水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
<< ぼ〜っと生きていると… | main | 私人逮捕 >>
足りなきゃ札を刷ればいい

以前、平塚のある市長さんが、その年の予算編成を終わらせ、
記者会見を開き、収支とも健全なバランスがとれたいい内容の予算が組めました、とコメントしたのです。
で、私はその時の予算内容をチェックしてみて、何がいい内容だ、と思ったんです。


ざっとした説明をすれば、市の予算は、まず、原則必要な支出を整理します。
当然何でもありとかは無く、それなりに要不要のチェックはされます。
しかし、問題は、基本的に支出ありきなんですね。
例えば家計簿とか、企業などの資金繰りは、原則収入ありきでしょ。
つまり、期間内にどれほどの収入が見込めるのか、ということが前提になって、
そこで支出の項目がチェックされてゆきます。
ですから、収入の見込みが減れば、支出を我慢するわけですね。
しかし、国や地方自治体では、先ず支出を積み上げる。
そして収入を査定する。
まず見込まれる税収などですね。
さらに、地方自治体では国からの補助金なども収入の大きな要素です。
で、足りない場合が出てきます。
すると、市債を発行します。
市債というのは国債のように、債券を発行したりとか、一般からの債権買い上げなどはありません。
単純に必要なお金を銀行から借りるんですね。

で、この時の市長さんがいい内容の予算が編成できた、と言うのは、
足りない分は市債発行でカバーした、ということです。
ちっともいい内容ではないでしょ。
1億足りなければ、1億借り入れるんです。
10億足りなければ10億借り入れるんです。
極端な話なんの苦労のもない編成でしょ。
どうしてそれがいい内容なんだ、と思ったと言うわけですね。

 

その意味で、行政体の予算編成というのは、国・地方を問わず、
借り入れたお金をだれが返すのか、ということについて切実な実感を持っていないんですね。
たとえば、このまちの企業、まあある株式会社としておきましょう。
その会社ので借り入れを起こすとしたら、代表取締役の社長さんがハンコを押します。
つまり企業の借り入れが滞ったり、返済不能になった時は、ハンコを押した社長さんの責任になるわけです。
ですから、足りなければ借りる、という安易な発想は我が身に累が及びますから、
とても慎重になるわけです。

 

以前、ベルマーレのボランティアをせっせとやっていたころ、
事務所に所要があって顔を出したら、その頃の社長から声をかけられ、

社長室に呼びこまれたのです。
で、話の内容というのは、いわば愚痴なんですね。
水嶋君、おれはさ、借金の保証のために社長を引き受けたわけじゃないんだ、

とぶつぶつ言ってるわけです。
サッカーのチームとしては、年初に選手との契約を履行するため、膨大な人件費が必要です。
一方、その主な年間の収入は、スポンサー料と、観客が支払う入場料なわけです。
しかし、年初は、スポンサーも決まっていない場合もあり、ましてゲームは開催されていないのですから、
極端に支出と収入のバランスが崩れています。
そこで、恒例のように、年初に銀行からの借り入れを興すわけです。
この社長、サッカー関係者で、企業の経理のいろはすらご存知なかったようで、
毎年膨大な金額の保証人的な感じで借り入れの書類にハンコを押すことに恐怖を感じていたようなんです。
言っちゃあなんですが、そんな基本的な役割も理解していないなんて、

こりゃ、企業経営者としては失格だな、と思いました。

 

ま、ことほど左様に、民間と、公官庁とのお金の感覚は違うんですね。
僻みっぽく言えば、税金を払っている民間と、その税金で食ってる公的機関に違いがあるわけです。

 

日本の国債の2020年度の発行総額が153兆円になるそうです。

一般会計の財源不足を補う新規国債発行額は減らす一方、

過去に発行した国債の償還資金に充てる借換債が膨らみ、

当初予算ベースで6年ぶりに増加に転じるのだそうです。

借金を返すために借金をするんです。

馬鹿な手法でしょ。
公的機関の借金というのは、実は何種類もあるので、

これが返し終わればあとはすっきり、と言うものではありませんが、
ま、一応、国債というのが最大借金の分野であることは間違いありません。
来年の1億2千6百万人の国民一人あたり120万円の借金をすることになりました。
国債に関してかなり前の内閣から、この借金が膨れ上がってゆくのを危惧して、

財政健全策を策定してきましたが、
具体的な成果に結びついていません。
つまり、足りなきゃ国債、といういかにも知恵のない手法を平然と繰り返してきているんですね。
ま、その意味では無能のそしりを受けることになります。
金が足りなくなれば、刷ればいいじゃん、という考えがあるようです。

 

国債は借金です。
国債を売り出して、誰かに買ってもらい、それをその年の歳出に当てるわけです。
で、誰が買うのかでしょ。
その大半を引き受けるのは、日本銀行です。
じゃあ日本銀行は無限にお金を持っているのか、と言うことですが、

日本銀行としては、その原資は、印刷すれば賄えるというわけですね。
実に危ないシステムでしょ。

 

≪この項は数字に間違いがありましたので、内容を一部修正しました。

ご指摘をしてくれた内山さんありがとう。≫

| 水嶋かずあき | あれこれ | 10:49 | comments(0) | - | - | - |









   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE