水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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ギリシャ文明も疫病で衰退した

昨日の続きです。
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ざっとおさらいすると、民主主義という人間の社会を管理運営するシステムは、
古代のアテナイで始まりましたが、今日に至るまで、その望ましい形を求めて、
試行錯誤が繰り返されています。

しかし、今だに最終的な理想形は見いだせていません。
これは人間社会の延々と続く、支配者と被支配者の歴史でもあるわけですが、
動物社会のいやおうなしの本能に深く根差したものなんですね。
この支配、被支配というのは、人間社会に限らず、
群れを持って生活するさまざまな動物社会では、
当然のシステムとなっています。
力のあるものが支配をする、ということですね。
サルの群れだって、オットセイの群れだって、ライオンの群れだって、
力あるものが、その他の個体を支配します。
そのほうが、優秀DNAを子孫に継承できる、という鉄則があるからなんです。
まあ、生物種の基本セオリーなんですね。
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ところが、人間に「個」の自覚が生まれてきます。
そもそもの生物種の最大の本能である、自由な行動に対する願望、が根底にあります。
これは、虫も、魚も、鳥も、獣も原則的に行動の自由が与えられています。
動物ということは動く存在であり、その動くことは動物自身が持った意志によるものなのです。
しかし、個の生存と、個の自由な行動は、時に相反することがあり、
自由な行動より個の生存が優先するため、しばしばその願望は抑圧されてきました。
ところが、現ホモサピエンスの発生から、20万年。
この長い歳月の中で、知力が蓄えられ、群れ生活の本能的知恵によって、
支配、被支配が生まれてきます。
特に、農耕牧畜の発見により、「蓄財」が可能になり、
より多く蓄えたものと、そうでなかった者との間に貧富の差が発生します。
これが、そのまま支配被支配の関係を作り出し、
人間社会の中に、支配の力が生まれてくるのです。
これは合わせて、被支配の人に、被支配を容認することも伴いました。
しかし、根底にある願望としての個の行動の自由は、消し去ることができません。
そこで、しばしば、支配被支配の力関係を打破しようという行動が起きます。
そして、それが形として出てきたのが、支配者である王家の打破で、
専制支配の社会から、民衆支配の社会にかじ取りが行われたのです。
民主主義の台頭です。
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人類の歴史とは、どのような視点で見るのかによって、大きく流れが変わってきます。
そして多くは支配者の視点で歴史を見ていることが多いようです。
平安期であれ、源平の抗争、戦国時代、平和とはいえ江戸時代、明治の近代への黎明期など、
多くの節目が、支配者の動向を伝えることが歴史であるという認識が普通です。
しかし、トータルに、支配被支配の流れで見ると、
人間が何を求めて生きてきたのか、ということがはっきりしてくるのです。
民主主義の歴史は、紀元前5世紀ごろに繁栄を極めいた古代アテナイが出発点ですから、
7千年以上の歴史を刻んでいるのです。
で、間違いなく、現代は、民主主義が最もよく行われている時代になったといえると思うのです。
しかし、現在の民主主義は決して完全ではありません。
そもそもシステムそのものに、欠陥があるんですね。
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特に今回のコロナ騒動で、民主主義のいくつかの欠点が浮き彫りになりました。
何より、社会全体として、対応が遅いということです。
選択の決定に、多くの声を反映させるべき民主的運営をとろうとすればするほど時間がかかります。
今回のコロナ騒動で、私が関係する民間団体のいくつかの総会が、
書面総会に変更されました。
今までのように、皆が集まって、1時間とか2時間の議論の末に結論を出す、
ということを省略して、文書を郵送し、異議ある場合は文書を提出する、という、簡素な手続きに変えたのです。
まあ、よくよく考えれば、だからと言って大きな問題はありませんでした。
なんだ、こんなのでいいの、という感じですよね。
いままであれこれ時間かけていたのはなんだったんだ、と。
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時間はかかるという以外の問題も、あります。
時に、衆愚と言われるような、過半数を超えるというだけの理由で、
欠陥のある対応方法を選択する場合があります。
逆に、数を頼みにしようと、ポピュリズム的手法をとる場合もあります。
正に、これらの民主的と思われる手法が本当に民主主義なのか、
行動の自由を広く認めることが民主主義なのか、
大いにチェックすべきでしょ。
あの民主主義国家の権化のようなスウェーデンで、
個人の行動を縛らない、という選択をした結果が、多くの感染者を出し、
多くの死者を出してしまいました。
この側面だけで見れば、民主主義の敗北です。
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妙な符号ですが、民主主義の元祖のような古代のギリシャ文明でしたが、
この文明を衰亡させた「アテナイの疫病」というのがありました。
患者たちは神殿に助けを求めてつめかけ、神にすがったそうですが、
病苦に打ち負かされ続けたので、かえって、神殿から遠ざかったとのことです。
神殿が、クラスターの拠点になってしまったんでしょうね。
その後の研究で、この時の疫病は天然痘かはしかだろうと言われています。
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この話、今のコロナ騒動にも通じませんか。
個人の自由な行動も、時によりけりなんですね。

| 水嶋かずあき | あれこれ | 10:38 | comments(0) | - | - | - |









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