水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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怪我するやつが悪い

3月10日にひらつな祭を開催し、まあまあの方々が来場し、
それなりの成果があったとは思っています。
ま、しかし、まだまだ伝えたいことは山ほどあるんです。

そこで、改めて、その一部を書いてみます。

 

それは、災害による負傷と言う問題です。
確かにだれだって好き好んで怪我する人はいないと思いますし、
そのちょっと先が「死」だとしたら、死も怪我も似たり寄ったりのことで、
避けるべきでしょ。


阪神淡路のデータです。
直接死(地震そのもので亡くなった方)が5500人ぐらい。
よく、6343人とか犠牲者の数が公表されていますが、
この数は、直接死プラス関連死の合計なんです。
で、そのうち、440人ほどが家具の下敷きになって亡くなりました。
そして、負傷者総数は約34000人。
うち、家具、または家具のガラスの破損で怪我した人は、およそ8割。
27000人を超えます。
つまり、家具が固定されていたら、
おそらく、440人の死者と、27000人の負傷者の数は激減していたに違いないのです。

 

ちなみに、平塚を襲うであろう地震の予測なんですが、
大正型関東地震、もしくは相模トラフ地震などの地震が発生すると、
平塚は直撃されます。
この関東型の場合で、死者1220人、重傷600人、中等傷4000人、軽傷4200人、
と予測されています。
つまり、阪神淡路のデータを下敷きに計算すれば、
家具を固定しておけば、150人の無駄な死を防げますし、
怪我をする人だって、7000人の負傷を防げるわけです。
実は、多くの人が勘違いするんですが、
病院も地震の被害を受けるんです。
阪神淡路の場合、何の損傷もなく病院としての機能を駆使出来たところは、
全病院、クリニックのほぼ半分。
何らかの支障をきたして、十分な対応ができなかったところが半分と言うことです。
ま、なんて言ったて、突然と34000人のけが人が押し寄せてきたら、
普通に対応できるわけがないでしょ。
包帯や薬品など、衣料品が不足する。
押し寄せる患者の対応に人手がとられ、治療にあたるスタッフの数にしわ寄せがくる。
まあ、どう考えたって、まともな状態ではないでしょ。

そこで、どうしても救える人が救えなくなりがちになる。
あたら、目の前で、運び込まれた人が命を落としてゆく。


東日本大震災の時、このような状態になり、
後に福島県内の病院が、状態が状態なら救うことができたはずの命をカウントしたのだそうです。
何故か、原発の被曝地域は外したんだそうですが、きっとここはもっとひどかったんでしょうね。
ま、それはともかく、その調査では154人の人が不十分な治療体制によって、命を落としたそうです。
なんということでしょうね。

津波にのみ込まれたわけでもない。
時が時なら命は救えたはずだったんです。
ですから、病院としては、最善を尽くすのだと思いますが、
やたらと押し寄せる負傷者で混乱が生じるのは、半分やむを得ないところ、と考えがちです。
しかし、これは何とかなる、いやする、ということで、改めこんなことを心がけたらどうしょうか。
繰り返しますが、家具を固定することです。


十分な効果があれば、
平塚の場合でも、負傷者は8800人から、1760人まで減らすことができるんです。
これって、画期的な効果が出てくると思いませんか。
88人の治療をするところ、18人の治療でいいんですから、
ずっと機能喪失をする可能性は低くなったでしょ。


怪我をしないということは、自分も痛い思いをしなくて済むのですが、
それ以上に、救える命を救う事ができるというわけです。

 

そして、もう一つ、軽傷程度では、自分で何とかする、と言うのも重要です。
最低限の治療方法をマスターすること、さらに、一時的な事なんですから、
薬局なんかも、軽傷者の初期的手当てを出来るようにすべきでしょうね。

 

ま、基本は、押し寄せてくる負傷者の対応として、トリアージと言う方法をとります。
これは、初期段階で、傷病者の程度をチェックし、治療の優先順位を判断します。
腕に巻きつける色別の用紙があって、黒、赤、黄色、緑の4色に分かれています。
黒は、心肺停止状態、ま、お亡くなりになってしまった、と判断されたものです。
赤は、緊急に最優先で治療する、と言う段階です。
黄色は、赤の人の治療が終わったら、次に取り掛かるレベルの人です。
青は、とりあえず帰されます。
このように判断して合理的に、混乱を少なくしようというシステムなんです。

ところが、中には、判断がずれて、青を付けられ、放っておかれて、
数日が亡くなってしまった、というケースもあるにはあるんですね。

 

東日本大震災で亡くなった被災者の遺族が病院を提訴した、というニュースが流れました。
このトリアージに特別な免責規定が無かったのですが、
現実としてこういう事態が発生すると、法的整備を検討する必要がある、

といった、災害医療の関係者の声も出てきました。

 

この裁判は、東日本大震災で被災した石巻の女性(当時95歳)の遺族から提訴されました。
病院正面玄関で行われたトリアージの際、女性は治療不要の「緑」と判定され、
院内の待機エリアで待つ間に脱水症で死亡した、と言うのです。
必要なケアを受けられないまま搬送3日後に死亡したのは病院に責任があるというのが主張のようです。

 

難しい問題ですね。
95歳と言う高齢、しかも持病をいくつか持っていたということで、
平常時であっても、延命は難しい状態でしょ。
このトリアージに責任があったのか、ということは、判断しがたい所でしょ。
ご遺族の気持ちは分かりますが、前代未聞の大惨事のさなかのことなんですから、
完全な治療機能を要求されても、なかなかそうはいかないですもんね。
こういう提訴で、システムがしっかりするのはそれなりに意義あることですが、
現場の自主判断の責任を強く問われると、さらに混乱が増すのではないか、と心配しますね。

基本的には、負傷すること事体を災害のせいにするのではなく、

災害は起きることが前提なんですから、負傷しないことを自己責任として目指すべきでしょ。
つまり、怪我をするのは自分が悪いということ考えを持つべきなんですね。
怪我をしないための最大限の事前努力をすることで、
生かせる命がある、と言う事を自覚すべきです。

| 水嶋かずあき | 環境 | 10:27 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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