水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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洪水と言う天災

1608年、金目川流域一帯が洪水の被害にあいます。
その出水の量は、所によっては軒先まで水に浸かるというありさまで、
多くの農家が甚大な被害をこうむりました。

で、その様子を耳にした徳川家康が、勅命を下し、
水除の堤を築堤することになります。


金目川の道路沿いにそのことを銘記した案内板が立っています。
それによると、延長318間、572メートルにわたる規模で、
大堤とも、また家康公の一言で作られたということもあって、
御所様堤ともいわれてきました。

 

なんで家康公が、この平塚の片田舎の出来事に肩入れしたのか、と言うと、
1596年に、今の中原2丁目あたりに、中原御殿と呼ばれる建物が建てられました。
鷹狩が大好きだった家康公が、しばしばこの地に訪れ、鷹狩を楽しんだんですね。
まあ地形と言い、獲物の数と言い、それなりのいい狩場だったんでしょう。
初めのころは、豊田の清雲寺を休憩場所としていたのですが、
ある時、どうせならちゃんとした御所を構えようということで、
中原の地を選び、そこを鷹狩の拠点としたのですね。
ですから、このあたりには、しばしば訪れていて、それなりの親近感を持っていたのだと思います。

 

そこで1608年に金目川の洪水の惨状を知り、
より強固な堤防を作ることにしたわけです。

 

その頃の国や地域を統治する政治の大きな責務として、
二つの具体的な分野があって、
一つは「政」のまつりごと。
かなり広範囲の管理分野があるんですが、とくにお祭りを仕切る、なんてことではありません。
この政と言う概念は、主に司法的な観念が強く、民のもめごとを裁く、ということがありました。
もちろん、今でいう立法的な行為もあって、租税の徴収や、地域経済の振興やら、様々なことを管理しました。
で、その中でも特に大きな事業は、
政治の「治」に当たるもので、これは治水を意味します。
当然ですが、人々は農耕を主体の生活をしていましたので、
川の流域に田圃を開拓し、その周辺で暮らします。
いわば、水害危険地帯で暮らしているわけです。
ですから、社会的事業としては、堤防を築き、庶民の安全を確保し、

併せて、コメと言う生産物を確保する、
という大きな目的があったのです。

 

ですから、政治家としては、堤防を築き、安全を確保することは大きな使命の一つだったわけです。
ラッキーなことに、平塚びいきだった家康公のおかげで、
かなりしっかりとした堤防が築かれたのでした。

とは言え、その後たびたび決壊します。

 

1808年の大雨で、鈴川や金目川が氾濫し、大水が出ます。
この時の流れ込んだ水が低地にたまり、現在の達上池が誕生します。
洪水の水が引いた後も、窪地に残った水が池を構成し、当初は三つほどあったようですが、
その後埋め立てられ、今の達上池一つになりました。

いわば、もし出水すれば、水は低きに流れるのですから、1808年の水害が再現されれば、
あのあたり一帯は水没します。
現に平塚市の作成した洪水ハザードマップでは3メートルから5メートルのエリアに、
市民病院があります。
達上池のほとりに立っているんですものね。
ま、そんなことが起き無ければ、と思いますが、こればっかりは大自然の営み。
万一を考え、相当な対応をしておくべきでしょうね。
下限の3メートルの浸水があったとすると、少なくとも1階は水没。
かなりの医療能力が失われるはずです。
浸水ブロック板程度では対応できないでしょ。

 

洪水対策としていくつか問題があります。
一つはその情報をいかに的確に早目に伝えるかです。
よく、大雨洪水注意報などは発令されると、
どこそこに避難せよ、と言った自治会あたりの連絡があるそうですが、
過去の避難に対しては、二つの問題がありました。
一つは、出水する時は一挙に出水し、非難のタイミングを失う、ということです。
そこで、垂直非難と言う概念が言われるようになしました。
今までは水平避難です。
道路を通って、近くの小学校などに避難する、と言う対応ですね。
ところがその途中が安全とは言えない。
だったら、そのまま家の二階、屋根に避難する垂直非難も考えるべきだ、と言うのです。
ま、これも経験からの対応法ですね。

 

台風に関わらず、気圧の配置によっては
線状降水帯などと言うものが、グダグダと雨を降らし続けたり、
ゲリラ豪雨などで、集中的に雨が降ったり、
まあ、あれこれ奇怪なことが、異常気象とともに発生します。

その分経験は豊かになってゆくのでしょうが、
相変わらず、自然が暴れると、人間がそれに巻き込まれますね。

 

せめて、自分の住んでいるところに関しては、洪水ハザードマップぐらいはよく見て、
万一に備える必要がありますね。

 

| 水嶋かずあき | 平塚のこと | 10:27 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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