水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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阪神淡路から24年

阪神淡路大震災から24年。
ネットでも、この時の回顧的な記事が数多く見受けられます。
その中でも、私が心打たれた記事を紹介します。


「24年前、災害現場で患者を「選別」する医師の苦悩…日本で最初のトリアージの映像が残す教訓」
というタイトルで紹介されていました。
淡路島の公立病院で仕事をしていた水谷医師の回顧とともに、
災害医療の現場の様子が生々しく伝えられています。
水谷医師は、現在、災害医療の在り方を多くの人に訴える活動をしています。

この動画から、災害医療の難しさと、目の前で救い切れない命があることを、

医師として、信念、使命と真っ向から対峙した記録が展開されます。


大規模な災害が発生すると、地域全体がやられてしまうわけにもかかわらず、
市役所とか、消防とか、病院は無傷のような気がして、
平常時に近い機能で動いている、と勘違いするんですね。
市役所だって、病院だって、同じ被害者で、
従来と同等の機能を持ち続けているわけじゃない、という認識がされないんです。

 

で、当然なんですが、負傷を負うと、我も我もと病院にやってくる。
かすり傷でさえ、手当てを求める。
ですから、まさに同時多発なんで、病院の機能を超える患者にあふれるわけです。
まず、このことが病院の能力を低下させるんですね。
ま、できれば、少しぐらいのことは、自宅で治療すべきでしょうね。
そのぐらいの医薬品の備えと、日頃からの治療知識は持っているべきなんです。

 

東日本大震災の時、福島のある町の病院の方が、のちに回顧的に話をしていたのですが、
間違いなく救える人を、混乱の中ですくえ切れなかった、と。
で、そういう経験から、福島県内で、統計を取ったら、140名余りの方が挙げられたそうです。
一つは医薬品が不足した、つまり一挙に特定の医薬品が必要になり、
いわば在庫切れ状態になってしまったのだそうです。
手不足も挙げられていました。
当然ですが、平常時に必要な人員しか配置されていないわけですから、
どうしても手不足になる。
治療の順番が回ってこなかった、そのためみすみす命を落とした、と言う例が多かったようです。
担当したの医師は、目の前で、不十分な対応しかできなかったために救えなかった命を、
慙愧に堪えないという感じで語っていました。

 

で、阪神淡路が1995年。
先ほどの水谷医師の経験で、トリアージの重要性は認識を高まってきていましたが、
2011年、阪神から16年経ても、相変わらず、救える命を救うことができなかったわけです。
ちなみに、トリアージとは、ある規模の災害が発生し、
医療機関に、傷害を負った人が押し寄せてきた場合、
心肺停止状態を黒、
重症度が高く緊急に手当てを必要とする傷害者を赤、
またそれに準ずるレベルの人を黄、
軽傷者を緑に識別するカードを付けて、効率的な治療をしようとするシステムです。
基本的に黒と緑は治療の対象になりません。

 

市民病院の災害時対策の担当医の方に聞いた話ですが、
この識別は、かなり厳しく行われ、
例えば骨折で、骨が突き出ていようと、歩いて家に帰れるなら、緑に判定されるそうです。
もちろん、赤も黄色もいなければ治療してもらえるのだと思いますが、
先ず治療しなくてはいけない人がいれば、そちらが優先されるというわけですね。

 

で、阪神淡路から16年も経過したのに、福島の病院の実態は、さしたる進歩がなかったという事でしょ。

これは、実は、我々市民にも問題があるのです。
例えば現在想定されている平塚での地震はいくつかありますが、

その最大のものは、大正型関東地震の再来です。
ま、発生確率は低いのですが、もし発生したら、と言う被害想定があります。
死者1220人、重症600人、中等症3960人、軽傷4210人とあります。
で、死者であっても、いったんは病院に担ぎ込まれるとします。
まあ、病院も多いので、あちらこちらに分散されるとは思いますが、

合計だけで言えば、9990人、ざっと一万人です。
つまり、一瞬で、1万人が病院を目指すわけです。
これは混乱が起きない方が不思議でしょ。
せめて、軽傷者は、自宅とか、まちの薬やさんとかで、仮の治療をすれば、
病院に向かう人はほぼ半数になるわけです。
これだけでも相当異なった医療が可能になるはずです。
つまり、16年後でも医療の現場は混乱したわけで、
それは、医療側としての対応はある程度、阪神淡路から学んだとしても、
いざ、怪我をした私たち市民が、ほとんどそのことを知らなかった、と言うところに問題があるんですね。

 

たとえば、トリアージというシステムは、防災をちょこっとでも関心を持っている人なら、
知っている事ですが、普通には、なにそれ、となるでしょうね。

まだまだ防災活動としてすべきことは多いような気がします。

 

今年のひらつな祭は、3月10日、日曜日。
今鋭意準備中です。
災害時に、より少ない被害になるよう、死者を一人でも少なくできるよう、
活動を展開します。

 

 

| 水嶋かずあき | 環境 | 11:04 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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