水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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魚食大国日本

海洋国日本。
四面を海に囲まれ、その海からの幸として魚食文化が発達してきました。
豊かな海からの恵みが、日本の食文化を支えてきたのです。
その日本の魚食に関する気になるデータがあります。
それは生産量と輸入量の比率が逆転したのです。
日本の漁業が直接確保した海産物の量に、海外からの輸入の量が上回ったのです。


2017年の日本の水産物産出額は1兆5755億円で、輸入額は1兆7751億円。
別段、だからなんだの世界ですが、
日本の魚食は鮮度が優れているからこそ、広く食べられてきたわけでしょ。

 

以前ロンドンのデパートで、食料品売り場をしげじげと見てきたことがありました。
まあどうでもいいことですが、日本だったら、大体、地下一階あたりにあるでしょ。
で、ロンドンのデパートは、なぜか、3階とか、4階あたりにあるんですね。
概念として地下だと思い込んでいたので、、上の階に上がるという感覚がとても不思議だったんです。
で、改めて、なぜ日本は地下にあるんでしょうね。
その理由がよく分かりませんでした。

 

ま、ともかくです、その時に並べてある魚を見ていて、
どう考えても、並んでいる肴で刺身は作れないだろう、と感じたんです。
ま、ご臨終を迎えて、何日か経っていて、見た目だけでも鱗の雰囲気が粘ついているんですね。
一番が魚の目です。
どんよりしちゃっている。
まあ、フィッシュアンドチップスのように、フライにして食べるなら、問題ないんでしょうが、
少なくとも、魚の鮮度への許容度に関しては、日本とは相当の差があると感じたんです。
なんたって、日本は魚の国だから、と、妙な誇りを感じたくらいです。

 

その日本が、魚を輸入するようになり、なおかつその量が生産量を上回ったというんですから、
これはちょっと問題でしょう。
なぜなら、いくら冷凍の技術が進化したとはいえ、
やはり、港で水揚げされたぴちぴちの魚にはかなわないでしょ。
アジフライはおいしい食べ物ですが、
鯵の鮮度がよければ、たたきとか鯵の刺身とかで食べたいですし、
よしんば、フライだ天ぷらだ、と言っても鮮度のあるうちの方がうまいでしょ。
鮮度が落ちたらフライと言う手がありますが、でもそれは一味違うものです。

 

この間のブログにも書きましたが、
鮮度勝負の魚はかなりあって、たとえばソーダ鰹ですが、普通は下魚として、雑に扱われます。
中には釣っている最中に、かかった魚がソーダカツオだと舌打ちをしたりして、
極端に嫌う人もいますが、
これが水揚げ3時間以内なら、この上なくうまい魚なんですね。
独特のモチモチした身の歯当たりは、他の魚では味わえないものです。
また、しらすもそうです。
あんな小さな体なんですから、極めて生命力が弱い。
ですから、水揚げしてから、生で食べるなら、いいとここれまた3時間が勝負でしょ。
同業を貶めるようですが、夕方になって、居酒屋さんなんかで、
生シラスあります、なんてポスターが貼ってあって、つまみに出すところがありますが、
本来は夕方食べるものではないです。
大体、シラス漁の帰港時間は、8時ごろ。
そこで、なんとか生シラスを手に入れたとして、朝飯に食べるか、遅くとも昼飯に食べるのがギリギリのところです。

鮮度が大事な魚は数多くいます。
それが、輸入量が上回ったというんじゃ、魚好きには、ちょっとばかり悲しいことですね。


そこで魚大国を自認していた日本が、このままじゃまずい、と、

国として漁業の在り方について見直そうということになりました。
つまり、漁業改革を進めよう、ということです。

政府の運営改革などを議論する自民党の組織「行政改革推進本部」は、
今年4月、5月と、漁業改革について緊急提言を行ったのです。
まずは、これまでの水産行政について、日本の水産業が衰退を続けているもの、
そのたいさくがまったくとられてこなかったのです。
その問題になった点は、漁業者に対して行政が一方的に制度を決めるプロセスなどが漁業者の自主性を奪っている、ということです。
まあ、これに限らず、官僚主導による政策展開では、何かと、上から目線が強く、
当事者の意向とか、自主性の涵養などが置き去りにされてきているのです。

そもそも日本にとって、海の存在は、国家の成り立ちを考察するうえで、
重要不可欠の要素のはずなのに、
その重要度の認識がまずかけているというんですね。
日本の国土は狭いのですが、海に囲まれいるメリットとして考えれば、
排他的経済水域・EEZの面積では、約447万平方キロと国土面積38万平方キロの約12倍の広さを持っているんですね。
この面積で言えば世界で6番目に大きな水域を持っているということです。
つまり海の活用、海洋資源の活用こそ、日本の生きる道なんです。


ぼおっとしていると、また中国にやられてしまいます。
かつては世界一の漁業大国を自負していた日本ですが、
今やその座は養殖を中心に世界の生産量の4割ほどを占める中国に奪われています。
この根底にある問題は、これまでの日本は『楽観的な水産資源評価』をしていたのです。
つまり、海にいる魚などの水産資源量を、どんぶり勘定”で把握してきたことが問題解決を遅らせてきた要因なんです。
そして何よりの問題は、『漁獲規制』に関してさほど重要なことと捉えていないことです。
際限なく、大自然が私達に魚を提供してくれる保証はありません。
個別にいくつかの魚種を特定して考えても、
資源の枯渇は時間の問題かもしれません。
あのうなぎだって、絶滅危惧種B兇忙慊蠅気譴討い襪任靴隋
絶滅危惧書としての、科学的知見に基づいて、資源の問題を提案されていても、
規制による保護を打ちだせないでしょ。
私は前々から主張していますが、うなぎ資源の保護の第一は、
天然ウナギを捕獲を禁ずることです。

簡単な事でしょ。
きめの細かい対応を積み上げるしかないでしょ。
なぜなら、魚危機といったって、魚種とか、水域の個性がある限り、
一律には進められないのです。

 

ともかく、おいしく魚が食べられるような、日本の民族色の資源確保を、
しっかりと法制化してもらいたいものです。

 

| 水嶋かずあき | 環境 | 16:57 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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