水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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住めば都と言うけれど

私は、50年ほど前に、平塚の青年会議所に入会し、
様々な組織の運営の基本と、組織のテーマであるまちづくりの活動に参加してきました。
当時は、まちづくりなんて言葉は使っていなくて、CDなんて言ってました。
Cはコミュニティ、Dはディベロップメント、つまりコミュニティ開発のことです。
その頃のまちづくりの概念は、まだまだ都市整備に近い概念が強く、
かつて、戦後から30年間ぐらいは地方自治体にとってまちづくりと言うのは
道路整備と言う概念だったくらいの頃です。
いわば、インフラとか称されるもので、生活基盤の基礎部分を整備する事、
と捉えられてきました。

 

これも時代の進展の中で、インフラそのものの概念が変化してきたわけです。
まあ、俗に言う、衣食足りて礼節を知る、みたいなところがあって、
まずは、エンゲル係数の低い所に応じた時代があり、
そこがクリアーできると、もう少しレベルが上がり、食うや食わずから、
ちょっとばかり楽でお楽しみ的なものに移行してきます。
まあ上見りゃきりないんですが、だんだんと、贅沢の領域に入ってきます。
暑いと言って、ウチワ位用意しろ、と言われていたのが、扇風機になり、
エアコンになり、空気の清浄、湿度の管理も要求するようになる、ようなものですね。
まあ、ある意味それが人類の文化的生活の向上のエネルギーになってきたわけですが、
いったん、人があるレベルを経験すると、なかなかその質を落とすことができなくなる。


なんかの拍子に商売がバカ辺りをし、大金が転がり込む。
豪華な住宅に住まい、高級車を乗り回し、くそ高いワインを飲み、高級時計を身に付ける。
で、なんかの拍子に、商売がつまずき、借金まで背負うようになる。
でも栄華を誇ったころの生活観が抜けなくて、見栄だけで生きている、
と言う人だっているでしょ。
やむを得ないんですね。
そういう正常化バイアスを育んでしまったから、
なかなか元に戻れない。
そのうち何とかなる、で、生活レベルを下げない、
とまあ、人とはそんなもんなんです。

 

私が、ある時、友人と飲みながら世間話をしていた時のことです。
彼は、達上が丘に住まいがあって、
飲み終わると、代行を呼んで帰宅するのです。
で、私は紅谷町のど真ん中ですから、大概の飲み屋からは這ってでも帰れる。
そこで、今のマンションに住んでいることがどれほど便利であるか、という事を言ったんですね。
モスバーガーやケンタッキーなどは道の向こう側だし、
カラオケ屋は50メートル以内に2軒あるし、スポーツジムは歩いて2分。
何しろ駅ビルまでもいいとこ3分。
とこや、パーマや、郵便局は50メートル圏内。
なんと便利なところか、と、自慢したんです。
なにしろ、この間まで住んでいた松風町と比べたら雲泥の差だ、と。
するとその友人、僕らにしてみれば松風町だっていいとこだと思います、というんですね。

生活をするには、物理的に生活に必要な資材とサービスの提供が近い方がいい。
で、出来れば、コミュニティがあるといい。

 

このコミュニティというのは、かつて学んできたコミュニティとはちょっと違うニュアンスがあって、
もっと人間臭い関係が基礎にある、ということです。

私は、今のマンションに移ってきて、このコミュニティが希薄である、と感じたんです。
そこで、大きなお世話かもしれませんが、コミュニティ委員会なるものを創立し、勝手に委員長に就任し、
各種保守点検、修繕以外のマンション管理に、足し算をしたのです。
例えば、屋上で元旦に初日の出を見る会を開催したり、
この3月には、小中学校への新入生に記念品を配ったり、
さらにこの後には、町内のシニア会子ども会競争で七夕飾りを作ったり、と、
何かと、住民が触れ合う機会を作り出しています。

きっと、住めば都、という言葉は、このコミュニティを実感した時に、出てくる言葉なんでしょうね。
人はそういう社会性、人間相互の温かい関係を求めているんです。

 

こんな記事を読みました。
「東日本大震災を受けて岩手、宮城、福島3県の市町村が行った土地区画整理事業で
整備済みの土地計約895ヘクタールのうち、
少なくとも26%に当たる232ヘクタールが利用されていないことが報告された」そうです。
例によってどのぐらいの面積かというと、
「未利用地は、東京ドーム約50個分の広さに相当」ですって。
いや、一個分の面積だって十分どのぐらいかという認識がないのに、
50個分って、ちっとも理解を深めるたとえになっていないでしょ。

 

ま、それはともかくですね。
多額の税金を投入し、8年、9年と時間をかけて、造りだした土地が、
空きが目立つわけです。
土地の整備そのものは、要はインフラの整備に過ぎない。
この先は、人が人の匂いを付けてゆく作業が必要なわけです。
しかし、その基本である人の存在が十分でない。
戻ってこない人も多い。
人口が少なければ、利が読めないですから、新たな資本の投入をしない。
ようは、ガラガラのままになってしまうということです。

一度上げてしまった生活レベルは、そうは簡単に下げられません。
コミュニティを取り戻すには、かなりのエネルギーが必要ですが、
そんな事もお構いなしに、先ずはインフラ整備、とインフラ作りにまい進してきたわけです。
でも、もうそんな時代じゃないんですね。
早く、コミュニティも含めて、復旧することを願いますが、
正直、これは難しい状況だな、と思います。


最近、流れが出てきた定年退職組の田舎に住もう、みたいな新手の町民が登場に期待するところです。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 11:02 | comments(0) | - | - | - |









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