水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
<< あいトリの騒動 | main | 文ちゃんの夢 >>
義を見てせざるは勇無きなり

今月一杯、SCN(湘南ケーブルネットワーク)で放映されています
市民クラブTVの枠、(毎日9時半と午後5時半の2回放映)の番組。
これは、私が企画・撮影・ナレーションを担当した作品で、
リトアニアがやってくるというタイトルです。


2020東京オリンピック・パラリンピックの時に、
バルト3国と言われるヨーロッパのエリアにあるリトアニアと言う国が
この平塚で事前キャンプを張ることになり、
その事前PRを兼ねて、作品を企画したのです。

で、30分の番組なんですが、企画が甘いと、どうしても内容が空疎になってしまいます。
そこで、しっかりと内容を練り上げるのですが、
私としては、どうしてもリトアニアと日本を結びつけた

杉原千畝さんのことを内容に組み込みたかったんですね。
ところが、様々な映像権利が絡み合っていて、安易に映像化できなかったんです。
で、実は、半分このシーンをあきらめかけていたのですが、
SCNの編集を担当していただいている鈴木さんの踏ん張りで、
最後に、2分少々ですが、この場面を繰り入れることができました。
まあ、それなりの雰囲気があるシーンになっています。
ともかくご覧になってください。

 

さて、そういう経緯もあって、杉原千畝さんに関しては、
色々と調べて来ましたので、その概略です。

 

第二次世界大戦のさなかのことです。
外務省に奉職していた杉原さんは、ロシア語が堪能だったので、
その近辺の職場を転々とします。
そして、リトアニアのカウナスと言うまちの領事館で仕事をすることになります。

リトアニアと言う国は、かつて、ヨーロッパの国々の中で、最大の領土を持つ国でもあったのですが、
その後、主に、ドイツ、ロシアに干渉され、徐々に領土を失ってゆきます。
そして、第二次世界大戦のときは、正にこの二国に蹂躙され、
ナチスのユダヤ人狩りが行われてゆきます。

 

ユダヤの人々はこの魔の手を逃れるために、脱出を図りますが、まあそう簡単な話ではありません。
で、杉原さんの領事館に、脱出可能なビザの発給を求めて、ユダヤ人が殺到するんですね。
そこで、日本を経由するビザを発行し、これらの人々の脱出を手助けすることにします。
本国日本の外務省にこの状況を打診したところ、
そんなことするな、と言う返答。
しかし、命からがらの彼らの要求を見捨てるわけにもいかず、
外務省の命令に背きつつ、正に力の限り、ビザ発給の作業を連日し、
結果として6000人の人々の命を救います。

 

そして終戦、日本に戻ってくると、外務省は、言うことを聞かなかったとして、
杉原さんをリストラをします。

日本に帰ってきた杉原さんは、正に不遇の時を迎えるわけです。
やがて、命を助けてもらったユダヤの人の訴えもあって、
杉原さんの貴い行為が認められ始め、確かに本国外務省の指示に反したものであろうと、
多くの人の命を救ったという人道的行為は評価されてゆくのです。
最終的に、名誉の回復と言うことで、当時の河野洋平外務大臣の時に、
その対応が行われ、顕彰の碑が立てられます。

 

つまり、一度はないがしろにされ、やがて正しい評価に変わるのですが、
あんな立派な仕事をした人に外務省はひどいじゃないか、という批判が出ていたんですね。
そこで、外務省は、いやあれは依願退職で、外務省として冷たい扱いをしたわけじゃない、
と、いかにも辻褄合わせのような弁解を繰り返してきたんですね。
当時の資料を健闘した結果、そのようなものは存在しない、と。
正にお役人らしい対応ですね。

 

しかし、ここにきて、新たな資料が出てきました。
発見されたのは杉原さんが、かつて参院に提出した履歴書と、

勤務実績を示す人事記録の計2枚。
この履歴書では外務省の退職理由を依願退職としつつ、

「(47年)3月の行政整理に際し被整理者に予定せられたる」と記載されていたんです。
つまり、なんだかんだとリストラ候補のリストに挙げられていた、と言うことです。
それも、帰国前の段階でです。
これで、外務省も白を切ることができなくなりましたね。

どうして、お役人って、身の保全を最優先するんでしょうね。
敬意を持つべき人を判断する能力がないんですね。

 

今月の市民クラブTVの最後のナレーション。
「後に、杉原さんに6000人ものユダヤ人を救ったその偉業をたたえると、
杉原さんはこともなげに
日本人だったら誰でもそうした

といいました。」

 

私たち日本人には、

「義を見てせざるは勇無きなり」という言葉がありますもんね。

 

| 水嶋かずあき | あれこれ | 16:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









http://blog.mizushima-kazuaki.com/trackback/3194
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE