水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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土光敏夫さんの再来を待つ

なんとなく、情けない話が多いですね。
それは、人間の欲に関する話です。

 

私はしばしば、必要以上の金を手にして、何をしたいのだ、と思っています。
それは歌手が大ヒットを飛ばし、高額なギャラを手にするということはあるでしょう。
スポーツ選手が能力を発揮し、億単位の年俸で契約をするということもあるでしょう。
しかし、生産の現場では、収入と支出のバランスで成り立つわけですから、
収益については、いわゆる3分割の法則のようなものがあって、
消費者・労働者・資本家に恩恵が与えられるべきです。


何が優先するのかは企業の考え方ですが、少なくとも経営者は残った取り分の分配が本来です。
それは、企業の目的を整理すれば明白なことですが、
ひとことで言えば、幸せな社会生活にいかに寄与するかでしょ。
人々の歓びにつながらない企業活動は、どこか根本が間違えているはずです。


その意味で、3つの分野への分け前は、これで十分か、と言うチェックが必要で、
まず自分自身の報酬が十分か、と考えるのは、正しい在り方ではないと思うのです。

 

いままで、人類が様々な社会的な状況を経験してきて、
歴史的に繰り返されていることは、貧富の差に対する不満です。
「富」側の人は能力の差を正当化しようとします。
「貧」側の人は、社会のシステムと不運のせいにします。
そのそれぞれの主張はどうでもいいことです。
基本的にそれまでの生き様の因果が、形になってきたわけですから。
とはいえです。
「富」は無限であっていいはずがない。
その理由ですが、正当な生き方に必要な原資は無限であるはずがないからです。
極端な話、年収1000万円あれば、上等な生活ができるでしょ。
1億円が必要な理由は何なんでしょうか。

私は、かみさんとの年金の合計が年で300万円そこそこ。

でも十分に生活できますので、今、二つの会社の名目的社長をしていますが、

報酬はゼロです。

だって、年金で生活できるからです。

 

そして、無限であっていいはずがないというもう一つの理由。
人類が生産できる富は、一定量で、これの中からより多くとるということは、
後の人は、少なくなった残り物を分ける、ということにつながります。
つまり独り占め状態が派生し、「貧」に本来分け与えられるべきものが、少なくなってしまうという
アンバランスが生じるからです。
限定された人数、100人のコミュニティを想定してみましょう。
そのコミュニティの総生産高の半分を1人の人間が得ているなんて、
いくら能力の差があろうと、納得できないでしょ。

残りを99人が分け合っているのです。

これが現実です。

貧困が問題なのではなく、富裕が問題なのです。

 

産業革新投資機構という機関があって、経産省関連の事業として、
先端技術や特許の事業化を支援することを目的に立ち上げられました。
投資対象となるのは、大学や研究機関に分散する特許や先端技術による新事業、
ベンチャー企業の有望な技術、国際競争力の強化につながる大企業の事業再編などです。
ま、国際化が進む中、競争力強化を計って、
そういう芽を持った企業をテコ入れしようというわけです。
で、その社長になったある方が、自身の報酬を1億円以上でないといやだ、
と駄々をこねているんです。
この数字、何が根拠なんでしょうかね。
家賃だの電気水道代だの、食費だの、衣料費だの、ひっくるめて、
あと何にいくら必要だ、と言うんでしょうか。
もっと欲しいというのは、何の理由にもならないでしょ。

ほぼ、ゴーンの理屈ですね。

 

こんな世相を見ていて、私は、若いころ憧れた方の一人、土光敏夫さんを思い出しました。
メザシの土光さんです。
土光さんは、石川島重工業・石川島播磨重工業 社長、東芝 社長・会長を歴任、
日本経済団体連合会第4代会長に就任し、「ミスター合理化」と言われた人です。
経営状態が傾いた企業を次から次へと渡り歩き、次から次へと立て直した企業再建の神様みたいな人です。
で、その手腕を見込まれて、1981年、鈴木善幸首相の時に第二次臨時行政調査会長に就任しました。
その就任に当たっては、
1.首相は臨調答申を必ず実行するとの決意に基づき行政改革を断行すること。
2.増税によらない財政再建の実現を計ること。
3.各地方自治体を含む中央・地方を通じての行革推進すること。
4.3K(コメ、国鉄、健康保険)赤字の解消のため、
特殊法人の整理・民営化、官業の民業圧迫排除など民間活力を最大限に生かすこと。
を就任の条件とし、実現化にその手腕を発揮したのです。


土光さんは、いくらくれなんて言いませんでした。
NHK特集で、行革の顔として土光敏夫に密着したテレビ番組が製作され、放送されましたが、
私はこれを見た記憶があります。
土光さんの行政改革に執念を燃やす姿と、土光さんの生活の一部が取材されていました。
で、土光さんの普段の生活を垣間見れたのですが、
穴とつぎはぎだらけの帽子、奥さんに「汚いから捨てたらどう?」と言われた使い古しの歯磨き用コップ。
農作業用のズボンのベルト代わりに使えなくなったネクタイなど、
質素そのものの生活でした。
そして、やらせでもなんでもなかったのですが、
奥さんと2人きりの夕食の食卓には、メザシに菜っ葉・味噌汁と軟らかく炊いた玄米だけでした。
高級ワインや和牛のステーキなど縁遠い話です。
 
不振の企業再建としてはあのゴーンも評価されていますが、
正直、土光さんの足元にも及ばない。
少なくとも、人間性と言う最も大事な資質では、月とすっぽん、天と地の差があります。
あの経団連会長時代、日本の大企業の組織の頂点ともいわれる立場にいたころ、
通勤には公共のバス、電車を使っていたそうです。

こう言うのって人生観だと思うんです。
億単位の報酬を要求するっていうのも、その人の人生観。
しかし清廉な手によれば、清廉な結果が出てくるはずです。
その意味で、何が正義なのか分からないのですが、
多額な報酬を得ようとすることが清廉な結果を出すわけがない、と思うんです。

どうも、最近、この土光さん的な人材が、しばらく登場していませんね。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 10:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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