水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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濃厚接触

よく、人と言う字を、右と左の斜の棒に見立てて、こうして支え合っているのが人なんです、
みたいな解説を、うがったように言っている人を見かけたことがあります。
最初に聞いた時は、それはそうだ、旨いこと言うなと思ったんですが、

何回目からかは、これって誰かの受け売りじゃん、と軽くいなすようになってしまいました。

 

でも、間違いなく、字の成り立ちかどうかは別として、
人は支え合ってこそ人であることは真実ですよね。

 

ライオンは集団で暮らしていて、
狩りも、子育てもグループでこなすので、ある意味強い生き物の一つとなっています。
同じくネコ科の動物ですが、虎は単独で生活します。
これは、複数のグループだと、確保できる餌が十分でないので、単独で行動するんですね。
逆の見方をすると、ライオンは餌の確保をするのに、チームプレーでするため、
ある程度、十分な食料の確保ができるんです。


動物の場合、単に食料確保と言う以外に、繁殖相手を探すことも重要な訳で、
そもそもがグループで生活していれば、そこは困らない。
きっと虎は季節になると、相当に鼻を効かせて、

交配の相手を探そうと、結構うろうろするんだと思うんです。

 

ある海洋生物を研究している学者先生が、
テレビに出演した際、自分で撮影した映像を流して、
なんとか、という名前のウミウシが交尾しているところを見せたんですね。
これは紫色のとてつもなくきれいな海牛で、
そもそも個体そのものを発見するのが大変な種なんだそうですが、
あの広い海の中で、どうして、雄と雌が出会うのか、かなり低い確率にもかかわらず、
これが、ちゃんと、季節になると、雌雄が合体してるんですね、と感想を言ってました。
きっとその種独自の何かサインがあるんでしょうね。

それと比較すると、人間は相手を探すのには十分すぎる環境ですね。

勢い余って、複数の相手と交尾して避難されている人もいますが。

 

何も子孫を作る出す、と言うだけでなく、グループ的生活形態は、生命体にとって、
重要な要因を与え合うんですね。
ま、一言で言えば安心感、とでも言ったらいいでしょうか。

先日、テレビで、田舎に引っ越そう、とかいうテーマの番組を放映していました。
都会で暮らしていた中年のご夫婦が、都会での暮らしに見切りをつけて、
地方の町に引っ越すんです。
ちなみに、この番組での紹介でしたが、
どこに引っ越したいか、というアンケートでは、山形の酒田が一位でした。
まあ、自然は十分に残っているし、十分とは言えないまでも、都市生活の利便性はあるし、
住めば都とはよく言ったもので、それなりに満足している日々のレポートでした。
この番組で、ご当人がコメントしているんですが、
以前、都下の町でのマンション住まいだったのが、
こちらに引っ越してきて、なによりも人情を感じることが多くなってきた、と言うんです。
隣近所の人から、やれ大根だ、やれじゃがいもだ、ともらい物がある。
こう言う接点からの人と人の交流が生まれてくる。
そして、地元の地域活動に参加するうち、友人も増えてきた。
このコミュニティの心地よさが、田舎のいいところだと、言うんですね。

 

実は、私は、松風町に住んでいるころは、仕事の関係もあって、
地元の人たちとは関わりがありませんでした。

正確には、松風町ではゼロに等しかったんです。
で、紅谷町のマンションに引っ越してきて、改めて大きな変化があったんですが、
それは、ここはここなりのも、コミュニティがあったという事なんです。

マンションでは、単純に言えば、エレベーターに乗れば、顔を合わせる人がいますし、
ロビーの出入りの時にも、誰かに会うわけです。
月日がたてば、誰が何号室の人か、なんていう人か、時に家族のことや、飼っている犬のことまで知るんですね。
つまり相手の情報をぎりぎり必要範囲で知るということは、正にコミュニティの原点なんです。

以前、コミュニティの特性を分析することがあって、
単純に都市型と田舎型に分類し、特性の整理をしたのですが、
都市型は、ただ利便性と匿名性と言う要因が中心。
田舎型は、都市型と比較すると、親密な人間関係。
これを、悪女の深情け、と表現していました。
まあ悪女と言う女性に出会ったことがないので、よく分からないのですが、
なんとなくニュアンスとして、いい意味では親切なんでしょうが、

時に、大きなお世話になりがち、ということでしょうか。

 

これが不思議と。若い時は都市の利便性と匿名性にあこがれるわけです。
田舎での濃厚な人間関係にいささか息が詰まっている時に、
都会の匿名性によってプライバシーが解放される、と思うんですね。
まあ間違いじゃないですが、そういう時代も人生にはあるんです。
ところが、一息ついて、さまざまな欲望もトーンダウンして、
何か、しみじみとした時間を過ごしたくなると、田舎への志向が生まれてくるんです。
悪女の深情けも、それなりに味わいがある、と。

テレビ番組の主人公も、田舎での濃厚な接触に満足していました。

 

ま、コロナ感染予防には、濃厚な接触は避けたいところですけどね。

 

| 水嶋かずあき | あれこれ | 11:10 | comments(0) | - | - | - |









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