水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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家具転倒防止講演会

これまで、いろいろと防災活動をしてきて、
今更ながら、ふと気づいたんですが、

防災活動と言うのは、
本質的なもので整理してみれば、二種類しかない、と思ったのです。

 

例えば、世に防災活動をしている団体、ボランティア組織など、
色々と存在しますが、いわゆる災害対策的な活動をしているところは
すべて一緒くたにしているんですね。
そもそもが、防災イベントとして銘打って、毎年3月に、ひらつな祭と言う催しを開催して、
多くのグループの連携の元、この街の防災力を高めようと、活動を展開していますが、
ここでも、十把ひとからげで、大同小異と言うか、小異を捨てて大同に付くとか、
まあ、それぞれに関わりを持って、相乗効果を得よう、というわけです。

 

で、それぞれ特徴のある活動をしていて、
犬猫のペットの対応に特化したグループとか、
緊急時の救命救護を専門に対応しているグループとか、
非常食の開発をしているグループとか、
まあ、様々です。
で、どれも防災を掲げているんですね。

そこで、防災は二種類じゃないか、と言う根拠なんですが、
例えば、家具転倒防止の活動をしているグループがあります。
これは、災害による被害を最小に抑えようということですから、
防災、と言っていいでしょ。
災害を防ごうとしているわけでしょ。
しかし、大半の活動は、被災後どうする、ということです。
大手携帯電話会社が、非常時伝言のチャンネルを開設した、とします。
でもこれは、被災後のことの為でしょ。
水を用意せよ、とよく言われます。
1人1日3リットルが目安です。
でもこれも被災後どうする、と言うことでしょ。
緊急救護所の開設場所を事前に確認する、と言う事が意味を持つのは、
被災後の話でしょ。
私達が、防災リストとか言って、用意すべきものは、厳密には、
被災後のためのものの事前準備なんですね。

つまり、災害が発生した時に、その被害を最小に抑える防災活動と、
地震発生後に、的確に対応できるようにする被災後対応活動の、
二種類に分かれるということです。

 

したがって、言うまでもありませんが、本来の防災活動を第一義にしないで、
被災後対応活動をするということは、順序が違っているんですね。
例えば、水をしっかり用意した。
カンパンの缶詰もたっぷりと保管してある。
ラジオは何時でも聴けるように用意した。
懐中電灯の電池は真新しいのに取り替えた。
ズックは枕元に常備してある。
さて、でも家が倒壊して瓦礫にうずもれ、死んでしまったら、
被災後のためのさまざまな準備行為は、
なんの意味もないでしょ。

ですから防災の本質は、1人の人間にとっては、いかに死なないか、なんです。
社会にとっては、いかに死なせないか、なんですね。
そして次の段階で、いかに怪我をしないか、なんです。


さて、そのことに絞り込んで防災を考えても、決して的外れにはなりません。

阪神淡路のデータです。
まず、直接死はおよそ5500人。
死者数が6400人余りと言う数字をご覧になったことがあると思いますが、
これは関連死を含めてです。
関連死とは、その地震では死ななかったものの、その後の生活環境の変化とか、
心的な負担が過剰になったとか、要は、あの地震が無かったら生きていたに違いない、
と思われるにもかかわらず命を落とした人たちのことです。
直接死の90%が家屋の倒壊、家具の転倒によるものです。


この間の山形新潟の地震は、マグニチュード6.8で、死者ゼロ。
中国四川省の地震は、マグニチュード6.0で、死者12人。
どう考えても、地震エネルギーは山形新潟の方が25倍ほど大きい。
にもかかわらず、中国の被害が大きかったのは、
家の構造の問題なんです。
山形、新潟とも、雪の多い所。
柱は太く、屋根は軽く作られています。
耐震建築の考えも普及しています。
これが死者ゼロの要因です。
つまり、防災とはこう言う事なんですね。

 

で、阪神淡路のデータの話に戻ります。
5500人の死者の9割が圧死でした。
さらに、このうちの1割の人が家具の転倒によるものです。
単純に数に置き換えれば、500人の人が家具の転倒でなくなりました。
なんともったいないことじゃないですか。
家具をしっかり固定しておけば、500人の命が救えたんです。
そして、家も耐震補強をしておけば、5千人の命が救えたんです。
この犠牲を出さないための対応こそ、防災と言うんですね。


水やカンパン、ラジオやズックを用意することは、
被災後対応と言うべきで、防災とは言わない、と言っていいでしょ。

くどいようですが、真に地震を恐れるなら、
まず壊れない家にすることです。
耐震診断から始まって、耐震設計、耐震工事と、市では補助金を用意し地ます。
ぜひ活用して下さい。


そして、すぐに、安価にできる防災活動は、家具の固定。
様々なやり方がありますが、情報を集め、的確な方法を選択してください。

 

ちなみに、22日土曜日、午前10時から、
平塚商業高校、体育館で、中里、桜ヶ丘、など4自治会主催の
家具転倒防止の講演会があります。
講師は、私水嶋です。
時間があったら、聞きに来てください。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 23:19 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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