水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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無罪の根拠が分からない

万一、という言葉があります。
時に、万が一、とも言います。
ほぼ同じニュアンスで使っているようですが、
厳密に言えば、万一より万が一の方が、同じ仮定でもニュアンスは強まるようで、
状況も過酷な場合を想定ているようです。
からっと晴れた青空を見上げて、
「万一雨が降ってくるといけないから傘を持って行こう」
で、万が一は、いささかと強めの想定ですので、
「万が一地震が発生した時のことを考え地震保険に入ろう」
と言った使い分けのようです。


ま、どうでもいいことですが。
で、数字で表せば、万が一ですから、0.01%のことです。
発生する確率です。
逆に、発生しない確率は、99.99%と言うことになります。
まあ、あくまでも感覚的な数字ですが。

つまり、万が一と言う感覚で、物をとらえる時、大半が、発生しない確率としてとらえます。
万が一宝くじが当たったら、という感覚より、
万が一保険会社がつぶれて、保険金がもらえなくなったら、などと、
マイナーな状況を想定する時に、持つ感情が、万が一です。
でも、まあ、とはいえ可能性はゼロでないもの、ありえないこと、と考えるんですね。

さて、この万一と言う想定を、肯定的、つまり0.01と捉えるか、
99.99と捉えるかによって対処、対応が異なります。

 

今回の東電の旧経営陣に対しての刑事告訴の判決は、
被告3人の、外からは見えない心の中の問題を裁いたわけです。
認識していなかったとか、想定外であった、と。
でも妙でしょ。
この問題は、周囲から何とかすべきだ、と提案されているんです。
ですから、知らなかった、ということはない。
忘れたとかはありうる。
ま、しかし、自社のかなり重要なテーマだったわけで、忘れたとかの経営者がいるわけない。
だから、少なくとも一度は想定はしているんです。
しかし、起きない、つまり、0%と言う認識を選択したんですね。
例えば、会議の中で、万が一と思ったかもしれない。
でも、99.99%起きないと捉えたのでしょ。
つまり、一度は、弱いかもしれないけど、想定したことになる。
これは、様々な会議の記録で明らか。


かつて、東電の関係者が集まって、
6メートルの防潮堤で大丈夫だろうか、
という会議を外部有識者・専門家を交えて、1年間6回も開催しているんです。
つまり、基本的な問題として想定はしたことがあるんです。
旧経営陣は、そんな会議のことは知らないと言うのでしょうか。
それとも、そんなことは起きない、ということの選択が結論だったのでしょうか。


ま、それにしても納得できないでしょ。

あの原発事故で受けた被害の内容の認識からすべきです。
土地を追われた人が何人いたのか。

帰宅困難地域は名古屋市の面積に匹敵します。
それによって健康を損ねた人が何人いたのか。
さらにこれによる死者は何人いたのか、
マスコミでは、原発による死者の数は、殆ど報道されていません。
震災時に関係社員など4名が死亡しました。
しかし、問題は次の数字に表れています。
岩手、死者行くへ不明者5790人 関連死者数467人 関連死者比率8.0%
宮城、死者行くへ不明者10763人 関連死者数928人 関連死者比率8.6%
福島、死者行くへ不明者1810人 関連死者数2272人 関連死者比率125.5%
これで見ても岩手、宮城ですら関連死者数が8%台なんですが、
福島の125%と言うのは異常でしょ。
そうなんです。
岩手、宮城になくて福島にあった要素は原発事故なんです。
単純に岩手、宮城の関連死者比率を福島で算出すると、1810×8.3=150人です。
ほぼ同様の環境にあって、地震、津波がなければ死ぬはずもなかった、という関連で亡くなった方は、
岩手も宮城も、福島もそう大きな環境の違いはないと考えると、
福島原発の影響があったとしか考えられないでしょ。
どこのだれが計算したのか、原発事故関連死者数が公表されていて、
その数、少なくとも(とト書きがありますが)1368人だそうです。
私の単純な推計では、2272−150=2122人と言うことになります。
まあいくらかの誤差を想定しても、2000人からの関連死者を出した事故だったわけです。

 

言い換えれば、東電は、あの事故で、2000人の死者を出した、ということです。
これに関する刑事的責任がゼロ、と言うのは、予見できた、出来ないの範疇で考えるべきではないでしょ。

 

2015年、池袋で交通事故がありました。
例の認知症の上級国民であるご老体が引き起こしたものより以前のことです。
この時は運転していた男はてんかんを抱えていて、
で、事故直前発症したんですね。
死者1名重軽傷4名。
それで、実刑、懲役5年です。
一人の死者でも、相応の裁きがある。
交通事故は原則悪意がないでしょ。
見様によっては不運としか言いようがない。
でも実刑です。

 

東電の旧経営陣は、当然悪意はありません。
予見できなかったという不明さはあるもの、罪を犯す意志は当然ゼロです。
しかし、2000人が死んだんです。
これがどうして無罪なんでしょうか。
彼らが天寿を全うし、三途の川を渡って、あの世に入り口で検問を受ける。
ここでは、閻魔さんの手下が下調べをする。
閻魔さんの手下。
「で、正直に言ってごらん。なぜ防潮堤のかさ上げ工事を反故にしたんだ」
おそらく彼らはこう答えるはずです。
「だって300億円近い金がかかるんですよ。
不確定な事への対応として、そんな金を支出するなんて、経営者失格でしょ」
閻魔さんの手下、
「なるほど、もっともだ、でも、とりあえず地獄に行って、反省する必要があるな、
2000人の恨みがあるからな」

| 水嶋かずあき | あれこれ | 10:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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