水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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一事が無事
多くの人は、職場の規定によって、現役としての働く期間が定められていますが、
私たちのような、自営業の立場では、自分の引退の時は、自分で決めるわけです。
したがって、基本的には働けるだけ働いて、肉体的、精神的に限界を感じた時に、
実質的な仕事をやめるわけです。
まあ、ご隠居さんになるんですね。
私は、自分の経験から、辞め時は計画的にすべきだ、と。
多少は肉体的余力を持って引退すべきだ、と。
出ないと、ぎりぎりで店を閉じて、翌日から病院通いじゃ、何のための人生か、ということなんですね。
働き詰めの人生から、ちょっとだけでも、
人生最後に、何か楽しみがあったっていいだろうと。
ですから、きっといわゆるサラリーマンの人の引退とはいささか事情が異なります。
サラリーマンは、単なるルールで生年月日による退職の時を迎えるわけでしょ。
その時の肉体的な衰えとか、気力とか、そんなこと関係ない。
余力たっぷりのまま、いわゆる老後の生活に入ることが多いでしょ。
ですから、時に嘱託とか言って、週2ぐらい元の職場に顔を出して、
ちょぼちょぼとした仕事をし、後輩にアドバイスめいたことをいうのが役目みたいな
期間を数年過ごすことがあるでしょ。
まあ、一種のクーリングダウンですね。
温まっていた肩を冷やすということです。
ところが自営業は、ともかくぎりぎりまで仕事をする。
いつ辞めるか、なんてことは時に大病を患って、回復が思わしくない、
なんてことになったら、踏ん切りがつくのでしょうが、
なかなかそういうことがあるわけではない。
私たちの仲間で、店じまいをする決意というのは、結構様々で、
肉体的なことが多いとは思いますが、それ以外に、店舗がぼろくなってきて、
調理機材、例えば、冷蔵庫とか冷凍庫、製氷機など、いわゆる冷え物が故障し、
買い替えなきゃいけない、なんてことになると、改めての投資をするには、先が読めない。
ここが潮時か、とばかりやめるという人がいます。
また、飲食店は許可制ですから、許可期限というものがあって、
それを超えると再申請して継続の手続きを取らなくてはいけないんです。
まあ大した手間ではないんですが、このタイミングで、店じまいなんてことを決意する人もいます。
またその他、お店の運営のパートナーだった人が、店から離れるとか、
まあ要は人材不足になって、一人じゃ無理かもしれない、なんて思うと、この時を経て、
ご隠居を決め込む人もいるんですね。
で、それなりに老後の生活に入るわけです。
趣味がある人はここぞとのめり込むのもいいのですが、
そうでないと、毎日、ただぶらぶらしているだけ、なんて人もいます。
私は現役時代の最後の5年ぐらいは、ほとんど休みも取らなくて、
一番きついときには、元旦と二日を休んだだけ、あと363日仕事をしたなんて時がありました。
ですから、サラリーマンが週休2日なんて状況がうらやましくて仕方がなかったものです。
せめて週1ぐらい休みたい。
連休なんて夢のまた夢、そういう状態だったんですね。
ところが引退してみれば、毎日が休みでしょ。
あれほど経験したかった連休は、毎日なんですから、その楽しみ方がわからない。
結局生涯連休の楽しみ方というのを経験することがない、と言うことなんです。
幸いかな、私は職場としての働くべきところはありませんが、
何かと、いわゆる野暮用が多いんですね。
ボランティアな様々な活動ということですが、
これは列挙にいとまがないほどあるんです。
とはいえ、仕事時代のようなほぼ毎日時間を割かなくてはいけない、ということもない。
時に、連続して、4〜5日何の予定もないこともあるんです。
と、何して過ごそうか、ということでしょ。
時に、雑然とし始めた家の中を、整理整頓したり、いわゆる断捨離を決行したりとか。
苗を買ってきて、鉢植えを取り替えたりとか、すいそうをきれいにして、メダカを繁殖させようとか、
ま、まさに時間つぶしを考えるんですね。

したがって、組合の予定や、ラジオの放送や、マンションの行事や、
その他の活動はあると、それなりの大きなアクセントになって、ちょっぴり充実感を得られるのです。
かといって、それでふうふうするのはもう嫌なんですね。
なんかわがままで申し訳ないのですが、そこは適当に、です。
ですから、一日、たった一つでいいんです。
カレンダーに書き込まれるような予定はあると、そのことのための一日になるんですね。
いや、たとえ1時間で終わろうとです。
何かをした日、というわけです。
ですから、何事もない日、というのは妙に落ち着かないんですね。
最近、そのことに気が付きました。
病院の定期健診でもいいんです。
組合の役員会でもいいんです。
場合によっては、切れた電球の替えを買いに行くというんでも立派な予定です。
友達と会って飲む、なんかもありなんです。
ともかく、何かあること、それは一つで十分。
これを一事といいます。
一日一事です。
一日一事がちょうどいい。
この一事をこなしてゆく、または一事という予定を作れる、
ということは、それなりになんだかんだと無事に過ごしていることなんです。
何もないことを無事といえるなら、無事は無事じゃないんですね。
ただ、座して来るべき時を待つなんてことはしたくないな、と思っています。
| 水嶋かずあき | あれこれ | 00:51 | comments(0) | - | - | - |









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