水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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表現の自由展

芸術作品による、思想、主張の表現と言うのは、
紙一重で、極めて厄介なものになりがちです。

 

私は、一応ですが、市内のさる美術家集団の会長をさせていただいています。
そして、年に1回ですが、会展を開催し、くどいようですが一応会長ですので、
作品を掲出します。
時に、油絵だったり、書だったり、今年は、七夕飾りの一部を出品したのですが、
なんだかんだと芸術作品と称して、作品づくりを続けています。
美術的素養はゼロに近いし、技だって、誰に教わったわけでもない我流ですから、
作品としてのレベルは相当に低いものだと、自覚しています。
でも、作り上げてゆく過程での精神は、
心に生まれた美意識を、可視化し、具体化するわけですから、
その気持ちをエネルギー源にし、その延長に作品は出来上がってゆくのです。

大ざっぱに言えば、美術、芸術の作品は、
その作品に触れる人へ、ある種の変化を期待するものです。
観る前と見た後の違いですね。
その変化が大きければ大きいほど、作品の影響があったわけで、
作者としては、より多くの影響を期待するわけですね。

 

まあ、簡単な話、鑑賞の後に、

素晴らしいとかの褒め言葉をいただけたら、もうそれで充分なんですね。
そして、作品制作中に念じていることは、心が穏やかになったり、感動でストレスが解消できたり、
美意識がより磨かれたり、といった、プラスの感情を得てもらいたい、と思っているんですね。
まあそうでない方もいるかもしれませんが、

マイナスの感情を持たせようと考えるなら、基本的には、芸術とか美術などの分野ではない、と思うんです。

 

その意味で、「あいちトリエンナーレ2019」の

企画展「表現の不自由展・その後」は企画自体にゆがみがある。
だいいち、これほどの反論があって、トラブルが発生し、もめるほどの内容なら、
企画者として、結構ギリギリのやばい所がある、と感じたはずなんですね。
でも、この企画を進めたという背景には、きっと、
表現の自由と言うものを発信したい、という気持ちがあったんでしょうね。


表現の自由と言うと、いかにも素晴らしい視点である、と勝手に思い込んだんでしょう。
なんか天下無敵なもので、これに逆らう者は、無知であり、粗雑な精神の持ち主である、
つまり、下等な思想しか理解できないんじゃないか、

と言う一種の上から目線があったんではないか。
しかし、今回の場合、芸術とは何か、という大原則がそこに踏まえられていないと思うんですね。
過去の偉大な様々な芸術家が、作品を世に送り出し、それなりの評価を得てきたわけですが、
それは見る人へ、希望や喜びの時間を与えることができたからでしょ。


その視点に至ったることができなかった脆弱な芸術論だった、ということです。

確かに、世の芸術作品は、観る人、時に見る時代によって評価は移ろいます。
あのゴッホだって、生きているうちに売れた作品は、たった1枚だそうです。
今ではオークションに出品されれば、億単位の値がつくわけでしょ。
ですから、美術品芸術作品は、決してその価値は普遍のものではないのですが、
それにしても、時代を超えられるだけの普遍的な表現を目指すことが

作家につっては重要な考え方だと思うのです。
その意味で、奇をてらったのか、これが心の叫びだ、と言うのか、

奇怪な作品を含む作品展については、やはり一般的には、抵抗感を持つと思うのです。

 

中止になったことを受けた抗議集会が22日、東京都内で開かれたそうです。
これには企画展に作品を出した美術家らが出席し、
「中止を既成事実にしてはいけない。

再開しなければレイシズムやテロに屈することになる」と訴えたとか。
そんな重要な意味合いを持った作品展であるなら、
税金を使った、などと言う理由もあるようですから、
再開を願う人々は、自費ででも開催すればいいじゃないですか。
さらにそれぞれが個展でも開くとか、
不自由をなげくなら、それを打開する方法は山ほどあると思うのです。

 

何より、「冷静に考えれば、表現の不自由展、と言ってるわけですよね。
もし、表現の不自由さを感じる、この社会の空気に問題ありと言うなら、
表現の自由展と言うべきでしょ。
表現は自由だ、と言いたいのですから。
不自由展と言ってる段階で、いささか、うなだれた主張のような気がします。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 09:47 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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