水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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風化が進む戦争体験

あすは終戦記念日です。
ポツダム宣言受諾により、敗戦を受け入れ、それを国として公表した日です。
3年8か月にわたる太平洋戦争が終結を迎えた日です。


いくら国が始めた戦争とは言え、負けたんですから、

国民には、それはそれなりの屈辱感と寂寥感があったとは思いますが、
一方で、戦地にあっては、過酷な戦闘に巻き込まれ、いつ死ぬかという生存の不安が付きまとい、
本土にあっては、空襲におびえ、物資、食料が不足する中、悲惨な日々を送っていた国民にしてみれば、
解放の日になったはずです。

 

無条件降伏と言うと、いかにも、10対0の一方的比率の、
弁解の余地が全くないという状況での敗戦、と言う感じに捉われますが、
あのポツダム宣言をよく読めば、
降伏において無条件、つまり有無を言わせずという状態を突き付けられたのは、
時の政権であり、時の軍部なのです。
欧米諸国は、軍部・政権と国民を分けて考えていました。

 

たとえて言えば、今韓国が、NOアベ、YESJAPANと言ってるようなものです。
国と国民は本来一体ですが、時に指導者層の暴走に巻き込まれてしまうことがあるので、
ある国の姿勢と言うのは、注意深くチェックしなくては、なかなか本来の実態を把握できないんですね。
ポツダム宣言ではそのことが顕著に表現されていて、
この戦争を終結させることは、政権・軍部の暴走を阻止することだ、という考えが随所に読み取れます。
つまり国民には罪はない、ということです。

 

そして、戦後処理として、戦犯の裁判が行われました。
いわゆるA級戦犯とBC級戦犯の裁判です。
基本的な概念としては、A・B・Cとその罪の重さが軽くなって行くと考えがちですが、
むしろ、ABCの区別が別の概念分類で、
A級は、平和に対する罪で訴追された者で、
B級は、通例の戦争犯罪
C級は、人道に対する罪という風に分類されています。
とはいえ、やはり罪の重さから言えば微妙にABCの序列があるようですね。

 

A級戦犯容疑者として、100人余りが逮捕され、うち28人が極東裁判に起訴されました。
で、絞首刑7名、終身禁錮刑 16名、禁錮20年1名、禁錮7年1名の判決が下されました。
BC級ではおよそ5700人が裁判にかけられ、およそ1000名が死刑判決を受け、実行されました。
つまり、A級でも死刑を免れた人もいれば、BC級でも死刑になった人もいるので、
単純に罪の重さのクラス分けではないということです。

 

年配の方はご記憶だと思いますが、
テレビドラマで、私は貝になりたい、と言う作品がありました。
フランキー堺さんが主演。
終戦後、バラックのような建物で、床屋をやっている主人公のところに、
突然ジープで憲兵がやってきます。
そして逮捕され、裁判にかけられます。
容疑は捕虜の虐待。
ランク分けで言えばC級戦犯と言うことです。
で、この捕虜虐待と言うのが、妙な話で、捕虜に牛蒡を食べさせた、と言う事なんですね。
その捕虜の申告では、木の根を食べさせられた、と。
ドラマの主人公の言い分は、捕虜が痩せてしまったからせめての栄養補給としてごぼうを食べさせたんだ、と。
まあ食文化観の違いです。
とは言え裁判ではそのことが理解されず、主人公は死刑の判決を受けます。
なんと理不尽な裁判なのか、正義や真理はどこにあるのか、と言う事なんですが、
いよいよ、死刑執行の直前、主人公はもう人間として生きているのは嫌だ、
そして、また生まれ変わることができたとしても、人間には生まれ変わりたくない。
そう、深い海の底で静かに生きる貝がいい。
私は貝になりたい。
と言うわけす。

C級であっても死刑になったのです。


理不尽な裁判への批判より、
そう言う空気を作り出す戦争と言うものへの批判がテーマのドラマでした。

 

なんか、そういう戦争への批判、反省、懺悔と言ったものが、やはり風化してきましたね。
核兵器廃絶条約を批准しなかった日本政府の姿勢は、
やはり大いなる違和感を感じます。
おそらく、まだ原爆の悲惨さを傷として痛みが残っていた、30年前、50年前だったら、
日本は先頭に立って批准したいたんじゃないか、と思うんです。

現政権の愚鈍さの現れです。

 

終戦記念日に、風化させない平和を希求する心、
これをしっかりと持つことが大事です。
命を落とした310万人の御霊の為にも。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 13:37 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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