水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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勧善懲悪

この間の日曜日は、半沢直樹が、コロナの関係で一回分延期となりました。
きっとスタッフと、局のお偉いさんとの間で、相当のやり取りがあったんでしょうね。
当然局のお偉いさんは、何とかしろと言い、製作スタッフもそれなりの努力をしたんでしょうが、
なんかの障害があって、ままならなかった。
私だったら耐えられないような、厳しい経緯があったんだろうな、と想像しました。
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前回のシリーズでもそうでしたが、いささかオーバーアクションの連中が役を固めているので、
なにかとアクの強いシーンが連続し、見ようによってはリアリズムとは程遠い世界を描いているのですが、
まあ、これもテレビでドラマを見たり、劇場で観劇するときに、
その場の約束事は前提ですから、それなりに見るわけですね。
何もリアリズム最優先ではないのです。
半沢直樹のように、舞台出身俳優とか、歌舞伎の役者だとがメインの場合、
どうしても幾分か過剰な演技になりがちなんですね。
ですからそこを前提としてみていると、
それなりの楽しみ方ができるわけです。
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で、言ってみれば単純な物語で、一言でいえば勧善懲悪そのもの。
古今東西、今も昔も、日本も欧米も、ドラマの基本ストーリーは勧善懲悪。
あれこれ苦難の過程があって、でも、最後は正義が勝つ、ということが、

誰もがすっきり受け止められる物語なんです。
そもそも、ドラマとは、障害があって、その障害をどのように乗り越えてゆくのか、
と言うストーリーの展開のことを言うんですね。

つまり、問題解決のプロセスのことをドラマ、と言うんです。

ですから、時に、物語の紆余曲折の中に、登場人物が死ぬ、と言うことがあるでしょ。
どう考えても、主役級の人が初めに死んでしまう、なんてはない。
その昔、地上最大の作戦・The Longest Dayという映画が製作されました。
ジョン・ウェイン、ロバート・ライアンなどが主演した、
第二次世界大戦の中でのノルマンディ上陸作戦を描いたものです。
ともかくとてつもない規模の作品で、戦争ものですから、出演者も多い。
かなり有名な俳優の総出演と言う感じだったのですが、
ウソか本当か、出演ギャラの高い役者ほど最後まで生き残っていた、と言うんですね。
ギャラが安いのはさっさと戦死してしまうんです。
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私は結構好きなんですが、スティーヴン・セガールが主演する沈黙シリーズ。
なんと43作品もあるのです。
で、何が気に入っているかと言うと、どんな危機に陥っても、セガールは一瞬で悪役をやっつける。
だから安心してみていられる。
基本的な小細工はない。
ともかく、対人の戦いでは圧倒的に強いんですね。
物語としては、勧善懲悪の典型的なパターンなんですね。
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日本にも、歌舞伎の外題で、いくつかの勧善懲悪ものがある。
これは江戸っ子を刺激したらしく、ヒット作と言うとほぼこのパターンでした。
歌舞伎十八番の中で、勧進帳がありますが、
これとて、義経を美化し、判官贔屓を作り出すのですが、
背景には頼朝を悪とし、義経を善とする勧善懲悪のパターンの一種です。
こういうことからも、勧善懲悪は、人間の心に中にある何かを刺激するんでしょうね。
私はそれが正義感だと思っています。
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正義と言うと、絶対無二、究極の価値観と思いがちですが、
実はかなりこれには異論があるようで、
見ようによっては、正義を感じている人の思い過ごしだ、ぐらいの見方もあるんですね。
私は古い人間ですから、正義感以上の人が持つべき価値観はない、と思い込んでいたのですから、
あれこれ、正義に関する主張を拾い集めてみると、
結構ばらついていることに驚くのです。
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正邪と言う対比がある
善悪と言う対比がある。
これらをまとめれば、
正義の反対語が生まれてくるのか、と思うのですが、
邪義なんて言葉は一般的ではないでしょ。
善意と悪意は対比できるにしても、
どうも正義に対比しうる言葉がないんですね。
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そもそも、正義とは、正と義で構成されています。
義とは、筋道が通っていることです。
転じて、人としての正しい生きざまのことで、
ほぼ、正の同義語です。
つまり正義とは、「ただしい・ただしい」ということです。
で、ただしいってなんだ、となるのですが、
これは今までもくどくど書いてきましたが、
人間が社会的動物として、よりよく繁殖してゆくための基本的なルールのことで、
この総体的概念が正義なんですね。

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先日のブログでも書きましたが、
珍しく韓国ドラマにはまったのですが、
それが、ジャスティス・検法男女、というドラマです。
新人の女性検察官と、中年の変わり者の検死官の男女物語で、
様々な事件を解決してゆきながら登場人物の男女心情を描いてゆく、と言った内容なんです。
で、痛切に感じたのは、なんだかんだと勧善懲悪なんですね。
悪をやっつけ、正義に勝利を与える、と言うことを登場人物が展開してゆくわけです。
改めて、CS・ケーブルテレビの多チャンネルを見ていると、
多くのドラマが、間違いなく勧善懲悪で構成されているんです。
まさに、人種とか、宗教とか、政治理念とか、民族の違いを超えて、
共通して正義は尊ばれているんですね。
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にも関わらず、この世の中で、正義が行われているという実感が少ないですね。
まあ、そんなもんだ、と言う「悪」とか「邪」を許容しているんでしょうか。
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時々思うんですが、「善」と「悪」が戦う、「正」と「邪」が戦う。
で、ドラマと違うところは、とかく悪が勝ち、邪が勝つんですよね。
ニュースなど見ていると、それが多いとと感じます。
モリもカケもサクラもそうでしょ。
あれを、正として、もしくは善として見るんですか。
私には、どうしても引っかかっているんです。
不思議なのは、どうして最後の最後で国民は受け入れたのか、と。

 

| 水嶋かずあき | あれこれ | 13:13 | comments(0) | - | - | - |









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