水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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皆にボーナスを!

さまざまな労働者を保護する法律が、その基準をアップさせると、
中小零細企業は、経営基盤が脆弱ですから、敏感に影響し、

時に経営不振につながってしまうこともあります。

 

私達のような、零細の外食産業、つまり、飲み屋や食いもの屋等は、
正に、とうさん・かあさん店で、夫婦で切り盛りするのが精いっぱいが現状です。
厳しい経営環境になってしまったのは、能力不足、努力不足もあるかもしれませんが、
次々と改訂される労働条件の基準がランクを上に設定されてきたからです。
例えば、労働時間も、徐々に厳しくなってゆき、
週40時間になりました。


むかし話で恐縮ですが、
私が昭和42年に、我が店に入った時は、
朝10時から夜9時までが終業時間で、週休は一日。
つまり、一週間が66時間が原則だったのです。
勿論、様々な方法で改善を進めましたが、
でも、そのころの飲食店なんて、まあ、大体そんなものでした。
ですから、週休2日、週40時間なんて現在の状況の変化に、
いくら徐々にとは言え、ついてゆくのは、実に大変なことで、
結局、正規社員はいなくなり、パートアルバイトに頼らざるを得ず、
最後の最後は、親父とかみさんで頑張る、と言うじり貧状態になってゆくんですね。

 

勿論、労働時間以外にも、
構造的に、最低賃金が、基盤を揺さぶってきた要因でもあります。
でもまあ、世間相場がそうなら仕方ないでしょ、と、

社会のルールの一つとして受け入れざるを得なかったわけです。
でも、そのたびに、実質的な実入りは少なくなってゆく。
そんな親の姿を見ているせがれが、跡を継ごうなんて思わない。
こうして、自営業者は、社会の大きな波に、押しつぶされてゆくんですね。
なすすべもなくです。

 

このまちで、かつて寿司屋さんは130軒を超えていました。
なんだかんだとお寿司は人気があって、ちょっとしたお祝い事の席には、
大きなすし桶に入った寿司の盛合せを、配達してもらい、食卓に並べたものです。
タチ、と言いますが、寿司屋さんのカウンターなどで、あれこれケースのネタを指さし、
寿司を握ってもらうのも、まあそこそこ商売になっていましたが、
なんだかんだと、こういう配達系の寿司で、命脈を繋いでいたんです。
ところが、回転すしの登場で、一気に情勢は変わります。
スシローとか、クラなんとかとか、河童何とかと言うチェーン店が、
テレビのコマーシャルとともに地方に進出。
これで一挙に、まちの寿司屋は苦境に立たされます。
で、いろんな理由がありますが、次々と閉店。
かつて130あった寿司屋さんも、今は、30を切ってしまいました。

資本力ないものは、経営基盤が脆弱ですから、労働環境の変化についてゆけなくなり、

負け組の悲哀を味わうことになるのです。
こういう外敵もさることながら、
労働時間や、最低賃金など、いわゆる経営環境が厳しくなってきたことも、大きな要因なんですね。

 

話は変わりますが
大学の研究室で非正規雇用で働いていた女性が、
仕事の内容が同じ正規職員と賃金格差があるのは不当だと訴えた裁判で、
大阪高等裁判所はボーナスの支給を認める判決を言い渡したそうです。
まあ、冷静に考えれば、ボーナスとは、
さまざまな経営環境が変化する中で、この期間、何とか利益を上げられた、と言う成果の分配なわけです。
つまり、原則約束されたものではないはずです。
まあ、そこも幾分か解釈が異なっていることもありますが、原則はそうです。
企業の業績と言うのは、実に様々な要素で、良くなったり悪化したり、激しく上下します。
あんな立派な会社が、赤字決算になってしまったとか、
倒産寸前の企業が、V字回復をしたとか、
内外のさまざまな要素が、猫の目のごとく企業の業績に反映します。
ですから、安定してある一定の利益を上げ続けるというのは、これは並大抵のことではないんです。
そこで、収益が上がった時に、褒賞的意味合いを込めて、賞与が支給されるんですね。
多かったり少なかったりはそれは業績次第ですが、
企業側からすれば、ここの調整部分で、企業運営の安定を図っているんですね。
したがって、本来的に言えば、業績が悪ければゼロでも文句言えないはずです。
ところが、全体として、そこそこの収益を上げたのならその収益を上げることに寄与したものには、
等分に分配されるべき、と言うのは、あまりにも当然の理屈でしょ。
今回の大阪高裁はそこを明確の指摘してきたわけです。
ま、そもそも本来の在り方に近づいてきた、と、私は評価します。

 

ただ、これで、それこそ、パートアルバイトまで含めて、
業績に寄与した、と言う要因で利益に分配が始まると、
こういうのって、次の段階で、既得権的な気持ちが固定化するので、
ある意味、ボーナスもらうのが、権利という風潮が生まれてくると思うんですね。
そうなると、またまた、零細企業に厳しい風が吹くんじゃないか、という気がします。

ま、そういうことすら要求の対象にしない、と、零細企業に職を求める事があるかもしれませんが。

 

それにしても、ずうっと妙なことだと思ってきたのですが、
どうして公務員にボーナスが出るんでしょうね。
どうせなら、月の給与にボーナスを足した年収を平らにして、月収を上げればいいんじゃないか、と。
だって、役所で、今年は利益が出ましたので、それを分配します、という考えはおかしいでしょ。
金額ではなく、制度としておかしいんじゃないか、という気がします。
ま、だからといって、何かが大きく変わるとは思いませんが。


ただ、ボーナスとはそういうものだ、ということはいくらか浸透するんじゃないでしょうか。

 

ついでに愚痴ですが、年金てボーナスなんかないですよね。

| 水嶋かずあき | - | 09:42 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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