水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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要は、飼い主がおこした問題なんですね

30年ほど前のことです。
私の家の庭の片隅に、大工道具や資材などを入れてあるスチールのロッカーがありました。
いわゆる物置です。
で、そこの扉が、ちゃんと閉めてなかったんですね。
その10センチほどの隙間から、野良猫が侵入し、子猫を産み落としたのです。
そうとは知らず、遠くから物置を見て、おや、扉がちゃんとしまってないな、と気づき、
扉を閉めようとしたら、親猫が飛び出してきたんですね。
いや、驚いたのなんの、って。
で、中を除くと隅の方に、5匹の生まれたての子猫が、ミューミュー鳴いているんです。
さて、どうしようかと、とりあえず空いていた段ボールの箱に子猫を詰めて、
紅谷町の店に持って行ったのです。
選択肢は、二つ。
なんとか誰かに引き取ってもらおうか、と。
でも、どこの誰に声を掛ければ、5匹者子猫を引き取ってもらえるのか、と。
思案のしどころでしょ。
で、もう一つは、殺処分です。
とは言え、心痛むことだし、どのようにするのか、これまた思案のしどころでした。
ふと思い出したのが、テレビか何かで目にしたアメリカのさる家庭でのこと。
その家での飼い猫が子を産み、同じく、その処分に困ったその家の主婦が、
台所のオーブンにくべて、殺処分したんですね。
彼女は、生きていて不幸になるなら、今のうちに天国に送ることの方がずっと人間的でしょ、
とか言っていたんです。
で、それを見ていたので、そういう考えもありなのか、と。
このことをちらっと思い出したんですね。
しかし具体的に自分で手を下すのにはためらいがあったんです。
もっとも、30年前はともかく、このご時世の中でそんなことしたら、

動物虐待で、ニュースになっていたでしょうね。
ともかく、二日ほど迷っていたんですが、放っておけば猫の健康も危うくなる。
そこで、段ボールごごと店の前の路上において、お好きな方は、飼ってあげてください、
とか書いた紙を添えておいたんですね。


すると、数十分もいしないうちに、人がたかり始め、一匹、二匹と持ち去ってゆくんです。
中には、携帯で、多分友達だと思うんですが、子猫がいるけどどうする?みたいな電話をかけているんです。
結局、三時間ほどで、すべて引き取られてゆきました。
案ずるより易し、でした。

 

先日、カオリ小麦の芽が伸びてきたので、麦踏をする、と言われて、土屋の畑に出かけて行ったんです。
場所は、県の動物保護センターの横の麦畑だったんですが、
その畑の真横に、建築中の建物があったんです。
地元に人に聞いたら、動物保護センターだというんです。

 

以前、SCNテレビのボランティア組織、SCNクラブで、犬や猫のについての取材をしたことがありました。
この時、このセンターに来て、いろいろな話をお伺いしたのですが、
当時は、まだまだ飼い主を探す、という活動も具体的になく、
そこに収容された犬や猫は、飼い主が、探しに来てくれない限り、ほぼ殺処分されていたのです。

 

中を視察していると、犬などは、吠えながら、何やら訴えているんですね。
気のせいか、自分の今後を察し、何とかしてくれ、とでも言っているようでした。

 

で、その時の担当者の話です。

−−ここの犬猫は、結局どうなるんですか?
まず、飼い主が探しに来ればお返しします。
そうでない場合は、基本的には殺処分します。
−−と言うことは、大体が殺されてしまうわけですか?
いえ、中には、動物実験用に引き取られてゆくものもいるんです。
−−どこが引き取るんですか?
主に、化粧品会社や製薬会社です。
−−それって、有償なんですか?
猫も犬も、一匹525円です。
−−525円?ってどういう値付けなんですか?
1匹は500円で、それに消費税が付きます。

 

私は、生きた動物が実験のために売り買いされているということともさることながら、
このような命の売買にも消費税がかかる、という、(当時は5%でしたから)
鬼のような税制も含めて、ひどい実態である、と思ったんですね。

 

まあ、しかし、時代は流れて、今回新築した動物保護センターでは、当時とその様相ががらりと変わったのです。
神奈川県では、2018年度に保護した犬猫の殺処分数がゼロだったと発表したんですね。
犬は6年間、猫は5年間の殺処分ゼロを続けています。
その大きな要因は、保護された動物を引き取って新たな飼い主を探す登録ボランティアの活動によるものなんです。
これは、相当のエネルギーが無いと、達成できないことです。
もちろん、このもととなったのは、飼い主が、粗雑な扱いをするからなんですね。

最近、犬猫を飼う子とが、ブームのようになっていますが、
いわゆる初心者は、当初の感情的な心の動きで、ついつい飼ってしまう。
で、初めはちやほやするんですが、下の世話や、餌や、病気でも高額な治療費など、
だんだん負担面が、重くのしかかって生きて、最後は放りだしてしまうんですね。

 

平塚土屋の動物保護センターに保護された犬は、320匹、猫が543匹。
飼い主に戻された犬は、131匹、猫は1匹。
つまり残りはボランティアが面倒を見ているということです。
これって、どこかで限界が来ると思いませんか。
猫542匹の引き取り手が必要なんです。
毎年これに近い数字が出てきたら、やはり、破たんしそうですよね。

 

法的にも、飼い主の責任を問うことが強化されつつあります。
例えば、飼い主が不妊去勢手術を怠るなどして膨れ上がった犬猫を飼育できなくなる

「多頭飼育崩壊」の問題も最近増えてきていて、
県は条例を改正し、

今年10月から10匹以上飼育する場合に飼い主に届け出を義務づけると言うことになったそうです。

 

土屋のこの新しい建物は、そういうことの行政を速やかに行い、
殺う処分ゼロのための、動物保護をする新施設のようです。

当たり前のことではあるんですが、
「飼い主には家族の一員となった犬や猫を最後まで育ててほしい」と県では呼びかけています。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 12:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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