水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
<< 沖縄県民投票について | main | 絶滅危惧種 >>
お客様は神様か

どうも、大もとは三波晴夫さんじゃなかったのか、と思うのですが、
あの「お客様は神様です」って言葉です。
で、これは、接客側、つまり飲食店だったり、商店だったり、
お客様がお金を払う、このお金をいただくという金銭的なやり取りに大小関係の不等式があって、
この不等式で優位な立場にいるのが神様という言葉でしょ。
つまり、商店の親父さんとか、店員さんの概念であって、
客側が、おれたちは神様だろ、という言葉ではないですよね。
ところが、言っちゃあなんですが、そのへんの立場を理解できない、いわば常識のずれた人って結構いて、
金を払う側になったとたん、人格が崩壊するらしくって、
まあ、わけのわからない難癖を付けたりするんですね。
もしかすると、会社とかの空気が、何らかのストレスをため込むような職場だったり、
上司からの嫌味を年中言われていて、それが限界に来ていて、イライラしていたりするのか、
その反動のように、ちょっとしたことで、お店に文句を言う。


これを最近の言葉で、カスハラと言うのだそうです。
正確には、カスタマーハラスメントで、その略語でカスハラです。
一字違いで、カステラですね。
ま、ともかく、何かというとハラスメントですね。
セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、など、やたらハラスメントと言う概念で、
きつめの対応が非難されています。
まあ、それだけ世の中が穏やかさを求め始めていて、
そこの空気を理解できない人が、うっかりした言動を取った時に、
ハラスメント状態が発生するわけです。


ま、私達のような高齢者には、
このあいだまで何てことなかった事だったような気がするんですけどね。
時代の流れと言えば時代の流れですね。

いじめもハラスメントでしょ。
腕白仲間のハラスメントです。
今時の表現なら、ワンハラです。
しかし、どんな時代でもいじめはあるんですね。
どうもこれは人間の社会的動物としてあり方の一部じゃなか、と思うんです。


集団で生存してゆくわけですよね。
すると、そこにある種の順位付けが行われるので、
この時、集団内で優位に立とうとすることは、生物的には、本能的行為なんですね。
まあ、ある種当然の現象なんです。
猿の集団だって、ライオンの集団だって、

およそ集団で暮らしている動物たちは原則として群れ内の順位を維持しています。
これを壊そうとすると、相当の激しい権力争いが生じ、時に負けた方は致命傷を負いかねない。
ですから、厳然とした序列作りが行われ、この順位を守ることが社会性であり、
群れでの生存を許されることなんですね。
ですから、そこに、いわゆるハラスメントは当然のシステムとして存在しているわけです。

 

しかし、私達は人間ですから、それなりの理性と誇りと使命感を持つ。
で、もう少し和らいだ人間観関係を作るべきでしょ、と、
ハラスメントと言う非知性的、非理性的行為を非難するようになったわけです。
いやいや、これだって、いいとこ、ここ10年、20年の話でしょ。
この間まで、まちかどでつまらない言い合いから、けんか騒ぎになって、
殴り倒した方は勝者で、殴られて倒された方は敗者でしたからね。
で、それで終わり。
でも今じゃあ、殴った方が法的に罰せられるわけでしょ。

 

まだ学生の頃、東京のさるところで公衆電話ボックスで電話をかけていたら、
長電話過ぎるといちゃもんをつけられ、地元のチンピラに殴られたことがありました。
油断していたこともあって、まともにパンチを食らってしまったんです。
殴られたところは腫れあがって、奇妙な人相になっていたので、
家で母に見つかり、母は、事情を聴くとかなり憤慨していました。
今だったら、警察に届け出て、そのチンピラは暴行罪かなんかでしょっ引かれていたんでしょうね。
でも、その頃は、ただの不運で終わりなんですね。

 

時代は変わりました。
よくコンビニなんかで、店員にいちゃもんをつけ、殴ることはないまでも、
暴言を発し、時に土下座を強要させるなどした事案がしばしば発生していましたが、
これらにも司直の関与が始まり、北九州市のコンビニで、30代の男性が女性店員(18)に土下座を強要し、
後に、強要と威力業務妨害の疑いで逮捕されてるということになったそうです。
逮捕ですよ。
まあそこまでの空気になってきたか、と思うんですね。


このカスハラの実態を調査したそうです。
ある機関が、約5万人にアンケート調査したところ、およそ3万5000人(70.1%)の労働者が
客から迷惑行為を受けたことがあると答えた。
そのうち、4.2%は土下座を強要されたこともある。
で、この迷惑行為を受けた店員のうち、約半数が「謝りつづけた」のだそうです。
とは言え、なかなか事件化は難しいそうです。


『お客様は神様』が前提になっていて、店側もあまり表面化できず、見過ごされ、
上司に相談しても、取り合ってくれない事が多いようです。

特に、パートやアルバイトなど、非正規労働者の場合は、特に毅然とした対応が取りづらい立場なんですね。
場合によっては対応の教育不足になってしまうこともあって、
トラブルの現場を収めようと、店長とか上司が登場すると、
おまえのところはどんな教育をしているんだ、と、逆切れするようなことが多いのだそうです。
これはお店側が、カスハラに対する基本的な方針を示すべきなんです。
これが示されないと、なんでもかんでもお客様は神様で終わり、
相手の理不尽な言い分でも受け入れてしまうんですね。

 

以前ラスカの地下でお店を出しているときに、こんなクレームを受けたことがありました。
ある中年のご婦人が、天ぷらと牛蒡のきんぴらを買い、家で食べたら油のアトピーになったというんですね。
それで、翌日店頭にやってきて文句を言うんです。
お客様は神様ですから、店番していた店員は、示されたレシートの金額を払い戻してそうです。
で、その時、そのご夫人は、皮膚科の医者に掛かった治療費を支払ってもらいたいので明日又来る、と言ったんですね。
このことの報告が私にありました。
で、そのご夫人は、「たまにだけど油のアトピーが出るので、

皮膚科に掛かったのはうそじゃない」と自分の状態の正当性を主張したらしいのです。
まずここがヘンでしょ。

油アトピーがあるのに、天ぷらときんぴらを買ったんです。
私はたまたまその日所要があって店頭に行けないので、そのお客様に手紙を書きました。
もちろん、ご迷惑をおかけしました、ということから始まったのですが、
今回のことは、食中毒でもないし、異物が入っていたわけでもない。
お客様の意志で選択された商品なわけですし、お客様自身は油アトピーが出る事は認識したいました。
ですから、私達には責任はありません。

金物屋で包丁を買って、これで手を切ったと言ってクレームを付けるようなものです。
したがって、治療費をお支払いする責務はないと考えます、と。
ピシャっとクレームを受け付けなかったんです。
これ以来、このご婦人はクレームを言ってこなくなりました。

 

このカスハラの問題は、店側がとるべき姿勢の在り方を考えるべき、と思います。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 11:14 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









http://blog.mizushima-kazuaki.com/trackback/2913
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2019 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE