水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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私人逮捕

私がまだ大学生の頃の話です。

家の前を騒ぎながらかけてゆく人がいたのです。
大声で、泥棒だ、泥棒だ、と叫んでいました。
その様子から察するに、ある家に入った泥棒がいて、発見された泥棒はすたこらと逃げたんですね。
で、その叫びながらかけてゆく人は、何とか捕まえよう、と、追いかけて行ったのです。
私は当時は足が速かったものですから、すぐさま道に飛び出し、
後を追いました。
途中、見失ったのですが、草むらに隠れていた泥棒は、たえきれずにとび出して、
さらに逃走を計ったのです。
くどいようですが、私は足が速かったので、あっという間に追いつき、
その泥棒と思しき男を取り合さえ、警察に突き出したのです。
ま、簡単に言えばそれだけのことなんですが、
これって、私人逮捕という行為なんです。

 

つまり民間人が犯罪者を捕まえる、ということです。

で、最近、様々な犯罪が行われていて、

もし、目の前で犯罪が行われたら、どうするのか、と考えました。
若いころだったら、多少のもみあいになろうと、何とか勝てたと思いますし、

追いかけるんだったら、おそらく簡単に追いつく自信がありました。
でも、今やただの老いぼれです。
力では負けるでしょうし、追いかけるったって、50メートルも全速で走ったら、息が切れそうです。
情けないですが、そういう場面に遭遇しても、息をひそめて見逃すのか、と。

 

私はどちらかというと正義感がありますので、

その場合でも見て見ぬ振りができるのか、ちょっとばかり考えるんですね。

いや、ホントどうでもいいことかもしれませんが、万一そういう場面が出会ってしまったら、
あまりに急な出来事で、判断を躊躇するのではないか、と思うんですね。
つまり、出来れば万一を予測しておいてもよかろうか、と。
そう、どうすべきかですね。
事前のシミュレーションです。
判断を間違えて、怪我でもしたらばかばかしいでしょ。
かといって、我が身を守るために何もしないというのも、後悔しそうでしょ。

 

で、調べてみたんです。
そもそも民間人の逮捕権ってあるのか、と。

日本の現行法では、現行犯逮捕にのみ逮捕が認められている、のだそうです。
法律的用語としては、私人逮捕、または常人逮捕と言います。
ま、用語はともかく、現行犯人の逮捕は、司法警察職員に限らず何人でも、

逮捕状がなくても、行うことができるんですね。
これは、犯人が現に犯行を行っているか、行い終わったところ、つまり直後であるのなら、
逮捕して身柄を確保する必要があるということと、誤認逮捕のおそれがない、という理由だそうです。

さて、ではどんな犯罪においてもいいのか、ということになります。
例えば、国会で嘘をついたとしても、隣の議員さんが私人逮捕をするということはできません。
つまり、きちんと定義された犯罪であることが基本です。
で、大雑把にもどこからどこまでなのか、なかなか分かりにくいでしょ。

 

そこで、私人逮捕を行うにはある条件を満たす必要があるのです。
その1

 犯人が現行犯人、準現行犯人であること。
つまり犯罪を犯しているその時、という現行性が必要です。
多分、昨日犯した犯罪を知って、逮捕してもそれは法に反してしまうんでしょうね。
そして、その2

  30万円以下の罰金、拘留、科料にあたる罪の場合は、犯人の住居、氏名が明らかでなく、

又は犯人が逃亡するおそれがある場合。
さてここで問題です。
一般人として、30万円以下の罰金とかいう犯罪とその程度とは何か、でしょ。
知らないですもんね。
で、さらに問題なのは、条件に該当しないにもかかわらず逮捕した場合は、
逮捕・監禁罪に問われ得る、とあるんです。
つまり、犯罪者を逮捕しようとしても、時に、微妙な判断を間違えると、
犯罪者になってしまう、という事でしょ。
なんか、そうなると、さわらぬ神にたたりなし、ということになりませんか。

確かにこういう制御をかけておかないと、わけのわからないリンチのようなものが、公認されかねない。

 

以前あるスーパーで万引きした人がいて、店員がこの人を確保、ま、ここまではいいのですが、
少しばかり暴れそうになったので、馬乗りになり首を締めたのだそうです。
するとその犯人は気絶、失神。
これが意識が回復せず数日後に死んでしまったのだそうです。
この店員は傷害致死罪で逮捕され、その後、地方裁判所にて執行猶予付きの有罪判決を宣告されたそうです。
まあ、確かに致死となると行き過ぎですが、私人逮捕にはその限度があるわけで、
むやみに手を出さない方がいいかも、となるわけです。

 

ま、それにしても、やたらと犯罪の種類も増え、巧妙な手段の犯罪が横行しています。
警察だけで何とかなるのか、不安ですね。

ま、腕に自信があったら、いいでしょうけど、逆襲されたらそれまで、としたら、ここは傍観しますか。
あの若いころ、泥棒を追いかけて、肩をむんずとつかんで、抑え込んだのは、
遠いむかし話ですから。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 19:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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