水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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正常性バイアスはなくせない
地震の速報に使われる早期情報発信のシステムがあります。
これは、地震が発生すると、その揺れ方が大きく2種類に分かれ、
そこで発生する振動は、P波とS波があり、P波は早い速度で地表を伝わってゆきます。
S波は、ゆっくり伝わりますが(それでも早い)破壊力はS波のほうが断然大きい。
地震の時、軽く揺れたな、と思っていたらそのあと大きく揺れた、という経験があると思いますが、
あれは、P波とS波の違いなんですね。
で、この特性を利用して、地震発生時の状況を地震計がとらえ、
人工衛星に送ります。
人工衛星では、コンピューターが計算し、発生場所と地震規模を特定します。
これが地震速報です。
で、このシステムが開発されたとき、
私は、FM湘南ナパサで、活用できると考えたんです。
例え、10秒、20秒でもいち早く情報を発信出来たら、多少なりとも被害を軽減できるはずなんですね。
そこで、その情報を手に入れるための交渉をすすめました。
これは当時、気象庁系の情報を扱っている民間の会社でした。
で、なぜか放送局にはこの情報を渡すことができない、と言われたのです。
その理由です。
例えば、地震がやってくる、という情報をラジオで流したとします。
するとそれを聞いた車を運転している人が、車を止める、
と、聞かなかった人との間に情報に対するタイムラグが生まれ、
知らなかった人は走り続ける。
したがって、衝突事故が発生する、というんですね。
なんだかよくわからない理屈です。
で、これは当時、災害に直面した人々の多くは、
たやすくパニックに陥ってしまうものと考えられていました。
災害に関する情報を群衆にありのまま伝えて避難を急かすようなことは、
かえって避難や救助の妨げになるというわけです。
しかし、その後の研究で、実際にパニックが起こるのは希なケースで、
むしろ災害に直面した人々がただちに避難行動を取ろうとしない原因の一つとして、
正常性バイアスなどの心の作用が問題になっている、という結論になったのです。  
つまり、人はそれほどパニックなんかに陥らない、と。
むしろ、問題は正常性バイアスなんだ、ということです。
正常性バイアスについてはこのブログでもしばしば取り上げてきました。
これは認知バイアスの一種で、社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語の一つです。
自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のことです。
自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、
それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、
自分にとって都合の悪い情報を無視したり、
「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、
逃げ遅れの原因となるってしまうのです。
東日本大震災の時に、多くの人がこの正常性バイアスによって被害にあいました。
例えば、三陸地方では、しばしば津波被害が発生しましたが、
大きな津波というものは、少なかったんですね。
でもまあ、一応地震があれば、津波情報が発令される。
で、びくびくしながらその後の様子を見ていると、
港の堤防に、30センチほどの潮位の変化があった、ということで終わる。
なんだ大したことないじゃないか、という経験をする。
これが、二回三回となると、だんだん情報そのものを軽く聞き流してしまう。
岩手のある街で、午後2時46分、自身発生ともに、津波警報が出されましたが、
その時、街のパチンコ屋さんでパチンコに興じていたあるおじいさんが、
たなたま、当たりが続いて、絶好調の状態だったんですね。
隣の人が、避難しろというから、一緒に逃げよう、と言ったにもかかわらず、
なに、津波なんか大したことない、とパチンコを続けていたそうです。
で、この方は亡くなってしまいました。
正常化バイアスというのは、
「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」
という、自分の都合の良い判断をしてしまうことです。
まあ、超楽観主義と言えばそれまですが、
それによって、自分の命に係わるかどうかは、それは勝手な話でしょ。
悪く言えば、時に、自業自得ともとれる。
しかし、このコロナに関していえば、あなたが正常性バイアスの判断をするのは勝手ですが、
それによって、コロナをまき散らすということになったとしたら、いい迷惑ですよね。
パチンコ店に遊びに来る人が県境を越えてやってくる、と。
店がやっているんだから、いいじゃないか、と正に正常性バイアスの極致。
こんな人がいるんですね。
またなにより、店を開けているという神経が正常性バイアスそのものでしょ。
何てことない、と思っているわけです。
例の黄色い帽子をかぶった(感染自己申告者)がいたら、
あんたは入らないでくれ、というでしょ。
要は目に見えないだけのことで、いたって気楽になっているだけなんです。
公園でジョギングをしている人、最低で10メートルは間隔を開けてください、
と、山中伸弥ドクターが言ってました。
正直、正常性バイアスな人は、ある一定程度存在します。
これは、脅しても透かしても理解できない人たちなんです。
ですから、もう物理的に集まれないような対策をするしかないでしょ。
都市封鎖に近いものですね。
こうなると、その段階に入るのも時間の問題のような気がします。
| 水嶋かずあき | あれこれ | 09:19 | comments(0) | - | - | - |









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