水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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歴史を生かしてきたか
戦国時代の、様々な武将の生きざまを見てみると、
いくつか共通点が見えてきます。
当時は、嫡子を殊の外、尊重していたわけで、自分の血筋であるがゆえに、可愛がったんですね。
最もどんな場合にも例外があって、
家康は、長男信康を自刃に追い込みます。
これは、同盟を結んでいた織田との関係があったのですが、
ま、いずれにしても長男を見殺しにしたといっていいでしょうね。
でもなんだかんだ、わが子は可愛い。
その典型が、秀吉が子がいない時期があって、あきらめかけていた時に、
秀頼が生まれます。
そうなるとやはり血の通ったわが子を贔屓するので、
それまで自分の跡取りであると公言し、関白の地位まで譲った秀次をないがしろにし、
最後は切腹を迫り、挙句の果てにさらし首にまでします。
まあ、権力者というのは、ちょっと尋常な神経では務まらないですね。
.
それはさておき戦国武将の生きざまとしては、離合集散は日常茶飯事。
昨日同盟を結んだ相手とは、明日は敵となる。
昨日の味方は今日の敵、今日の敵は明日の味方なんですね。
正直言ってこんな時代に武将の血を引いて、私が、生まれてきたら、
ちょっと気が狂っちゃうかもしれない。
何しろ疑心暗鬼の日々なんです。
何かの同盟を結ぶとなると、その証が必要になります。
まあ、要は約束は破りません、という具体的な証です。
よくあったのが、人質に身内の人間を差し出すということです。
さらに、自分の娘と相手の息子との結婚なんて言うのもありました。
まあ、これはあからさま政略結婚です。
親戚関係になれば、まさか寝返ることはあるまい、と誰しも思うでしょ。
でも、ぎりぎり自分の立場の状態では、これを切り捨てる。
親子の心情なんてくそくらえの世界でしょ。
ですから、今時の温情とか、愛情とか、家族愛なんてものは、
当時は微塵もなかったんですね。
まあそんなことに神経使っていたら、自分の命が亡くなってしまう。
いや微塵もなかったというのは、言いすぎでしょうか。
当然その時代にあって、人間らしい心情に生きた人はたくさんいたと思うのです。
でもそういう人は、頭角を表すことがなかったんですね。
人間らしく生きた人は、歴史に名を残せない。
どこかの合戦で、先鋒を任され、討ち死にしたとか、
いわば、著名ながら冷酷な武将の捨て駒になったんではないか、と。
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ハリウッドの映画でよくある話なんですが、
そのストーリーの主人公たるヒーローがいます。
正義感が強く、強靭な肉体を持ち、機転が利いて、悔しいことに女にもてる。
で、このヒーローが、悪の巣窟に殴り込みをかける。
すると見張り役をしていた三下奴がちょろちょろと出てきて、
銃をぶっ放す。
何発撃ってもヒーローには当たらない。
そこでヒーローは、反撃する。
まあ、二三発撃つと相手は急所を射抜かれて即死。
無様な姿で、地面に倒れ込む。
そこでです。
観客はこの三下奴の素性については情報を与えられていないから、
死のうと何だろうと、気にかけない。
それより、このヒーローが、無事に相手をやっつけることを期待する。
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この死んでしまった三下奴がどんないきさつでこの悪の組織に加わったのか、
母親はどんな人なのか、結婚してるのか、
それ以前にどんな子供時代を過ごしてきたのか、
まあそんなことはどうでもいいのですね。
映画に登場するには、ほんの10秒前後ですから。
要は背景の一つに過ぎない。
それよりも観客はひたすら、ヒーローの活躍を祈るわけです。
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映画も、歴史も、中心人物に焦点があてられるでしょ。
粗暴であろうと、品格がなかろうと、時の権力者の行動が歴史を表しますよね。
ギャングの三下奴だとか、名もなき武将だとか、そういうところは記録もないけど、関心もない。
武田と徳川がガブリ四つに組んだ、三方ヶ原の合戦の時、
徳川軍では多くの武将が打ち死にしましたが
この時、鳥居四郎左衛門、成瀬藤蔵、本多忠真、田中義綱といった武将の名前は、
歴史書の片隅に出てくるだけで、ほとんどの人は知らないことです。
私も、いろいろ調べていて知ったことです。
.
でもです、私たちが知りうる情報には限界があるとはいえ、
歴史という、主として過去の人間の失敗の経験談を整理したものについて、
もっと学ばねばならないと思っています。
特に、一般市民の、一般国民の生活感情とか、その時の治世のシステムとか、
ヒーローのでっち上げの物語ではなく、
素朴な生活感をベースにした歴史の編纂が必要ですね。
まあ、正直この場合、ヒーローがわき役になり、
見向きもされなかった武将の死や三下奴の生きざまには、あまり興味を持たれないと思いますが、
それでも、私たち人間のありようを見出すには、
やはり歴史は意味があるし、過去の経験を生かせるのが人間の特権の一つではないかと思うのです。
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その意味では、過去の人類の疫病との戦いの経験は、
正にそれこそ歴史そのものなんですが、
この期に及んで、まだその認識が不十分でしたね。
でも、こんな強烈な経験をしたのですから、
きっと今後に対しては、最良の手段を編み出すだろうと期待しています。
.
それにしても、自堕落な政権、無能な官僚のシステムは、
何度も何度も経験してきた割には、改善されないですね。
これはきっと、改善されないことが望ましいと、ご当人たちが考えているからなんです。
それと、直接的被害がない場合、他人ごとになりますから、
あまり当事者的姿勢を取らない。
つまり無関心なんですね。
言い換えれば私たち自身の中にも、
改善されないことを容認しているところがあるんじゃないかとも思います。
| 水嶋かずあき | あれこれ | 10:43 | comments(0) | - | - | - |









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