水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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ポケットティッシュも権利
例によって、昔々の話です。
ほぼ50年ほど前のこと。
当時紅谷街商店会(今のパールロード)で、青年部の構成員だったころ、
中元、歳末の大売り出しを企画し、その運営を青年部で行っていました。
で、従来のパターンを受け継ぎ、各商店で抽選券を配布し、
その枚数に応じて、ガラポンの器械を回してもらい、
出てきた球の色で等別を決める、というやつです。

で、このガラポンを独立した会計で進める場合なんですが、
収入の部としては、各商店が抽選券を1枚いくらで買い上げた金額がすべてになります。
で、その中から、特等、1等、2等などを決め、5等か6等あたりで、当選はおわり、
後は、末等として扱われます。
まあよくあるポケットティッシュかなんかですね。
予算的構造として、特等に値の張るものを上げると、その分、当選率を下げなければならず、
結局末等が増えるんですね。
これは仕方ないでしょ。
持ち分に限界があるのですから、上位の賞品にお金をかければ、
外れの部分が多くなる。
そこで、お客様は、5枚、10枚と抽選券を持ってきても、すべて末等なんてこともよくあるんです。
すると、本当にこの中に、当たりは入っているのか、とか言います。
20〜30枚の抽選券がすべてティッシュだったりすると、
中には、怒る人もいるくらいなんですね。

これは、抽選券をもらった瞬間から、特賞への夢が膨らむんですね。
ですから外れるとがっかりする。
挙句の果てに外れの枚数が多ければ、それなりに落差が大きくなり、
しまいに怒り出す、というわけです。

妙なものでしょ。
ある瞬間に、権利があると勘違いするんですね。
ティッシュでもありがたい、という気持ちがなかなか持てない。
そもそもとして、抽選券はポケットティッシュの引き換え券だ、と思えばいいのですがね。
でも、人は、一度渡されてしまうと、時間の経過とともに、権利に変質してゆくんです。

ですから、ある種のサービスは、瞬間的に権利と勘違いするんで、
渡した以上、その権利を保障する必要があるということですね。
これはサービス業などで、顧客へ特典などを渡す場合、
顧客は、それが権利としての解釈をするということを理解しておく必要があります。
つまり、あるサービスを提供するときは、四の五の言わず、サービスすることに徹することなんです。

ある時、駅前のツーリストに行き、電車のチケットを往復で事前に買いに行ったことがあります。
確か、5〜6万円ほどしました。
で、半月ほどしたとき、また遠出の旅行をすることになり、
同じツーリストに行ってチケットを購入したのです。
すると、チケットとお金のやり取りをするときに、サービスポイントが付く、というんですね。
で、いきなりポイントカードを作ってくれて、ポンポンポンとスタンプを押してくれたんです。
わたしは、少しばかりうれしくなって、そういえば、半月ほど前に
ここで、いくらいくらのチケットを買ったんだけど、
その時はスタンプを押してくれなかった、と物は試しのお願いをして見たわけです。
すると、その担当者は支店長だったのですが、
ああそうですか、それは失礼しましたと、何もに聞かずに、
追加のスタンプを豪勢に押してくれたのです。
その日にちとか、金額とか何も確認せずにです。
私はこの時、サービス業とはこういうものだ、と思ったんですね。
相手にあげてしまうものに、とやかく言うものじゃない、と。
で、話は例の10万円になります。
麻生財務大臣が手を挙げた人に、と言ったそうですが、
やる、と決めた以上、とやかく言う場合じゃないでしょ。
それとも、10%ぐらいは辞退するんじゃないか、みたいな読みがあったのでしょうか。
それとしたらおかしな話ですよね。
そもそも、これはコロナで収入が激減した人に何らかの補償をしようというのが原点でしょ。
で、線引きがややこしいとか、紙一重でもらえない人などからの不満が、
公明党を通じて安部ちゃんに伝わった。
で、よしわかった、と、さしたる計算もないまま、一律10万円という話が公表されたわけです。
すると、広島では、職員、教職員、警察官など、県が管理している人件費の枠の中の人は、
配らず、もっと補償を求めている人への足しにしよう、という提案がありました。

すると、それはおかしい、とか反論する人、いいんじゃない、という人など、様々ですが、
この保証の原点は、あくまでも収入減の人への補償なんですから、
収入が維持されている人に配らなくても、何の問題もないでしょ。
なんだか、みんなもらっているのに、自分はもらえないのか、
という不満はあると思いますが、
財政に限界がある以上、何が公平なのか、ということを考えれば、
減った収入を埋め合わせするという面では、公平な配り方ではないでしょうか。
ティッシュで我慢してもらう人がいるからこそ、成り立っているガラポンなんですね。
| 水嶋かずあき | あれこれ | 11:36 | comments(0) | - | - | - |









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