水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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さめた弁当

大まかに弁当の製造は2種類に分かれます。


ひとつは、イベントなんかに出店し、作ったものを並べて売るという個売をするものです。
それなりの予測をするのですが、早めに完売すれば、

欲が張っているもので、もっと作ればよかったと後悔しますし、
多めに作れば、残るんじゃないかとやきもきします。
大雑把ですが、10個作って1個残ると、行って来い。
2個残ると、赤字と言うことになります。
もっとも、原価のかけ方ですが、今時、300円台で、弁当販売をしているところが多いので、
よほどの内容でないと、売れない。
つまり、それなりの原価を掛けないと売れないということになるので、
1割2割の売れ残りは、採算的にリスクが大きいということになります。


さらに、売り切れがいつだかわからないので、ときに長い時間並べておくという食中毒上の問題と、
やはり時間が経てば、味は幾分か落ちるので、これは望むところではないでしょ。

そもそも、弁当と言うのは、ある時間に作って、それを持ち歩いて、何時間か経って食べる。
言い換えれば、おいしく食べれるタイミングを失しているわけです。
ちょっとばかり気の利いた料亭とか、レストランなんかで、コースを頼めば、
順に出てくるでしょ。
料理って、一番おいしく食べられる瞬間と言うものがあるわけで、
ベストのタイミングで出すのも、その店の能力なわけです。

でも弁当は、すべて一緒ですし、しかも、時間がたっている。


まあ、なんだかんだ、一味ふた味落ちたものだ、ということが前提なんですね。
逆に、そんなハンディがあるわけですから、
調理側からすれば、冷めてもおいしいものと言う献立をするものです。
しかし、限界がありますね。

 

もう一つの弁当販売は、基本が注文に応じるということです。
つまり、なんかの会合があるんで、1000円のものを、20個とか、言う注文ですね。
これは売れ残りがないわけですから、経費的なリスクはない。
さらに、納品時間が分かっているわけですから、極力その時間に合わせて作れる。
まあ、メリットが多いタイプです。

とは言え、どちらも、食中毒と言う不安は付きまといます。
万全を期しても、目に見ることのできないミクロの世界で発生するのが食中毒ですから、
完全と言うのはありえないんですね。

 

弁当と言うものは、そんな条件が前提なんですが、
中国のある方が、日本の弁当について、評論していました。

 

まずは、冷めていてもおいしく食べられるように考えられているのが日本の弁当の特色だ、

と言うんですね。
一応、四つに分けて、こんな風な分析をしています。


1つめは、持ち運びを前提としているものの、夏の暑い日などに持ち歩くと、

暖かいものは、かえって、傷んでしまう。
そこで、食中毒防止と言いう意味で、あえて弁当を冷やす。

場合によっては、保冷剤を入れたりといった処置まで施して鮮度を保つ。


2つめは、日本人は食材本来の味を好む、と言うことで、

油を使った料理や調味料たっぷり使った料理が少ない。
温かいままだと、味が他の食材に移ってしまい、

冷たいほうが、食べ物本来の味を楽しむことができる、と。


正直、この項目は、疑問符が付きますね。

味の干渉を避けるというのは温度より、煮汁などの接触ですから。
ですから、味や匂い、色が移ったり、汁が流れたりするのを防ぐために、

日本人の弁当には多くの仕切りやアルミ箔が使用されている、ということです。
確かに、仕切りは重要な手段なんですが、
日本の弁当系の詰め合わせで、吹き寄せ、と言う技法があります。
これは、これと言った仕切りを使わずに、次々と素材を詰め込んでゆくのですが、
なんでもかんでもと言うわけではなく、隣同士は相性のいいものを詰め込むわけです。
これはまさに知恵ですね。


3つめは、他人に迷惑をかけないという発想、である、と。
??そんな発想があったのかしら。
公共の場所で弁当を食べる場合、温度が高いと、香りが強くなり他人の邪魔をすることになりかねない。
それゆえ、あまりニオイの出ない冷めたままの弁当を食べるのだ、と言うんですね。


そう言えば、以前、飛行機に乗った時、たまたまファーストクラスの席にしたのです。
まあ、いいとこ20人そこそこの席数ですが、いわば小さな個室のようなものです。
で、どういうわけか、最前列に、わけあり風のカップルが乗り込んできて、
離陸するなり、酒盛りが始まったんです。
で、いきなりつまみにどこかで買ってきた焼売の折をあけたんですね。
すると、その狭い部屋中が焼売のきついにおいが充満。
その不愉快な事。
あれは迷惑千万でしたね。
せっかくのファーストクラスの気分が台無し。

 

で、四つ目ですが、昔から日本人は冷たい弁当を食べていた、と言う日本の食習慣を指摘。
いやまて、どんな国でも、携帯食って、そもそも冷めているはずでしょ。
慣れとかそういう問題なんでしょうか。
弁当イコール冷たい、は前提でしょ。
ちょっと前、うなぎ弁当に発熱する何だかを仕込んであって、糸を引くと熱が出て、
しばらく待って、食べると温かいうなぎ弁当が食べられる、と言うのがありましたね。

でもまあ、そもそも、ホカ弁以外は、冷たいのが前提ですし、
冷たくてもおいしいのが大前提です。
中国の人にしてみれば、日本の食習慣が奇異に見えたのかもしれませんが、
まあ、私達にしてみれば、相応の食文化の歴史があるんですよね。

| 水嶋かずあき | グルメ | 17:07 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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