水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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肌の色で赤ちゃんの死亡率が変わる

別段、宗教的なことを言おうと思っているわけではありません。
人としての原罪とでも言うべきものを負って、人は生きています。
生まれながらにして、とかくそうなりがち、とでも言いましょうか。
キリスト教の世界では、アダムとイブが登場して、神様にやるな、と言われていたのに、
リンゴを手にしてしまいます。
これはいったい何の象徴なんでしょうね。
言い換えれば、神と人間は、ある意味、試し試されの関係にあるんですね。
そこまで言うなら、罪を犯さない構造を人間に与えればよかったじゃないか、と。
にもかかわらず、人はしばしば罪を犯してしまう。
と言うか、通常の行動の中では、人間は、そもそもが罪と言う地雷原を歩いているようなものなのですね。
これはいつの間にか、罪として共通に認識されるようになった。
人が人を殺すのは罪だ、と。
でもそんなこと言っていたら、様々な動物で、同種を殺すなんてことは普通にあることですよね。
でも、だからといって、別にいいじゃない、なんてことを言ってると、
おさまりが付かなくなる。
そこで、社会的な規範として、
罪と言う概念が登場し、社会性をコントロールしようとしているわです。
ま、簡単に言えば、人間社会で、平穏で、仲良く、安全に暮らせるための決まり事ですね。
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人が犯してきたいくつかの罪があります。
まあ、モーゼが示した十戒などもその基準でしょうね。
その中でも、プライオリティが高いと思うものに、
平和を犯す罪と言うのがありますね。
ちなみに、太平洋戦争後連合軍が仕切った東京裁判でのA級戦犯の罪は、
平和を犯した罪です。
しかし、残念ながら、人は絶えず争ってきました。
4万年ぐらい前に、地球上から姿を消したネアンデルタール人は、
なぜ滅亡したのか、という研究が多く行われてきましたが、
要はわれらが先祖のホモサピエンスと戦って負けたからなんですね。
ヨーロッパに先行した生活基盤を作ってきたネアンデルタール人のテリトリーに、
後発のホモサピエンスが入り込んでいった。
きっと武器のちょっとした違いもあって、ネアンデルタール人はその数を減らし、やがて姿を消します。
同じ、人類の起源を共通する種ですが、我々人類は生き残ったんですね。
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よく考えてみれば、まさに原罪とも言うべき罪深い行動を当然のようにとってきたのです。
そう、争いによって生き延びるという技、仏教でいえば業です。
これは、人間が生き延びる本質として持っているものですから、
何かというと「争う」と言う側面が出てくる。
よくよく世のなかを見渡してみると、
ああだこうだと理屈はつけていますが、
結局、争っていますね。
ここで加熱してきた日本の首相選びでもある総裁選も要は争いです。
あまりにも人は争いを連続的に繰り広げるので、それそのものが生きざまになってしまっているようです。
もう、神様や仏様を登場させて納得させるなんて手は通用しなくなりました。
法律と言う罰則規定で縛ろうとしているんです。
クラーク博士が札幌農業学校に就任した時に言ったとされる、
「BE GENTLEMAN」なんてことは、今や通用しないでしょ。
何の、後ろめたさも感じないで争っていますでしょ。
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人種差別もそうです。
人が集団で暮らすようになって、ある特定のテリトリーを確保します。
ところが隣接する部族が争いを仕掛け、食料や領地を奪い、男は奴隷にし、女は自分たちの子供を産ませます。
よくある話じゃないですか。
ちょっとでも違いがあれば、それは争いの元なんですね。
ドンパチまで行かなくても、いわゆるヘイトなども含め、人は人を侮蔑したり、意味なく忌み嫌ったりします。
根底に争いの本能をしっかりと抱えているのかもしれませんね。
人種差別は、人類の歴史の中で培ってきた争いの本能の延長上に存在するものではないか、と思うのです。
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昨年、アメリカのCDCである調査が行われ、その結果が公表されました。
こんな内容です。
黒人の赤ちゃんが1歳を迎えるまでに死亡する確率は、白人の赤ちゃんの2倍以上だというのです。
さらに、別の調査では、こんなデータも紹介されています。
それは、黒人の赤ちゃんの死亡率に医師の人種が影響しているというんです。
1992年〜2015年の米国フロリダ州で行われた病院での出生記録180万件を調査したところ、
白人の医師が担当医の場合、黒人の赤ちゃんは白人の赤ちゃんに比べて、病院死亡率が約3倍になると言うのですね。
逆に、黒人の医師が黒人の赤ちゃんを担当すると、その死亡率の差は半分にまで下がった、と。
一方、白人の赤ちゃんの場合、担当医の人種は死亡率に影響を与えなかった。
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一つの命を取り上げるときでも、なぜか人種としての偏見が多少は影響するのでしょうか。
死亡率3倍と言うのは、偶然の数字ではないはずです。
何より180万件と言う、膨大な母数から算出されたものなんです。
その中での死亡率3倍と言うのは、正直、日本人の感覚では分からないことですね。
18世紀、アフリカから多くの黒人が奴隷狩りをされ、窮屈で劣悪な船倉閉じ込められ、
アメリカ大陸に送り込まれたのですが、
そもそもが人格なんて感じていなかったわけでしょ。
家畜同様の扱いを受けて、人としての扱いはされなかった。
こういう、潜在的な黒人に対する認識の仕方が、
今でも影響を受けているんですね。
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あんたと肌の色が違う以外どこが違うんだ、と。
人間の悲しい性の一つなんでしょうか。
いつになったら平和な地球になり、いつになったら、人種間の争いが無くなるのか。
遠い先のことなんでしょうか。

 

| 水嶋かずあき | あれこれ | 11:52 | comments(0) | - | - | - |









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