水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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おせち料理ご予約承り中

いまさらですが、今年も残り2か月を切りました。
当然ですが、12月になれば、今年もあとわずか、一か月を切りました、となります。
うちの娘はちょっと独特の感性があるらしく、

4月になると、今年もあとわずかだね、と言い始める。
だから、世間が今年もあとわずか、などといって、ある種の覚悟をするわけですが、

彼女は、ほぼ一年の半分以上そん覚悟を続けているわけです。
まあ我が子とは言えよく分からないんですね。

 

で、この季節になると、がぜん前面に出てくるのが、おせちの予約キャンペーン。

おせち料理ご予約承り中、と。
だって、まだ食べるのは50日も先の話でしょ。
気が早い話ですが、おせちの重箱につまった色とりどりの料理の写真を見ると、
何となくそわそわと予約しておこうか、と言う人もいると思うのですね。

 

50年ほど前までは、おせちと言うものは、ほぼ家庭料理の領域として扱われていて、
料理屋とかで、注文をするというのは、それほど一般的ではありませんでした。
私の手元に本山荻舟先生による料理の基本中の基本をまとめた飲食辞典と言う出版物があるのですが、
これによりますと、おせち料理とは家庭料理の代表、と言っています。
当然のことながら、これらのものにもそれなりの歴史があって、
そもそもは、五節句を祝う料理だったので、節会料理、と言われていて、
昔々は宮廷などで五節句を祝う時の山盛りにした料理だったようです。
で、それが江戸の頃になって、武家に広がり、次に庶民に広がって、
節供料理が食べられるようになりました。
特に、五節句のうちの正月の節会料理を、おせちと言うようになったのです。
このころは、ともかく砂糖などの甘味料が十分になかったので、
人々は甘いものに飢えていたのです。
ですから、年の初めのおせちにはここぞとふんだんに甘味にしたものが作られました。

正月のめでたい時に食べられるので、造られる料理にはあれこれめでたいいわくを盛り込んでいます。
数の子は、子孫繁栄とか、ごまめは豊穣豊作を祈願したり、海老の料理は長寿を願ったり、
ぶりは出世魚としてのめでたさを謳ったり、ま、ほとんどこじつけに近いようなものなんですが、
それでもめでたいものを食べて新しい年を祝うというのは、
意義深いことですよね。

 

特に旧来の年齢の数え方では、いわゆる「かぞえ」と言う概念の年齢では、
正月になると一斉に一歳加算されるわけでしょ。
12月31日に生まれると、その時点で一歳。
で、翌日正月には一歳加算されますから、生まれてなんと2日で2歳と言うことだったんです。
ま、私達が小中学生までは、かぞえと満年齢が重複して使われていましたからね。
ともかくそういうことですから、家族全員の誕生日になるわけです。
もしですよ、今家族が、たまたま誕生日が一緒で、家族全員が合同バースデーを迎えるとしたら、
一大イベントでしょ。
まあ正月とはそんなもんだったんです。
ですから、それなりに構えて新年を迎えたんですね。

 

その時食べる節会料理ですから、殊の外力を入れて作ったらしい。
何しろ、家庭料理の代表、とまでの位置づけだったわけですから。

で、その意義は伝承されてはいるのですが、家庭料理の代表と言う部分が薄らいできて、
ついにはどこぞの料亭、どこぞの食品加工会社のもの、

時にコンビニで予約したもので済ますようになってしまいました。

さ、そこでです。
予約しようか、なんて考える前に、おせちの基本をそれなりに理解したうえで、

出来れば手作りに挑戦すべきだと思うんです。
私は、まあ仕事柄、重箱に詰める全35品の料理を、蒲鉾以外は手作りにします。
でもまあ、これは一般的には困難でしょうから、
せめて、ばらばらに食材を買って、重箱に詰めるというのはどうでしょうか。
おせちの基本は、祝い肴3種と言われるものです。

なんであれ、この三種が入っていることが原則です。
一つは数の子、これは塩だしをきちんとすればあとはなんとかなるでしょ。
二つ目は黒豆、これもそれほどややこしい手順はありません。
ちょっと時間がかかりますが。
でも、めんどうなら、出来合いでもいいでしょ。
で、祝い肴の三つ目は、田作りです。
これは思ったより簡単に作れます。
出汁用ではない煮干しを煎って、砂糖水を煮詰めたものを絡ませればそれでいい。
ま、これも面倒なら、出来合いを買ってもいい。
ともかくこの基本3種をまずそろえ、
つぎは口取り系を買いそろえる。
金団に羊羹、錦玉子など。
それに伊達巻ですね。
あとは、酢のもので、大根、ニンジンの紅白なます、小肌の酢の物、たこなど。
焼き物は海老とか、ぶりとか、タイの切り身とかの塩焼きや照焼き。
そして、ここは作りましょうか、煮物です。
素材としては、里芋、人参、蒟蒻、ごぼう、竹の子、椎茸、高野豆腐、厚揚げ豆腐、
あと絹さやなどの青み。
これを重箱に盛り込めば、立派なおせち。
どうやったって、1万円はかからない。
是非とも彩鮮やかな写真につられて、予約なんかしないように。

なんていったって、おせちは家庭料理の代表なんですから、
年の初めは心温まる手作りで祝いましょう。

| 水嶋かずあき | グルメ | 13:14 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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