、さらにその外側には、EEZと言う領域があります。
これは日本語で、排他的経済水域と言われています。
妙な言い方ですね。
排他的なんて。
ちょっと意地悪な表現ですが、これは、準領海的な考えで、
設定水域の海上・海中・海底、及び海底下に存在する水産・鉱物資源

並びに、海水・海流・海風から得られる自然エネルギーに対して、
探査・開発・保全及び管理を行う排他的な権利

(他国から侵害されない独占的に行使できる権利)を有する、とされているところです。
ですから、しばしば中国や韓国が海底調査船を航行させることがありますが、
あれは人の懐に手を突っ込んで、財布の中身を調べているようなもので、
余計なお世話でしょ。
そんなことするな、という権利があるという事ですね。
このEEZに関しては、200海里までとされています。

 

さて、この海里なんですが、ある距離を示していますが、どのぐらいの長さかご存知ですか。
実は私も知りませんでした。
調べた結果のご報告です。
単純には、1海里1.852劼任后
で、なぜ、こんな端数なのか、と言うと、
地球のサイズに関わって来るのですが、
まず、地球の緯度・経度は、360℃を基準にしています。
つまり、地球一周のサイズは、4万キロですから、
これを360℃で割ります。
で、1度は60分ですから、さらに60で割ると、1,852キロとなります。
つまり、1分の距離と言うことです。
そこで、領海は陸から、22.22キロ、接続水域は44.44キロ。
EEZは、370キロと言うことになります。

とまあ、日本は四面を海に囲まれていますから、

日本の領海、接続水域、EEZはとてつもなく大きな意味を持ちます。
何しろ、領海に関しては、陸地と同じ主権を持っているんですから、

本来より二回りくらい大きな国土、ということができますし、
EEZまでふくめて、日本の権利の及ぶところと考えると、
正に面積的にも日本は大国となるわけです。

ただ、悲しいかな、海の上に線は描けませんので、しばしば、領海侵犯が発生しますし、
これを取り締まるとなると、結構手間暇がかかってしまいます。

よく、EEZや接続水域で、違法な侵犯により漁船が操業しているという話があるでしょ。
でも、陸上のように、取り締まることは難しいですよね。

ボーダーに線が引いてあるわけじゃないですしね。
とぼけられたらそれっきり。

ま、そのうち、人工衛星を使って、
電波的ですが、領海、接続水域、EEZなどの境目を、示すことができるようになるでしょうね。

 

ところで、最後のお勉強。
よく船の速度を表すのに、ノットという単位を使いますね。
あれはどのくらいの速さなのか、と言うと、
これまでのお勉強が役に立ちます。
1海里の距離を進む1時間の速度だそうで、1.852キロだそうです。
したがって、10ノットで進む船は、1時間で18・52キロ進むわけです。
あのクイーン・エリザベス2の巡航速度は28.5ノットだそうです。
つまり、時速52.8キロと言うことになります。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 11:31 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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