水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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唐土の鳥が日本の国に渡らぬ先に

日本の文化は、その大半が中国で醸成されたものが伝わってきたものです。
もちろん、長い歳月の中で、独自の進化をしたものもあり、
進化の最終形を見れば、おおもととは大きく異なる場合もあるので、
もともと日本で発生したものではないか、と考えがちですが、
やはり、その歴史的な厚みから言っても、我が国の文化は、中国を祖としてきたようです。
最も基礎となるものは、やはり文字でしょ。
いま、中国は簡易な漢字に切り替わりましたが、
大半は、まだまだ私達にもその意味を理解することはできます。
たとえば、中国を旅行して、お店の看板を読んで、何やさんか、なんてことは、
大体見当がつくものです。
その意味では、韓国はもう漢字表記をしなくなってきたので、
ハングルでは、文字を勉強したことがないと、何やさんか分からないですね。

 

さて、それ以外で、中国から伝わった文化と言えば、
諸行事でしょ。
遣唐使や遣隋使などで、頻繁に交流が行われたころを中心に、
文化的な影響を受けてきました。
その一つが節供です。


正式には五節供と言って、奇数の月日が重なるときに、
行事が行われてきました。
奇数を陽、偶数を陰とし、陽を重ねた日をめでたい日であるとしたんですね。
その最も大きい数は九なので、九月九日は陽が重なるので、重陽の節句としました。
戻って、七月七日はたなばたの節供ですね。
五月五日は端午の節供、三月三日は桃の節句。
で、この並びで行くと、一月一日が節供になるんですが、
何故か、一月の節供は、一月七日なんです。
これを七草の節供、と言っています。
新年を迎えるので、一月一日は元旦として、めでたく祝うことに変わりはないのですが、
新年になって、その年の運勢を占うことをします。
で、先ず一日は鶏について占います。
翌二日は狗(犬のこと)。
さらに猪(豚のこと)、羊、牛、馬と一日一種の家畜を占い、
いよいよ七日になって、人を占います。
この日を人日と書いてじんじつと読み、これを持って新年の行事が終わるのです。
したがって、新年の人間を祝う日は一月七日なんですね。
で、この日は、一年の無病息災を願って、七草粥を食べるということです。

行事と言うのはどうしても、形の伝承が行われるものの、
その背景となる様々な要因は置き去りにされがちです。


ですから、昨日のスーパーの野菜売り場では、七草粥用の野菜が一袋に入って、
まあ、そこそこの値段で販売されていましたが、
どうしてなのか七日、どうして粥にするのか、などについては、ほとんど斟酌されることなく
ただ七草粥を食べる日、という単純素朴な理由で七草を祝っているんですね。
正に消化型の行事になっているんです。


もっとも、この五節句については、明治政府が、明治6年、五節句をやるな、と言う通達を出します。
なぜそう考えたのか、理由はよく分からないのですが、
日本発の独自の行事ではない、と判断したんでしょうね。
ともかく、廃止をするように言われたんですから、

それからは、見る見る間に、それらしき行事をやる習慣はすたれてゆきます。
で、現在に至るのですが、とはいえ、お正月はおせち料理など新年祝賀の料理を食べ、祝い、
女の子の節供としておひなさまが飾られ、端午の節供では、鯉のぼりを立て、柏餅を食べ、
たなばた様は壮大な飾りを掲げるでしょ。
唯一、重陽の節句はあまり何もしませんが、なんだかんだと、五節句は体に染みついてはいるんですね。

 

で、今更なんですが、七草粥にも作り方があって、これの作法で作る人はほとんどいません。
一応、記録的な意味で書いてみます。
まずは七草です。
せり・なずな・御形・はこべら・仏の座・スズナ・スズシロ、です。
これに、「これぞ七草」と付けて、五七五、七七の形の歌として覚えればいいのです。
スズナはカブ、スズシロは大根です。

ま、ともかくこの七種。
さて、この七種の植物を包丁でたたき切します。
まあ、きざむと言うことです。
で、この時、49回刻むのだそうです。
結構細かくなるでしょ。
で、実は、この時、歌を歌わなくてはいけない。
その歌詞は、
「唐土の鳥が、日本の国へ、渡らぬ先に、ななくさなずな、手に摘み入れて、バタクサバタクサ」
という歌です。
一説には、すでにその頃、鳥インフルエンザの原因菌を持った渡り鳥がいて、
その被害が出ないように、という意味がある、とかの説がありますが、これは疑わしい。
ま、ともかく、私はこの歌を、一度だけ聞いたことがあります。
素朴な節でした。


このようにして、刻んだ七草を粥に混ぜて食べたようです。

ま、七面倒だ、となればそれなりの省略をするのでしょうが、
あえて、そんな作り方に挑戦するのも悪くないでしょ。

| 水嶋かずあき | グルメ | 07:18 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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