水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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自然災害という言葉に逃げていないか

人は暮らしてゆくうえで、水を必要としています。
飲み水など体に取り入れる事もさることながら、水によって生産される食料、
また、燃料となる樹木など、多くの人が生きてゆくうえでの必需品なんです。
世界4大文明と言われているエジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、 黄河文明がありますが、
そのすべてが、川の流域に発生しました。
エジプトのナイル川、メソポタミアのチグリス・ユーフラテス川、インドのインダス川、
そして、中国の黄河です。


日本においても、原則、川の流域に人は集まり、集落を形成し、
特に、米作が基本となった農耕に関しては、否応なしに川とともに生きてきました。
ですから、人間にとって、川から離れられないので、
逆に、川をいかにコントロールするか、ということが、人類史の一部になっているわけです。

 

私の父は、印章業出身です。
印章は漢字の世界と切っては切れないものですから、
漢字に関してはかなり豊かな知識を持っていました。
ある時、私のこんなことを言いました。
漢字と言うのは、今の形態になる前に、
隷書(れいしょ)とか篆書(てんしょ)と言われる形態を経てきている。
だから、今伝えられている漢字の形の前身は、隷書、篆書に求めることができる。
そこで、漢字の成り立ちがよりわかりやすくなる、と。
なぜこんなことを言ったのか、その前後のことを覚えていないのですが、
こういう話題だったのです。
で、その時、政と言う字を取り上げたのです。
まあ、せいと呼んだり、まつりごとと言ったりします。
で、この文字の成り立ちは、へんに「正しい」
つくりを文としているが、隷書・篆書によれば、支えるだ、と。
つまり政治の政と言う字は、正しきを支える、という意味をもっている、と言うんですね。
この時の話をよく記憶しているというのは、

きっと、父との会話で、

およそそういったアカデミックな話題が少なかったからではないか、と思うんです。

 

つまり、政治とは、正しきを支える、と言う集団の価値基準を持って進めることと、
治は、サンズイに台、つまり水をコントロールするということですから、
正に治水そのもののことです。
要するに政治とは、正しきを支えつつ、

水による災害から国民を守る、と言うことの理念を表した言葉なんですね。
まあ、大雑把ですが、この二つの機能が、政治と言われる領域のなすべきことなわけです。

今回、19号の台風で、死者、不明者が、90人を超える、と言う被害が出ました。
あわせて、52の河川が決壊し、それぞれの地域で、大きな被害を生み出しました。
テレビなどで、その状況が放映されていますが、
泥まみれになった、家の中を片づけている人たちを見ると、何とも気の毒、としか言いようがありません。
家や車、家財道具、畑の作物や、工場の機械など、水浸しで、放棄せざるを得ない人も続出しているようです。
ある町工場が浸水し、機械類、パソコンなどが使い物にならなくなってしまった、
再建に1000万円は飛ぶだろうね、と肩を落としていました。
家に壊滅的な被害を受けた人は、建て直すしかないだろう、と頭を抱えていました。
誰も、受けた被害を金銭に換算すれば、
何千万とか、何百万とかの数字のようです。
余力たっぷりで生きてきた人はまだしも、
やっとこさっとこやってきた人にとってみれば、
雨が降って、川の堤防が決壊して、我が家に流れ込んできて、
それによって発生した損害は、自分で負うしかないわけでしょ。

かなりきつい状況でしょ。

 

しかし、冷静に考えてみれば、治水と言うのは、国家の重要な使命でしょ。
二宮尊徳さんをはじめ、地域の治水に貢献してきた人は歴史的にも多くいます。
大昔から、人の暮らす集落では、全体の仕事として、治水工事が行なわれててきたわけです。
この国で暮らすうえで、様々にかかるコストを税金として納めています。
その中の幾分かは、治水の費用として拠出しているわけでしょ。
まあ自然災害だから、と言う言い訳はともかく、
安全のための税金と考えれば、
堤防の決壊による損害は、基本的にこの国の責務として考えるべきでしょうね。
この国の政治家の中から、

今回はともかく、治水と言う生活を守る基本について、
しっかりと見直し、今後に備えたい、

なんて政治として負うべき責任ある言葉は聞こえてきませんね。

 

政治家が政治とは何か、という基本を忘れているんでしょうか。

 

| 水嶋かずあき | あれこれ | 23:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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