今日の報告です。
平塚商業高校の体育館で、地元の四つの自治会、
中里や、桜ヶ丘、高麗三丁目などが集まって、防災勉強会が開かれました。
広い体育館の前の方にブルーシートが敷いてあって、
四つに仕切られたエリアに各自治会30名前後の方々がそれぞれ座っているんですね。
自治会によっては、あの固い床の上に直座り。
一方、体育館の地下から運び出したイスに座っている自治会もある。
ま、そこは、自治会ごとの判断なんでしょうね。
その意味では、奇妙な会場設営でした。
で、定刻10時開会。
各自治会の役員の紹介などあって、いよいよ講演。
まあ、ナパサのラジオなどで話してきた内容を整理したものですから、
話すこと自体は臆することなく話すことができたんですね。
自治会の中に、昔からの顔なじみの方は何人かいて、
話しの最中はそういう人とも目線を合わせるんで、
いささかリラックスして話すことができました。
テーマは、家具の固定ですから、その重要性について、くどいくらいのアピールをしたわけです。
で、もっぱらこの話の部分が、1時間。
次が家具固定木枠・コテイマンセブンの作り方と、その効用など。
で、実際、ステージの一部にこの器具でロッカーを止めて見学していただき、
確認してもらったんですね。
最後に質問等を受けて、予定の1時間半をちょっとオーバーして終了。
直後に大雨。
体育館を出るに出られずしばし待機。
と言う感じで、講演は終了しました。
このコテイマンセブンを開発したのは、
こんなきっかけでした。
転倒防止の家具固定をボランティアで進めているグループがあって、
平塚市内のある家に固定作業をする、と言う時に、
付いて行って見学させてもらったことがあったんです。
で、その一部始終を見て、これは大変な作業だ、と。
何しろ、タンスならタンスのと天井の間の寸法を取って、
それに応じて四角い箱を作って、家具の天板と天井の間に差し込むんです。
大工工具一式を車に積んで、材料をその場で切って作るんですね。
正にミリ単位の精度で作り上げるんです。
これは大工仕事の慣れている人か、本来的には、プロはする仕事ですね。
で、半日見学したんですが、そこでやっと一軒分の仕事が終了。
これは手間がかかってらちが明かない。
で、いろいろと考え始めたわけです。
せめて、ミリ単位の精度ではなく、センチ単位の精度でも大丈夫、と言うようにできないか、と。
と言うことは、最後の最後は、何らかの形で、高さ調整できるようにすることです。
まあこれはネジ系のものですよね。
よく、会議場なんかにある長机がありますが、
あの高さ調整をするのに、足の部分にネジがついているでしょ。
あれに近いものですね。
で、ある時、ユニディに買い物があって、売り場をぶらぶらしていたら、
どうもそれらしきものを見つけたんですね。
正式な商品名はプラモクレンと言うものです。
これは形を説明すれば、10センチぐらいの正方形、厚さ18ミリ程度のベニヤ板が
プラスチックでできた大きなラッパ型のネジと合体したもの、なんです。
まあ、うまく説明できないですね。
そもそもが何のための商品かと言うと、
例えば、あるビルの2階あたりを借りて、レストランを開店させたい、と考えたとします。
床は平らにコンクリートが打ってある。
で、そこに、給排水、ガス管などパイプ類を転がします。
当然二重の床にしなくてはいけませんよね。
この時、このプラモクレンを等間隔に並べて、その上をネダを置いて、
さらに床板を張る、と言う作業をします。
この時、元のコンクリート床の高さが完全な水平とは限りません。
そこで、このプエアモクレンは、物によってですが、5センチ前後の高さ調整ができるようにネジが切ってあるんです。
このネジを少しまわしながら、全体としての水平を作り出すんですね。
ですからそもそもが床下の補強材なわけです。
間違いなく丈夫でしょ。
これを発見したんですね。
で、実際これによって、固定器具を作ってみたら、いとも簡単に家具が固定できるわけです。
半日かけて一軒なんて非合理的な方法ではないんですね。
とは言え、実際どれほどの効果があるか、地震が起きるまで分からないでしょ。
で、もし地震が起きた時に効果が無かったでは、意味ないですもんね。
で、平塚市が所有している起震車で実験をさせてもらうことになったんですね。
タンスを立てて、揺らしてみます。
大体震度6弱ぐらいで倒れてしまいます。
そこで、今度はコテイマンセブンを使って、家具を固定し、揺らしてみます。
震度7でも大丈夫なんですね。
びくともしない。
これで裏付けが取れたわけです。
まあ、そんなことの話をしてきたわけです。
みなさん結構その気になって聞いていただけたと思っています。
担当の方が、終わって、誰も寝ていませんでしたね、と言ってました。
それより私は、あの固い床に1時間半も座っておいて大丈夫だったのか、と心配したんですが、
誰かが、まあこれも避難所生活のシミュレーションの一つだろ、と言ってました、
まあものは考えようですね。