水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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大規模修繕の進め方

マンションの大規模修繕について、一言、いや二言三言。


先日、テレビでマンションの大規模修繕について特集を組んで放送していました。
ま、確かにいくつかの問題があり、放送内容を全否定することではないのですが、
体制をしっかり作り、組織がきちんと機能すれば、問題は原則的に発生することはありません。

 

我がマンションは、本年2月をもって、大規模修繕が終了しましたので、
その経験を踏まえて、あるべき対応方法を述べてみます。

 

まず、組織作りですが、どちらかと言うと、マンション運営に関心の高い人を集めるべきです。
そして、専門的な経験がある人などに参加してもらい、ど素人集団にしないことです。
住民の中には、そういう人がいるはずなんですね。

で、番組によると、ほぼ3分の1のマンションが、積立金不足とのこと。
これは、二つの原因があります。
一つは、大規模修繕費の総額をより正確に見通していない事が問題なわけです。

大規模修繕時の費用を管理会社とともに、住民も参加して算出することです。
いかにも専門的な内容になりそうなので、素人が口出しできるか、という不安もあるでしょうが、
逆に、素人が理解できない工事をすることが既に問題なんですね。
より精度の高い見通しをして、見積もりをしっかりと立てて、
それに応じた分担金を、平素から収めてもらうことです。


中には、その費用を納めない人が出ることがある、とか言いますが、
これこそマンションの平常時の運営がまずいからでしょ。
平素から、コミュニケーションをしっかりと取ってゆけば、そういうことは激減するはずです。
我がマンションでは、コミュニケーションの基本として、挨拶から始めていますが、
ほぼこれに関しては完ぺきに近い状態です。
友人が訪ねてきた時、ここの住民はみなきちんと挨拶をしますね、
と褒めてくれました。


さて、次の原因ですが、工事規模が、不用な規模になっていないか、ということです。
さほど緊急性重要性がないにもかかわらず、大規模修繕と言う言葉に踊らされて、
今やらなくてもいい工事を実施しようとすれば、当然余分な費用を払わなくてはなりません。
そのために第一は、
時間をじっくりとかけて、ささやかな疑問も残さないような議論が必要です。
で、その際なんですが、基本になるのは、大規模修繕時にどの部分の工事をするかです。
大規模修繕と言うと、外壁に足場を組んで、工事を進めますが、
基本足場を必要とする工事に限定すべきです。
ついつい、ついでにここもあそこも、と手を付けようとしがちなんですが、
これは、足場が無くてもできる工事の場合、工事インターバルを縮めてしまうことになります。

 

工事インターバルについては、その必要性の客観的なデータによる判断が必要です。

そのうえで、不急と思われる工事は先延ばしすべきです。
単純に10年インターバルと15年インターバルの比較をしてみます。
例えば、5000万円のある工事を10年目で実施したとします。
この場合、一年間に積み立てるべき金額は500万円です。
で、15年の場合、年間333万円となります。
単純に、167万円負担が軽くなるでしょ。
こう考えて、足場が無くてはできない工事に限るべきなんです。
基本的には、ある年数が来て、どうしてもやらなくてはならない修繕については
足場が無くてもできるものはその中間に計画し、中規模修繕、という考え方で、実施し、
インターバルを伸ばすことが、修繕費を低減させる方法の一つです。

 

さて、さらにこの基本たる考えなんですが、
専門家が登場し、建物の資産価値を維持するために、10年とか、12年のインターバルで
大規模修繕をする必要があります、と必ず言います。
しかし、よく考えてください。
修繕と言うのはどこか弱くなったり、不都合が発生したり、
壊れたりしたところを直す行為ですよね。
元気で健康体の人が、医者に行って、直して下さい、とは言わないでしょ。
修繕の意味はそういうことですから、

どこがどういう風に問題が発生しそうなのか、またはしたのか、が基準になるはずです。
にもかかわらず、一律10年とか12年とかいう事をうのみにしてはいけません。
なんとなく世間ではそういいますが、何が根拠か疑うべきです。

具体的なデータ−とかを取って、真に必要なのか、のチェックこそまず第一に行うべきことです。

 

私は、自分が住むマンションの大規模修繕の責任者として、これに関わりましたが、
このような考えを貫きました。
当然ですが、何か法的な根拠があって、大規模修繕をしなくてはいけないのか、と思ったんですね。
例えば自動車の定期点検のように、決まりごとのもとに点検整備をするようにです。
ガイドライン的な数字はありますが、なんの強制力もないんですね。
露骨な邪推をすれば、業界が仕事を発生させるために、

12年説みたいなものを言ってるんじゃないか、と思うくらいです。
そもそもが、工事業者の技量によって、建物の基礎的、構造的耐性が作り出されます。
例えばですよ、我がマンションの場合ですが、
外壁のタイルの補修に関しては、打診と言って、タイルの表面を金属棒で打診し、
その音によって、壁にしっかりついているのか、はがれつつあって補修が必要なのか、
と言う診断をするのですが、場所によって、補修パーセントが変わるんです。
北向きとか南向きとか壁の向きなど関係なしに、このパーセントは変化します。
これは、はっきり言って、タイルを貼ったタイル職人の腕なんでしょうね。
旨いやつが工事したところは補修率が低い。
へぼがやったところは、高い。
つまり、同じ建物でもばらつくんです。
と言うことはあるマンションと他のマンションを比較すれば、
技術の高い工事人が行ったところと、低い所では差がでますでしょ。
また、海岸に近い所と、離れたところでは塩害の程度が変わります。
こう言った地域性とかも含め、画一的に12年インターバルは、
基本的に間違いではないかと思うんですね。

 

それと工事については、複数の工事会社の見積もりを取るべきです。
特に、平素の管理会社とはなるべく縁の遠い会社を選択すべきです。
これは、そういう内内でのキックバックなどないとは思いますが、
李下に冠を正さずのように、工事費の運用に関して、疑惑が生じないような手順を踏むべきなんです。
我がマンションでは、当初10社の工事希望会社をリストアップし、
3次に渡るチェックを行い、採集は、住民参加による公開プレゼンテーションにより、工事会社を選定しました。

 

すべてのプロセスに透明性を持たせることが必要です。

 

| 水嶋かずあき | あれこれ | 06:57 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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